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特定技能1号と2号の違い

私は2023年5月に東京都で行政書士を開業しました。副業行政書士としての開業です。今回は最近、よく耳にする特定技能1号と2号の違いについて、少し調べてみたので記事にしてみたいと思います。

特定技能(とくていぎのう)とは?

特定技能とは2019年に創設された制度で、人手不足とされる12の産業分野(14業種)で外国人が就労可能な在留資格(※)のことです。特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある12の産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度です。つまり、この12の産業分野において、一定の専門性、技能を持った即戦力となる外国人材の受け入れる仕組みが、この特定技能制度で整ったと言えます。

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特定技能1号とは?

特定技能には「特定技能1号」と「特定技能2号」の2つがあります。特定技能1号を見ていきましょう。特定技能1号は次の12分野となります。
確かに「介護」「建設」「宿泊」「農業」「漁業」などは、日本人の若手が避けそうな分野ですね。また、特定技能1号は「相当程度の知識または経験を必要とする技能を要する業務に従事する活動」と定義されています。
また、以下の特徴があります。
・在留期間の上限が5年まで(1年、6ヶ月、4ヶ月ごとの更新)
・技能水準:試験などで確認
・日本語能力:基本的な日本語を理解できるレベル
・家族の帯同:基本的に認められていない
・受入機関、登録支援機関による支援が必要

出典:サンティエ ジョブカレッジ

特定技能2号とは?

次に特定技能2号を見ていきます。2019年時点では特定技能2号は「建設」「造船・船用工業」の2分野だけでした。この2分野の人手不足が深刻だった、ということですね。2023年6月に介護の除く11分野への拡大が決定しました※。ですので、特定技能1号と2号の受け入れ分野(特定産業分野)の違いはなくなりました。
※介護分野は専門的・技術的分野の在留資格「介護」があるため、特定技能2号の対象にはなっていません。

つまり、もともとは「建設」、「造船・線用工業」において人手不足が深刻だったが、他の分野も同様に人手不足が深刻になってきた、ということですね。また、特定技能2号は「熟練した技能を要する業務に従事する活動」と定義されています。また、以下の特徴があります。1号に比べると好条件?です。
・在留期間の上限は定められていない(3年、6ヶ月、4ヶ月ごとの更新)
・永住権:条件を満たせば、永住権の取得も可能
・技能水準:試験などで確認
・日本語能力:試験不要
・家族の帯同:要件を満たせば可能。家族は配偶者と子供(×親はダメ)
・受入機関、登録支援機関による支援は不要

他の業界(産業)への拡大もあるのか?

「自動車運送業」を特定技能に追加検討する動きがあるようです。タクシー、トラック、バス各業界団体が運転手増員のために特定技能に「自動車運送業」を追加を求めているようです。物流の2024年問題もありますし、人手不足は深刻のようです。

確かに地方に行くとタクシー運転手って70代くらいの方が多いです。タクシー運転手に話を聞くと「もともと少なくなっていたタクシー運転手がコロナ禍で半分になった。コロナ禍でも飲食業界のような休業補償もありませんでしたから」ということでした。加えて、2023年5月にコロナが5類認定されて以降、訪日外国人観光客が増えて、タクシー1台あたりの売上は上がったそうですが、コロナ禍で一度止めたタクシー運転手に戻ってくる方はほとんどいないようです。そのタクシー運転手によると、高齢で年金暮らしを選択された方が多いそうです。タクシーの車自体は余っているそうですが、そのタクシーを運転する運転手が不足しているという皮肉な状態です。タクシー業界やバス業界も人手不足が深刻になっており、外国人が必要になっています。ただ、タクシーやバスの運転手の場合、「日本語の壁」や乗客を乗せるために必要な「二種免許※」の取得など越えなければならないハードルはまだまだあるようです。日本語の壁は目的地の住所をアプリなどで指示すれば何とかなるとは思います。本当に日本では様々な産業で人手不足が蔓延していますね。。

【二種免許】
二種免許は正式には「第二種運転免許」と言います。一種免許との違いは「お客様を乗せて走れるかどうか」であり、普通免許、中型免許、大型免許、大型特殊免許、けん引免許の5つの運転免許があります。第二種運転免許が必要な業種は①タクシーの運転手、②運転代行、③路線バス、④貸し切りバスで、「人を乗せて運び、運賃をもらう」業種となります。

なお、第二種免許が不要な例としては、①引っ越し業者のトラック、②工事現場のトラック、③幼稚園などの送迎バス、④旅客が乗っていないタクシーがあります。荷物の運搬を目的としていたり、運賃をもらっていなかったり、つまり、乗客がいて、お金を受けとる仕事」にのみ、二種免許が必要となります。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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