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敏感なのは立派な長所って事を知ってほしい【繊細な人の心が折れない働き方】井上智介



どうも

「かき氷」 というアカ名で投稿している者です。
この投稿含めた「読んだ本の感想」を投稿しています。


今回ご紹介するのは


井上智介著

繊細な人の心が折れない働き方


この本は『繊細で敏感な人』が仕事をするうえで生きやすく、少しでも働きやすくなる為の助言が詰まった1冊です。



著者の井上智介さんは精神科医・産業医として活躍されています。
(下記参考文献 2024/3/22時点)



産業医という言葉も聞きなれないかもしれませんので念の為説明いれますと。

産業医とは、医学に関する専門的な立場から、 職場で労働者の健康管理等を行う医師のことをいいます。

参考文献 2024/3/22在

わかりやすく説明するなら医学の専門知識を使って労働者の健康やメンタルの管理を行う人を指す職業です。

産業医として数多くの会社に訪問したり、ブログやTwitterを通じて情報発信をされている井上さんの書かれた働く人に向けた助言の書について紹介していきます。


と言いたいところですが


本書の説明に移る前にまず本書のキーワードであるHSPという言葉についてここからさらに長くなりますが重要テーマなので詳しく説明していきます。


HSPとはHighly Sensitive Personの略で、それぞれの頭文字をとって称されております。
とても敏感な人という意味です。

1996年に心理学者のエレイン・N・アーロンが提唱した言葉で、人のタイプ(気質)を表しております。
そんなHSPの人口は5人に1人とされており、自分の身内が該当することだって有り得る確率で存在するということになります。

HSPの人は他人よりも刺激に敏感です。

音や光、匂いや手触りなどの外界の刺激
人の心の変化にも敏感
そして受け取った感情は心の奥に届き思考や想像に大きな影響を与えます。

特にHSPの人は外で起きることを自分の責任のように捉えることも多いのです。
人が不機嫌だと「悪いことしたかな?」
失敗やトラブルが起こると「私のせい?」
などと自己評価を下げてしまってストレスから病気になることもあります。

他にも

・自分の仕事で手一杯のときに他人優先で自己犠牲に走ってしまう

・他人の機嫌が気になってしまうくらい自他の境界線がもろい

・「あの人にもいい所はある」と解釈しようとするくらい嫌いな人が頭から離れない

・予定外のトラブルで頭が真っ白になりやすい

・人に見られる環境がプレッシャーで人によってはミスを起こす

・周りのちょっとした音がストレスで仕事に集中できない

・周りを配慮するあまり意見が言えない

などあげればキリがないほど日常的に問題を抱えているのです。

私もしかするとHSPかも?!
と心当たりある人もいるでしょう。
ちなみに私も調べた時『これ、俺だ』と今までの体験が走馬灯のごとく蘇りました。

この時点で確信もった人も多いかもしれませんが自分がHSPかを確認する為のチェックリストも紹介いたします。

・自分をとりまく環境の微妙な変化によく気づく

・他人の気分に左右される

・痛みにとても敏感

・忙しい日々が続くと、ベッドや暗い部屋などプライバシーが得られ、刺激からも逃れられる場所に引きこもりたくなる

・豊かな想像力をもち、空想にふけりやすい
・短期間にたくさんのことをしなければならないとき、混乱する


・一度にたくさんのことを頼まれるのが嫌

・暴力的な描写を見ないようにしている

・仕事で競走させられたり、観察されると力が発揮できない

・子供のころに親や教師から「敏感・内気」と思われていた

26~29ページから参考&抜粋



これらに心当たりがあるアナタはHSPの可能性があります。

私もほぼほぼ該当者です。

当てはまった方は自分の今までの体験や今まさに抱えている仕事の悩みと合わせて読んでください。

当てはまらなかった方も、周りに該当する人のためにこの機会を使って理解していただけるととても嬉しいです。

産業医である井上さんが書かれたHSPを救う1冊について内容一部抜粋しての解説をさせていただきます。


お待たせしました。
それでは解説に移ります。


※巷で「繊細さん」と呼ばれたりしますが、わたし個人的にあまり呼ばれていい気しないタイプなので、本書で使われている「HSPさん」表記で説明させていただきます。





相手の不機嫌は"相手の問題"として切り離す



HSPさんの特徴のひとつである「共感力」に関連する話から始めさせていただきます。

「他人の気分に左右される」という特徴が職場で及ぼす影響はたくさんございます。

・会社の先輩に挨拶すると、いつもより機嫌が悪かったり、仕事の進み悪くイライラしている。
などのような場面にあうことは多いでしょう。

HSPさんは「なにか悪いことしたかな」と、自分の言動などをふり返って心配になることが多いのです。

共感力に長けたHSPさんにとって相手の感情は読み取りやすいものでもあり、他者との境界線のもろさも相まって自分にも感情が移りやすいのです。
気づかいしなければと空回りしてかえって飛び火を食らうことも多いのです。

