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あおぞらクラフトいち2024/収穫③

決してあの呪文を唱えてはいけない器。

阿部貴央さんの作品です
テントの図柄からインパクト大
最初はこちらに目を引かれていたのだが

ご覧の通りテントからインパクトが強い。
カラフルなガラス器が並ぶ派手なブースは、
会場内でもひときわ異彩を放っていた。
で、最初に見ていたのはそんな器だった。
赤や黄や青の色ガラスを溶かし込み、
テントさながらに鮮やかに仕上がった器。
これはこれで十分に魅力的だった。
でも最終的に選んだのは表題の器。
ブルーから黒へ、グラデーションの
かかった大人顔のガラス器を、
謎の幾何学模様が取り囲んでいる。
いったいこれは何だ?

「天空の城ラピュタっていうアニメが
あるじゃないですか、宮崎さんの。
例の呪文で崩壊する天空のお城。
あの緻密で複雑な構造をガラスの表面に
表現したい衝動にかられてしまって」
ガラス作家の阿部貴央さんは
笑みを浮かべながらそう語ってくれた。

なるほどー、そういうことねー。
私はてっきりキース・ヘリングとかへの
オマージュなのかと。
聞けばこの図柄を彫り込むのには
相当時間がかかるらしい。
しかもハンドメイドの一発勝負。
ご存知、切子のように研ぎ澄まされた
ものではないかもしれないけれど、
揺れながら、惑いながら、
まるで迷路を描くように進む線。

高度な科学的要素、そしてマチュピチュの
石積を彷彿とさせる精密さと人肌感。
ラピュタのアニメでも描かれていた
両方のエッセンスを感じさせる
独特の仕上がりが逆におもしろい。

ガラス器で、しかもこれだけ削り込まれて
いると、実際の使用時はさらにナーバスに
ならざるを得ないが、それはそれで仕方ない。
おそらく使うたびにいろんなことを
考えさせられる、想像させられる、
であれば自然とラフには使わないだろうし。

精密すぎる和柄にはない揺れやブレ。
そしてブルーから黒へ変化するグラデーション。
それらの不思議なバランスを愛でながら
一体何を飲もうかな、なんてところから
こいつとゆっくり付き合っていこうと思った。
とにかく禁断の言葉だけは口にするまい。

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