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私の広報写真(設定編)

はじめに

 皆さん、こんにちは。伊達市の橘内です。
 広報写真に役に立つ撮影方法などの技術や思い、心構えなどをお伝えする7回目となります。

 6回目に引き続き、「私の広報写真」と題して私の広報担当で経験したことをお伝えしていきたいと思います。というか、広報担当から商工観光へ異動して、忙しすぎて・・・。7月末から週末のたびに盛岡(イオン)→名古屋(豊通)→三島町(福島県)→仙台(イオン)→東京(板橋)・横浜(イオン)→東京(JR東京車両基地)→東京(東京ドーム)と全国第4位の生産量を誇る伊達の桃のPR販売で大忙しでした。なんか広報が遠い昔で、広報のことがどんどん薄れているので、私自身、思い出しながら進めていきたいと思います。
 広報担当となった皆さんには、今年から一眼レフやミラーレスを使ったという方も多いと思いますし、数年使っているけどよくわからないという方もいるかと思います。そこで、基本的なカメラの設定など、撮影に向けて必要な知識を知ってもらえたらいいな〜と思います。
 今回は、カメラの設定を中心に難しくなりすぎないように、完全マニュアルではなくある程度オート機能を使いながら、誰にでもできる設定で次の3つのテーマをお伝えします。
 1 カメラの基本設定
 2 シーン別の基本設定
 3 自分自身を・・・

1 カメラの基本設定

 皆さんが使っているカメラは、マイデフォルトをどんな設定にしてますか。皆さんいろいろな設定の仕方をしているのかなと思います。広報に異動して間もないからわからない、オートのままっていう方もいらっしゃると思います。せっかくミラーレスや一眼レフカメラを使っているのだから、その性能を活かして撮影していきましょう。
 そこで私の広報担当時の普段使いを中心に簡単な設定を紹介します。私はニコン製のカメラを使っているので、若干違うところもあるかと思いますが、参考にしてもらえたらと思います。
 普段の設定は、室内で動きのない人を撮影すること想定して、その設定をマイデフォルトとしています。(シーンは市長と◯◯を撮影)
  ・モード:絞り優先(A)でF値は5.6~8
  ・ISO:100に設定のオート(100〜25600)
  ・WB:オート(白優先)
  ・ピクチャーコントロール:ポートレート
 ※キャノンの場合:ピクチャースタイル、ソニーの場合:クリエイティブルック
  ・AF:AF-S、オート(瞳優先)
   ※一眼レフの時はシングル
  ・露出:+0.3
  ・記録:JPEG
  ・アクティブDライディング:オート
  ・サイズ:SまたはM
 職場にいる場合、突然、市長面会の写真を撮ってくれとか、予定外のものが出てきたりするので、室内で静止した状態の人を撮影するイメージを自分の中のデフォルトとしています。また、撮影したデータはSNSだったり、広報紙で使用する場合もそれほど大きく掲載しないので、JPEGでデータ量も小さいものにしています。
 私は、AFをAF-Sにしていますが、動き物を撮る場合もあるので、AFの設定をデフォルトでAF-C(サーボ)にしておくのもありだと思います。

2 シーン別の基本設定

 広報紙づくりでよく撮影するシーンを想定して、ポートレート(表紙など)、運動会などのスポーツもの、自然風景のカメラの設定を紹介したいと思います。

(1)ポートレート(表紙や特集記事で使うもの)

 ポートレート撮影で、表紙写真にするとか、特集記事などでポートレート写真を大きく掲載するなどのシーンを想定した基本設定は、基本的に明るめで肌がきれいに写るようにします。
  ・モード:絞り優先(A)でF値は2.8~4.0
  ・ISO:100に設定のオート(100〜25600)
  ・WB:オート(白優先)
  ・ピクチャーコントロール:ポートレート
 ※デフォルトのポートレートから、明るさを+1.0、明瞭度を−1.0
  ・AF:AF-S、オート(瞳優先)
 ※一眼レフの時はシングル
  ・露出:+0.7
  ・記録:JPEG(補正、レタッチする場合はRAW)
 ※表紙や大きく掲載するなら調整しやすいRAWで
  ・アクティブDライディング:より強め
  ・サイズ:MまたはL
 上記の設定を基本にして、撮影場所の明るさや雰囲気、撮りたいイメージでピクチャーコントロールや露出、絞りを変えていくようにしています。レンズの開放値の違いでも変わりますが、ボケを生かしたいと思うときは、単焦点の開放値がF1.8のものを使うこともあります。でも、絞り開放でボケが大きいほどいいというわけでもないですし、その分ピント合わせがシビアになってくるので、広報紙に使う写真ではそこまでボケを使って被写体のワンポイントだけを強調することはあまりないかなと思います。それと極力レタッチを最小限にしたい(面倒で時間のかかることがしたくない)ので、撮る際にイメージに合うように極力努めています。

