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読書感想文20赤瀬川原平著「外骨という人がいた!」 


 わたし(おそらく赤瀬川原平自身)が宮武外骨という実在のジャーナリストに興味を持ち、調べ、そしてわかったことを小説という形式で書いたもの。一応小説だが、限りなくノンフィクションに近い。  
 宮武外骨は権力を嫌い政府を批判し続けて、何回も実刑を食らったが、それでも雑誌を出し続けた。雑誌を発行し、発禁をくらって別の雑誌を出すということを繰り返している。というと宮武外骨が随分と気骨溢れる立派なジャーナリストのようだ。いや、実際にその通りなんだが次の図を見てほしい。


「外骨という人がいた」より引用

 骸骨が発行していた滑稽新聞なる雑誌に載せられた絵だが、はっきり言って人を食っている。気骨溢れるジャーナリストの書いたものなのか、単なるきかん坊が書いたものなのかわかりゃしない。ジャーナリストというより奇人である。しかもこの本は外骨の主義主張は一旦横に置いて雑誌としての表現のセンスに注目している。なので余計に外骨が他人を馬鹿にし、自分を馬鹿にし、世間様をバカにし続けているようにしかみえない。外骨の主義主張について詳しく知りたい方は小林孝雄の本をおすすめする。私がこの本に下した評価は一つ。くだらん。秘宝館的な変さを感じる。



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