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あおぞらクラフトいち2024/収穫②

手間がかかる子ほどかわいい、のか?

今日取り上げるのは左の作品。右のは以前買い求めた器

あーそうだった、彼だわ彼。
手前のが今日の作品、奥のが以前買った作品。
主なきブースで器に見入っていると、
ひょっこり奥の方から顔をのぞかせたのは
以前違う陶器市で出会った作家さん。
今日ご紹介する角田智高さんでした。

なんだよ、また来ちゃったじゃねーか…。
内心そんなやられた感を味わいつつ、
今日の器をしげしげと眺めていた。
これこれ、これだよ、やんちゃだよなー。
画像ではうまく伝わらないかもしれないが、
何を思ってこんな形、色にしたのか。
中学生が初めて作ったようなその造形は、
奔放に歪み、高台も潰れ放題。
内底にはヒビのような隙間があり、
彼は最後に水を入れて漏れを確認していた。
そんな作家さん、初めてだわ!

とはいえ、実は結構凝った作り方で、
薪窯で一旦焼き締めてから釉薬をつけてを
繰り返し、いつしかこんな仕上がりに
なったんだとか。
なにやってんだよ、まったく…。
「すみません、業界の問題児なもんで」
言われんでもわかるけどな、それは。

誰にも真似の出来ない、いやしようとしない道。

ブサカワな器って、こういう作品のことか?
高さ約75mm。歪ませたのではなく、
おそらく期せずして緩く三角形に歪んだ呑み口は、
手に馴染みやすく、意外にも使い勝手もマル。
釉薬は気ままに、飛び散るようにかけられ、
外側には赤く変色した様子も。
自由気まま、偶然の産物なのか、
はたまた計算し尽くされた結果なのか、
たぶん前者だとは思うけど。

そして想像以上に手の込んだ作りにもかかわらず、
彼の作品はどれも異常にリーズナブル。
やりたいことをやりたい放題やっている
からなのか、商売っ気がないというのか。
こんなんで大丈夫?次はどうすんの?
と尋ねると、「土に潜ります」だって。
お前は球根か!
もう、好きなようにやんなはれ、ですな。

天才か奇才か愚才か、問題児の行く先は。

何をして彼が自身のことを問題児というのか、
その詳細なところはわからない。
しかしあえて人の歩んだ道を歩もうと
していないこと、普通ではないアプローチを
試みていることは、その作風を見れば
なんとなく感じられる。
結果的にそれが実を結ぶかどうかはわからない。
不器用だろうし世渡り上手でもないだろう。
ただ試行錯誤し、もがいている彼を
これからも微力ながら応援したいと思う。
ほおっておけないのよね、なんとなく。
大変失礼な物言いだが、そんな気になってしまう。
彼自身と彼の作品にはそんな魅力があるのだ。

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