HSPさんは「何とかしなければ」と考えることが多いものの、非HSPさんは「機嫌悪そうだし距離を置こう」とします。

客観的に聞くとわかりやすい話で " 不機嫌なのは結局のところ相手の問題 " なのです。

不機嫌の理由は、本人にしかわかりません。あなたが気にしなくても大丈夫です。

57ページ


仮に原因がじぶんにあるなら、相手は言ってくるはずなので、自分と相手の境界線を意識しつつ干渉しないことが最善策ということです。




一度「優先順位」を考えてみる



HSPさんに多いのが他人が大変そうだと自分も落ち着かないというもの。
その気質がゆえに相手に声掛けしたりして手伝いがちなのです。

「忙しそうだな」「大丈夫かな」と、相手のことが気にかかるので、自分に時間的・体力的余裕がなくても、つい「なにか手伝えることはありますか」と、声をかけ余分な仕事を引き受けてしまいます。

62ページ

周りの状況をみたり、またはヘルプを頼まれると空気に飲まれ引き受けてしまい、自分の仕事が進まないのも起こりがちなことなのです。

さらにHSPさんは複数の仕事を同時にこなす「マルチタスク」が苦手、というより求められると完全に集中が途切れやすいのです(私の実体験こみの感想)

HSPさんは、ひとつのことをじっくり行う「シングルタスク」向きです。

110ページ


マルチタスクは不向きでも、ひとつの事に集中できるシングルタスクでは驚くほど力を発揮します。

しかし会社には、電話対応や他の仕事を任されたりとHSPさんにとって苦しい環境になりがちです。


「手伝い」と「マルチタスクの障壁」という2つの課題を紹介しましたが両方とも打開策は同じです。
それは優先順位を決めることです。

・今終わらせなければならないのはどれか?
・緊急度のたかい仕事か?
・そもそも手伝う必要性があるか?
・これは自分の問題か?

などの判断基準を考えたうえで決めていきましょう。

そしてもう1つ重要なのが「 全部できない 」前提で考えることです。

シングルタスクの話をしたので理解しているかもですが仕事とはひとつひとつ終わらしていくことが大事です。
そうなると元々多い仕事を全て終わらすなど不可能に近いって状況がほとんどでしょう。

はじめから「全部終わらせる」ことなど考えず、「できるところまでやればいい」と考えたほうがいいです。
できないことはスパッとあきらめましょう。残りは誰かがやってくれます。

111ページ


そもそも会社とは、組織という人の集まりで成り立っているので自分一人で抱え込む必要性はぶっちゃけ無いということです。

やらなければならない緊急度のたかいもの、自分の必要なことをメインにそれ以外は切り捨てるくらいの思考で取り組んだほうがHSPさんにとっては生産性の高い結果をたたきだせるかもしれませんしね。



60点を合格ラインにする



HSPさんには完璧主義な人が多いとのこと。

なにごとに対しても完璧を求めるのは一見するといい事にも思えますが、世の中思い通りの結果が得られないのも残酷ながら事実です。

とくにHSPさんは完璧にできなかった時に「なぜできなかったのか」と自己嫌悪に陥り、ストレスをかかえやすいのです。

仮に100点を取ったなら「次も満点取らねば」という別のプレッシャーとなって襲ってくるだけです。

そこで本書でオススメされているのが
60点を合格ラインにすることです!

たとえば100点を目指して努力して、60点しかとれなかったとしても、「まぁいいか」と、自分に合格点をあげるのです。

91ページ

わたしの話になりますが
自分の中で「これは完璧」とおもった投稿が想定外にウケ悪い時もありますし。
逆に「もうちょっと完成度上げたかった」と後悔ある投稿が著者本人から激励コメントいただけたりと、点数というより評価とは見る人次第なのです。

変動しがちな評価で右往左往するならせめて自分で褒めてあげる思考だけはとくに大事です。

過去に読んだ書籍で、仕事ができるフリーランスでも会社からすれば「高得点な人材は報酬も高く仕事を頼みにくい、逆に60点くらいの人材のほうが頼みやすく最低限の成果を届けてくれる」と例えられていましたので何に関しても「60点」はちょうどいい数字なのかもしれません。