秋の陽光が差し込む場所で。窓際で陽光が差し込む場所を選んで、ピクチャーコントロールをポートレートモードにして、明瞭度をマイナス1.0~1.5、明るさをプラス1.0にして撮影して、露出もプラス1.0して明るく柔らかな雰囲気で撮影しています。
成人式の前撮りを緑あふれる場所で。初夏の緑が多いところでコントラストが強調される場所で撮ってみました。黒い着物なのでそれに負けない緑の場所で、でも暗くならないように野外で明るいところを選びました。ここではピクチャーコントロールはポートレートモードで明るさプラス1.0、明瞭度をマイナス1.0にしています。

(2)運動会(スポーツもの)

 運動会などスポーツものは、ピント合わせとシャッタースピードが重要になってきます。基本は動きがピッタリと止まるほどのシャッタースピードで、ピント合わせがシビアになるので、そこは自分の腕よりカメラに任せて撮影できる設定にしています。
  ・モード:シャッタースピード優先(S)でSSは800〜1000
  ・ISO:100に設定のオート(100〜25600)
  ・WB:太陽光(室内競技の場合はオート(白優先))
  ・ピクチャーコントロール:ポートレートまたはオート
 ※小学生以下の子どもはポートレートで明暗が少なく、明るめの方が可愛らしさや透明感が出ます。高校野球や大人の本気の競技の場合は、オートやスタンダードで明暗が出るようにして光と影が際立つような設定にしています。
  ・AF:AF-C、3 Dトラッキングまたはオート(瞳優先)
  ・露出:+0.0〜+0.3
  ・記録:JPEG
  ・アクティブDライディング:オート
  ・サイズ:MまたはL
 ※後でトリミングする場合はサイズをLで撮影しています。
 サッカーやバスケットなど団体スポーツなどで、前後に人が被りやすいスポーツはAFを3Dトラッキングにして、親指AFを使って追っかけたい人を逃さないようにして撮影しています。個人スポーツや団体スポーツの中でも野球など、個人プレーが多いものは、AFをオートで全然問題なく撮影できます。ポイントは撮りたい場面や、その一瞬をいかに逃さないようにするのかが大事になるので、設定というよりは観察をして、どの人を追うのか、その場面がいつなのか、撮る側の準備と瞬発力、経験が必要となります。スポーツはとにかく撮って感覚を養うことが大事ですね。設定じゃない話になってすみません笑。

基本の設定で撮影した1枚です。一瞬を切り取った形でピタッと止まって撮れています。
一瞬を切るとる写真って、動画では味わえない良さだと思います。
流し撮りの1枚です。これは、シャッタースピードを1/40で撮ったものです。そのカメラの手ぶれ補正の限界値にもよるので自分なりに撮ってみて撮れそうなシャッタースピードで撮影してみてください。基本は、レンズの焦点距離分の1と言われていて、100mmのレンズなら1/100という具合です。なので広角側は遅くできるけど、望遠になればなるほど速くシャッターを切る必要だあります。当たり前のことですが望遠は手ブレをしやすいということです。今のカメラは5段分手ぶれ補正とかついているので、100mmのレンズなら、1/20までいけますが、画質を考えると1/30~1/50くらいでしょうか。自分なりにいろいろ試してみてください。

