幸せの社会のつくりかた(小川功毅)

高校中退→(ニート→FIJI→)慶應義塾SFC'18幸福学→面白法人カヤック…

幸せの社会のつくりかた(小川功毅)

高校中退→(ニート→FIJI→)慶應義塾SFC'18幸福学→面白法人カヤック ちいき資本主義事業部/ex-SMOUT編集部下川町支局

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最近の記事

私の好きな場所:妙本寺

一本路地を入ると急に静かになる。鎌倉。 車の音や人の話し声、雑踏が消えて、 風にそよいで葉が擦れる音、虫や鳥の声が広がり、自然や家々の営みへと移る。 路地ではくるくるりんりんと鳴いていた秋の虫も、木々をくぐって妙本寺へ入ると一気に蝉の声が包む。森は涼しく、ここにはまだ夏が残っていた。 園児の声がして、右手には幼稚園がある。私も神社の中にある幼稚園(幼稚園の中に神社がある?)に通っていたので、よく思い出される。園庭を突っ切るように石畳があり、つまづいて転ぶとかなり痛い。サッ

    • 脳にカビが生えてきた

      最近つくづく痛感するのは、 1つの腐ったみかんが全てのみかんを腐らせてしまうように、 脳にカビが生えてきている。 ジメジメした脳内をカビが蝕み、カラッと暖かい社会性の部分にも侵食していく。 自分を痛めつけることでしか回復されない虚無感。 良くない部分が良い部分まで支配していく感覚。 他者を軽視し、慮る姿勢すら失っていく。 何が良くて、何が悪いのか判断ができず、壊すことでしか時間を紛らわせられない。大量に飲んでたくさん吸ってバカバカ食べて爆音と罵詈雑言と爆発、疲れて爆睡。絶望

      • "マイクロツーリズム的まちあるき"のすゝめ

        突然ですが、家の近所を1日ガイドできますか?! 丸1日ガイドするには数箇所の見どころがないといけないですし、 せっかくガイドするなら、心からおすすめできる場所を紹介したいものです。 でも、自分の近所って全然魅力ないなぁと思ってしまったとき、 取り入れるべきは「マイクロツーリズム的まちあるき」です。(私の造語) そもそもマイクロツーリズムとは、 だそうです。すなわち、近場の観光地に行こうぜ、ということです。 こうしたマイクロツーリズムに触発され、 私は「マイクロツーリズ

        • 無為な価値が光ってこそ

          無為な価値が光ってこそ、地域資本主義であり、幸せの社会である。 地域通貨は、無為な価値を光らせるために、人々の間をめぐる。 私はそう思っています。 今回はそんな「無為な価値」について、私の思うところをうにゃうにゃ書いていきます。 「無為」 文字の通り、なんの為でも無いもの/なんの為にもならないことです。 ex:夏だし花火しよう。昼間っから飲むビールうめぇ。今日の夕日綺麗じゃん。暑いしアイス食べたい。 ただただ素朴な気持ちで、なんのためでもない、最近の私の無為です。

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        • 実践編:しもかわ暮らしレポート
          5本
        • 第2部:自分ごとの価値に根ざす地域資本主義(執筆中)
          2本
        • 第1部:使用価値の価値観
          4本

        記事

          5.下川町に学ぶ地域社会資本(下川レポート)

          皆様ごきげんよう、慶應義塾大学4年・SMOUT編集部下川町支局レポーターの小川功毅です。(企画の概要:https://smout.jp/plans/7329#project-report-8332) 今回のレポートは、下川町の驚異的な“人のつながり”についての考察です。 ・下川町の驚異的な“つながり”これまでのレポートでもお伝えしていますが、下川町での滞在において最も印象的だったのは、「人のつながり」です。 紹介の連鎖が止まらず、一度つながりが生まれてしまえば、水面にひと

          5.下川町に学ぶ地域社会資本(下川レポート)

          4.暮らす意味のある町(下川レポート)

          こんにちは、慶應義塾大学4年・SMOUT編集部下川町支局レポーターの小川功毅です。(企画の概要:https://smout.jp/plans/7329#project-report-8332) 私は下川町で、“暮らす意味のある町”が存在するということを実感しました。わざわざその町を選んで暮らす“意味”がある、ということです。 私はこれまで、学校や職場への距離や大きな駅に近いこと、生活に必要な施設が充実していること、家賃帯などの“スペック”で住む場所を選んでいました。 こう

          4.暮らす意味のある町(下川レポート)

          3.お前は暇を潰すな(下川レポート)

          こんにちは、慶應義塾大学4年・SMOUT編集部下川町支局レポーターの小川功毅です。(企画の概要:https://smout.jp/plans/7329#project-report-8332) 私の下川町での滞在記録にとって、絶対に欠かせないのは「とにかく暇がなかった」ということです。多くの人と出会い、様々な話をし、色々な場所へ行き、遊んで飲んで語り合いながら暮らしていました。予定はほとんどパンパンで、いつも忙しく下川町を満喫していました。 そこで、今回は「お前は暇を潰す

          3.お前は暇を潰すな(下川レポート)

          2.馴染もう:移住したてのマインドセット(下川レポート)

          皆様ごきげんよう、慶應義塾大学4年の小川功毅です。 私は先月、SMOUT編集部下川町支局のレポーターとして北海道下川町に派遣され、日々暮らしながらその様子を発信していました。(企画の概要:https://smout.jp/plans/7329#project-report-8332) 3週間という限られた期間のなかでも、毎日たくさんの町民の皆さまと交流させていただき、まちに「馴染む」ことができたのではないかと感じています。日を追うごとに下川町の水に慣れ、東京にいるときの数