ひとつ前に投稿した書籍にも「まぁいっか」は落ち込んだ思考を一旦ストップできると書かれていましたし、実際つぶやいてみれば効果は実感できることでしょう。

まとめますと人生はほどほどより少し高い点数で生きた方が楽になれるというわけです。



自分を俯瞰して冷静になる


HSPさんは気づかいができる人も多いです。

その結果起こりうることで相手の都合を考えない人に内心「無神経すぎる」などイラッとすることも多いのです。

それともう1つあげるなら
相手の一言でネガティブになりやすい点もございます。
読んでくださっているアナタにも「会社で怒鳴られた記憶が脳内ループで休日も充分楽しめない」みたいな経験もしかするとあったかと思います。

人によっては「いつも私を標的にする先輩」がいたりなどという理不尽を被る人もいることでしょう。

これが日常的だといつしか限界が来て爆発して関係崩壊なんてこともありますし、溜め込んだままうつに陥る恐れもあります。


それらを避けるための攻略本こそが
俯瞰(読:ふかん)することです。

難しい単語なのでわかりやすく説明すると俯瞰とは自分や他人を外側から見てみるということです。
似た意味でメタ認知という言葉でも使われます。

例えるなら、理不尽に叱責されたとしても一歩ひいて「これ私のせいだと誤解してるな」や「沸点低い人なんだなぁ」と心の中でマウントを取れて相手がちっぽけな存在にみえてくることでしょう。

HSPさんは、ミスの指摘→自分がダメだと思われているなど、頭のなかで、"物語"をつくってしまってるときがあります。メタ認知は、事実をありのまま受けとめるために第三者視点に立つことでもあるのです。

128ページ

わかりやすくイメージするなら自分と相手の頭上にもう1人の自分がいるみたいな感じです。

もうひとりの自分視点で「確かに私も悪いな」「にしても一方的に怒りまくってて哀れな人だな」と物事を他人目線でみつめる癖をつけておくことは心を無駄に疲弊させない戦略として必須ということです。

理不尽な八つ当たりなどあった時は是非活用してみてください。



HSPは強みでもある


ここまで読んでいて「HSPさん生きるの大変だなぁ」と同情の声も聞こえてくる気もします。

確かにこの慌ただしい世の中ではとくに実感いたします。
「なんで私がこんなめに、、」と泣きたくなる人も多いことでしょう。

しかしHSPさんの持つ気質は使い方しだいで強みにも豹変します。

本書のなかにもHSPさんの強みについても触れられていますので、その中から3つ選びご紹介します。



◆人の気持ちがわかるので、気配り上手

HSPさんは相手の感情を自分のことのように感じ、気持ちによりそうことができます。このため、HSPさんはとても聞き上手。話を聞いてもらった人はみな、「共感してもらえた」と、安心します。

178ページ


HSPさんはあいての表情や仕草から気持ちを察しやすいタイプの人が多いです。

相手の不快になりそうな話や、触れてほしくない話を確実でなくても察し、別の話題に

私の経験談を入れますと、表情に出てないけど内心機嫌わるそうな人が何となく分かったり、それが的中してたこともしばしばございました。

HSPさんの共感力は、場の空気を円滑にしてくれたり人のメンタルに寄り添うための武器になることを覚えておいてください。



◆ささいな違いにも気づく

『 よく分からないけど何か違和感ある 』
というのを体験した人も読んでる人の中にいるかもしれません。

HSPさんは変化に敏感で、環境からくる影響をモロに受けます。
自分が気付かぬレベルでストレスや疲れを発しやすいのもこの能力がゆえです。

たとえば書類を読んでいるとき、HSPさんは小さなミスにとてもよく気がつきます。
ざっと目を通しただけで誤字や脱字を見つけたり、「なんか変だな」と感じて、大切なデータの入力ミスや図の誤りを発見したりします。

176ページ

実はわたしも、訂正促されるなど仕事増やされるの面倒なのであえて伏せること多めですが、書類のフォントの違いをすぐ見つけた経験はアホほどございます。

このささいな変化に気づける力は書類だけでなく
「 髪切った? 」「メイク変えた?」などの相手の変化に気づく時にも生かされます。

小さなことに気がつく能力は時に厄介にはなりますが、慎重に重きをおく仕事において欠かせない能力ですので是非大事にしたほうがいいとのことです。



◆身のまわりのリスク管理ができる

HSPさんは1つの出来事が頭のなかをグルグル回り悩んだり集中できないという欠点を持っていますが、逆にいえば"物事を深く考えられる"という長所に繋がります。

物事を多面的に考えるHSPさんは、話をしたり、行動を起こしたりする前に、いくつものパターンを想定します。このため、誰も気づかなかった可能性を発見できるとともに、落とし穴のリスクも感じとります。

