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ときどき日記(559)ALS嘱託殺人の有罪判決は人生万策尽いたことがない強者の弱者に対するパワハラだ

裁判長は「被告の生命軽視の姿勢は顕著で、強い非難に値する」と述べた。
言い返してやろう。

裁判長の尊厳軽視の姿勢は顕著で、強い非難に値する。

弁護側は「被告の行為を刑法で処罰すると、林さんは国家によって『望まない生』を強いられる結果となり、自己決定権を保障する憲法に反する」と無罪を主張していたが、その通りだと思う。

裁判長は、嘱託殺人で、罪に問われない要件として、4条件を示しているが、それが叶わないから嘱託したのがわからないのだろうか。

(1)死期が迫り、苦痛を除去・緩和する他の手段がない
   ※精神的苦痛のことを考慮せず、単に肉体的苦痛のことだけ言っているのだとすれば、いささかお粗末だと断ぜざるをえない。人生万策尽いて、尊厳も脅かされていたのだ。

(2)近親者の意見も参考に、患者の意思を慎重に見極める
   ※すでに近親者と意見の相違があったら見極められない。

(3)苦痛の少ない方法を用いる
   ※これは満たしていたはずだ。

(4)事後に検証できるように記録する
   ※今生から静かに去りたいと思っている者にこれはできない。

事実として、肉体的に健康であっても多くの者が自殺を遂げている。
自己決定権を行使したのだろう。
なぜ、ALSの患者にはそれが認められない?

人生万策尽いたことがない強者の弱者に対するパワハラにしか見えない。

そして、新聞(2024/03/06読売新聞朝刊13版30面)には患者の代表となる方が「患者が不自由だからといって、社会から切り離してはいけない」と述べたと記載されているが、切り離してはいないし、本人は、社会はどうあれ自ら社会から切り離されたいと思ったのではないのか。

生きたいと思う患者もいるし、生きたくないと思う患者もいる。

残された者の慚愧の念はよくわかる。

だからといって被告を収監して落とし所とするのはどうなのか。

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