          2.馴染もう:移住したてのマインドセット(下川レポート)

          1.私はなぜ下川町に来たのか。(下川レポート)

          皆様こんにちは、慶應義塾大学4年の小川功毅です。この度、SMOUT編集部下川町支局のレポーターに就任いたしました! SMOUTはプロジェクト型の移住プラットフォームで、今回の企画では、私が北海道の下川町に5月11日から30日まで滞在し、下川での暮らしぶりを発信しています。(企画の概要:https://smout.jp/plans/7329#project-report-8332) ということで、初回の今回は活動への意気込みや興味を書いてみようと思います。 ※なお、本アカウン

          1.私はなぜ下川町に来たのか。(下川レポート)

          自分ごとの価値に根ざす地域資本主義〈6.自分ごとの価値〉

          〈5.はじめに〉はこちら 本章では、地域資本主義の根幹に位置づく「自分ごとの価値」について考察していきます。 まず、私が考える豊かな社会とは、人々がそれぞれの「自分ごとの価値」に基づいて最大限の幸福を実感する社会です。 しかし、昨今の社会は、画一的な経済的な豊かさ/物的な豊かさを目指し、経済成長を志向してきました。その結果、4章の【経済成長にその価値を問う】で述べたように、経済成長は一定程度の物的な豊かさを実現しましたが、幸福度は向上せず、さらに環境破壊やメンタルヘルスの

          自分ごとの価値に根ざす地域資本主義〈6.自分ごとの価値〉

          自分ごとの価値に根ざす地域資本主義〈5.はじめに〉

          私は、幸せの社会をつくりたい。 第1部では、構想する社会の礎となる価値観を「使用価値の価値観」として示しました。使用価値とは、人自身の実感に基づいた内在的な豊かさの価値観です。そもそも価値というのは、絶対的な基準や真理があるものではなく、人自身が実感として経験するものであるはずです。そこで、モノゴトの価値はそれを享受する人がどれほどの豊かさを得て、どのような価値を感じているのかによって測られるという考え方を、「使用価値」として提案しました。 そして、このような使用価値の考え方

          自分ごとの価値に根ざす地域資本主義〈5.はじめに〉

          使用価値の価値観〈4.使用価値と経済〉

          〈1.はじめに〉はこちら 〈2.幸せと使用価値〉はこちら 〈3.使用価値とは何か〉はこちら 社会が目指すべき「豊かさ」とはなんでしょうか。 現在、政治の領域においても、企業経営の領域においても、家計の領域においても、経済的な豊かさが支配的です。しかし、豊かさとは人々が内在的に経験しうるものであり、外在するものを経済的に測定するだけでは人々の豊かさに迫ることができません。多くのお金やモノに囲まれていても、人自身が豊かさを実感していなければ本末転倒です。 そして、「物資的な財を

          使用価値の価値観〈4.使用価値と経済〉

          使用価値の価値観〈3.使用価値とは何か〉

          〈1.はじめに〉はこちら 〈2.幸せと使用価値〉はこちら 【3-1.価値と“自分ごと”】・価値は自分ごととして測られるもの 使用価値の第一の価値観は、価値(豊かさ)とは外在的なものではなく、内在的に実感されるものであるということです。価値は、市場性で測られるものではなく、人自身が測るものであり、それぞれの人が自分ごととして捉えるものであると考えます。 交換価値では、市場での交換の際に評価できないという理由で、個別固有の主観的な価値が排除されます。交換するための価値なので、誰

          使用価値の価値観〈3.使用価値とは何か〉

          使用価値の価値観〈2.幸せと使用価値〉

          〈1.はじめに〉はこちら 私は幸せの社会を目指すために、使用価値という価値観を私なりに考察し、提案しています。この2章では、幸せと使用価値の価値観がいかにリンクしているのかを紹介します。 私は高校中退後、うつ状態を経験してから約5年間、幸福について探求してきました。大学に入学したのも、幸福を勉強したいと考えたためです。そして、自分なりに探求してきたなかで、幸せの社会の礎となる価値観として「使用価値」に出会い、いま構想するに至ります。 【2-1.幸せについて】・幸せはその人

          使用価値の価値観〈2.幸せと使用価値〉

          使用価値の価値観〈1.はじめに〉

          ・はじめに 私は、幸せの社会をつくりたい。 そこで、まずは「使用価値」という価値観を私なりに考察し、提案します。私は使用価値という価値観に基づいた社会を構想することで、幸せな社会に近づくことができると考えています。 社会を構想する上で、礎となる価値観は非常に重要です。人にとって本当に価値のあるものは何なのか、人々が享受する社会や経済にとって本当に価値のあるものは何なのか。人々は、人にとってより価値のあるものごとを目指すべきであり、社会や経済は人にとってより価値のあるものごとの

          使用価値の価値観〈1.はじめに〉

          “幸福”はなぜ存在しないのか。

          【幸福学とは、なんだったのか。】まず、「幸福学」を過去のものみたいな言い方をしてごめんなさい。 私は、5年前に幸福学を志し、留学に行ったり大学に入ったり、色々やってきましたが、終止符を打とうと思います。 これまで考えてきた幸福学について、簡単な結論を「なんだったのか。」としてメモっとこう、というわけで本記事を投稿させていただきます。 【幸せの問い方】「幸せって何?」「どうしたら幸せになれるの?笑」この5年間でおそらく100回くらいは聞かれた質問です。 いつも適当に返してき

          “幸福”はなぜ存在しないのか。