174~175ページ


例えるなら、進めているプロジェクトの弱点を見つけたり、その難点を対処するためのプランを提案したりというリスク管理が得意という点に繋がります。

複数を同時にこなすマルチタスクは不向きでも
ひとつの物事に集中できるシングルタスクでならHSPさんの持つ"1つに極限まで集中する"能力を生かし、驚くべき力を発揮しやすいということです。


ここまで上記3点ご紹介しました。

これらに言えることして

短所は長所にもなるということです。

鋭い洞察力や変化に気づける力、リスク管理ができる能力を生かせることに私含めて自信を持って突き進んでやりましょう。

と言ったところで以上にします。



他にも

・相談は相手の承認欲求を満たす
・小さいことから意見を言ってみる
・頼みを断るときのコツ
・人間関係にゴールをつくる
・モノなどで向かいの視界をさえぎる発想
・非HSPさんに辛さを理解してもらう方法
・質問されたときの時間稼ぎ法
・疲れた頭を休ませる方法

など紹介しきれなかった項目だらけでした。

1項目が2ページで読み終えることができる仕様になっていますのでキリのいい所で読むのを区切りやすい点もこの本の強みです。

・周りが気にしないことに私は気になる
・世の中が生きづらいと感じる
・仕事で人一倍疲れると思った方
・仕事仲間が働きづらさを感じていると思った方
・もしかして私もHSPかも!と少しでも感じた人

など仕事や私生活において生きづらさを感じていたり、ここまで読んで 私もHSPの可能性あるわ と思った人にオススメの1冊です。




他にも読書感想の投稿をしておりますので気に入ってくださった方は是非マガジンから他の記事も見てくだされば私とっても喜びます。
今のところは週の後半を目安に投稿しておりますが、投稿時点の今だと忙しくなってきたため遅くなる場合もございます。
可能な限り更新していきますのでよろしくお願いいたします。



【余談】自分の気質を「ありのまま」と受け入れれば人生は楽になる



私自身、昔から

・空想にふけりやすい
・周りのテンションに左右される
・言われたことが数日脳内ループする
・複数の出来事が一気に起こるとしんどい
・急な生活環境の変化に適応できない
・比較されたり競走させられるのが嫌い
・昔から「変わった人」と思われていた

など自分でも「他の人と決定的に違うところあるなぁ〜」と思っていました。

環境の変化についても、入社してから見ず知らずの他人と生活をともにするのが苦痛すぎて外で1人になる時間作ったり。
半分冗談でしょうが「海外出張さすか笑」という会話だけでも精神的にキツかったりと大抵の人が平気そうなことが自分にはどうしても耐えられないのです。

また私を思っての正論な説教ですら休日挟んで脳内ループするほどトラウマになったり。変なタイミングで嫌な記憶が蘇ったりもありました。

事例あげればキリがないほど本書を読みながら過去のあんな事、こんな事がフラッシュバックしまくりでした。


上記のような例が昔から多々あり、それがごく少数なのも実感ゼロで周りとの合わなさに戸惑う時も多かったです。

そんな私がHSPという概念を知ったのは今からちょうど2年前くらいだったと思います。


不意な会話の中で出てきたのをキッカケに調べてみるとあーーら不思議。
自身の今まで体験したことが点と点で繋がるわ繋がるわ。

当時はマッッジで驚きでした。

『 敏感すぎるのは身についたものじゃなく元々の気質だったんだ 』 と知れただけで超絶こころが楽になったことを今でも覚えております。

さらに調べていくとHSPを公言している著名人がいること、一般的な人がHSPを公言しながらフリーランスとして自分らしく生きていること、生きづらい世の中でも自分らしく生きることは実現可能ということを今日に至るまでたくさん知ることができました。


このことは親しい知人にも説明してはいません。
おそらく理解されそうにないですし、心無く「いいわけ」とかで片付けられそうなんでね。

本書に書かれていた考えを基にいうならば自分こそが最大の理解者かつ味方という精神を忘れずこの基質と付き合っていくつもりです。

という話を書き残したかっただけです。

もし今HSPという現実に悩んでいる人がこの投稿を読んでくださっているなら、少しでもメンタルサポートになった!と感じていただけたのなら嬉しいです。

わたしも生きづらい労働環境にいる立場なので完全にみなさんを救えるような言葉は与えれませんが、ともに生きやすい理想を求めて突き進んでいきましょうね!


という感想残したところで今日は終わりにします。


それと、2ヶ月ちかく投稿ペースが1週遅れだったのを今週ようやく挽回できたので自分で自分を褒め倒そうと思います。以上っ

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