(3)自然風景

 自然風景を撮影する場合は、大きく分けて2つあって、景色として自然風景をとる場合と、一つのものスポットを当てて撮る場合があるかと思います。ここでは、景色として自然風景をとる場合の設定をお伝えします。ピンポイントに自然風景をとる場合には、ポートレートの設定を参考に、ピクチャーコントールを風景にしたり、明るさを調整して活用してみてください。
  ・モード:絞り優先(A)でF値8〜11
  ・ISO:100に設定のオート(100〜25600)
  ・WB:太陽光(朝夕または夜は、Kでマニュアル設定)
  ・ピクチャーコントロール:風景またはビビット
  ・AF:AF-S、ピンポイントまたはオート
  ・露出:+0.0〜+0.3
※梅雨や森林の中などはあえてマイナスにするなどイメージに合わせています。
  ・記録:JPEG(補正する場合はRAW)
  ・アクティブDライディング:オート
  ・サイズ:L
 緑豊かシーンや紅葉のシーンなどでは、PLフィルターを使って反射光を抑えて、より深い緑やより赤い紅葉を撮ることもできます。また、ちょっとした風によるブレを抑えるために無風の時をねらって、三脚を使ってできるだけブレを排除してください。
 ホワイトバランスの基本は太陽光でいいかと思いますが、シーンによっては積極的にマニュアル(K)モードを使って、好みのホワイトバランスで撮影してみてください。その場合は後で修正が効くようにRAWで撮影するものいいかと思います。

伊達市内の夏の朝の風景です。暑い日の朝でも水滴が立って、朝靄があって清々しい朝でした。ピクチャーコントロールを風景にして、ホワイトバランスをKモードで6600で撮影したものです。
夏の北アルプス。鷲羽岳というところを登る途中で雲が切れてきて、向かい側の槍ヶ岳や奥穂高岳の方の山々が見えてきて感動でした。このシーンはピクチャーコントロールを風景モードでホワイトバランスは太陽光で撮影しました。
これは昨年の伊達市内の紅葉です。今年も綺麗な紅葉が観れるといいな〜と思いますが、この暑さでどうなるのか心配です。紅葉のシーンは鮮やかん真色が出るようにピクチャーコントロールを風景かビビットにして、ホワイトバランスを変えて思い描いた色が出るようにしてみてください。
家の近くにあったコスモスです。何気ないものでも写真で撮るとその一瞬を伝えるものになりますね。コスモスのピンクを透き通るような美しさにしたかったので、露出を+1.7くらいまで上げて、ピクチャーコントロールをポートレートモードにして撮影しています。

4 自分自身を・・・

 撮影するためにカメラの設定も大切ですが、撮影する本人の設定も大事にしてください。このシーンはテンションを上げて明るくポップな感じで撮影した方がいいのか、冷静にその一瞬を狙うために集中モードがいいのか、会話をしながら撮影した方がいいのかなど、そのシーンごとに自分の姿を変えて撮影されていると思います。普段の姿が、デフォルトの状態で撮影地に向かう前に事前に情報を収集して自分自身の設定を変えて撮影に臨んでください。それは、自分にしか操作できないですし、自分にしかスイッチを切り替える場所を知らないと思います。自分の設定をいろいろなバリエーションに対応できるように常にバージョンアップを心がけてみてください。
 偉そうなこと書いてますが、私も苦手なシーンはたくさんありますし、この場面はいい写真撮れた記憶がないな〜と思うこともあります笑。100%の人間はいないので自分を追い込みすぎないようにしながら、そして撮影って楽しいって思えることがいい写真を撮る大事なポイントだと思います。
 広報の腕章がないと入れない、撮れないシーンがたくさんあります。今しかその撮影に立ち会えるチャンスはないです!とにかく撮影を楽しんでください。いろいろと書きましたが、行き着くところはいつも同じような感じになってしまいますね笑。
 次回は、もうちょっと踏み込んで、場面ごとの撮影の基礎のようなものをやれたらいいな〜と思ってます。では、次回もお楽しみに〜!
 安心感から被写体の笑顔を引き出してください。

今年の夏は、ずっと行きたかった北アルプスの中心部の鷲羽岳にテントを背負って2泊3日で行ってきました〜。その中日に、北アルプスでは珍しいほどの丸い尾根広がる双六岳から眺める槍ヶ岳が最高でした〜。



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