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"逃亡日記" 第28夜 "こども本の森 中之島"

図書館じゃなくて、本の森。
森だから入るのも入らないのも自由。ひとつの場所にいてもいいし、さまよってもいい。
押しつける人もいないけど、"すき"も居場所も自分で探す。こどももおとなも、ただ好きな本を探して読む。そんな自由がかなう場所。

おやすみの日の冬の朝。
川沿いを歩いていたら、Googleマップに"行きたい場所"のマークが出た…"こども本の森"…あ。安藤忠雄建築だ。見ていくかー。

そんな軽い気持ちでふらっと訪れたそこは、"本との出会い"が精緻にたくらまれた場所だった。

建築のチカラ

受付フロアから、ゆるやかにカーブする本棚に導かれて、なんか本がたくさん見える方へと無意識に進むと…

…視界のすべてに色あざやかな本の表紙がみてみて!!って呼びかけてくる体験‼︎
足元から高い天井まで、いちめんの本…これは圧巻だ。


建築的には、地下から数えて3階建てなんだけど、決して広い空間ではなくて壁がぐるっと本棚で中央は吹き抜けと階段。

ぎゅうぎゅうの本棚の圧迫感もなくて(図書館の本棚はよくも悪くもぎゅうぎゅうなので楽しいが時々圧倒される)、自然光がやわらかく入り、建物そのものがゆるやかにカーブしていて、歩くたびに新しい本が目の前にひらけていく。

…こんなに計算されつくした視線の移動とか建築のチカラとか…うわー…空間そのものがエンタテイメントって、大山崎美術館に初めて行ったときくらいの衝撃だー。

キュレーション

本は、13のカテゴリにゆるく分けられて展示されている。


すごいのは、これだけの物量なのに、好きに直感的にたどりつけるところ。

…ええ。気づくともちろんファッションの本棚の前に立っていました😆
振り向くと、junaidaと川内倫子。奥に進むと建築やデザイン。

今日最高の出会い



"ねぇ、どうして私の好きなものがわかったの?"って照れちゃうくらい、すごいキュレーション。

たとえば、junaidaの隣に原田マハとか岡本太郎とか。ねぇこれも好きじゃない?って絶妙なグラデーションでおすすめしてくるのが、すごく楽しい。

しれっと現代アートが入ってくるとこ好きだ


絵本、写真集、美術書、外国語の本、マンガ…文字がいっぱいある本や写真や絵がほとんどの本、カテゴリにゆるく沿ってさまざまなジャンルの本が隣り合わせになっている。長谷川義史の隣に中沢新一の大阪アースダイバーとか最高じゃない??

絵本×中沢×谷崎…いろいろすごい✨


居場所


リバービューの窓に向けて置かれた白木のイスに、なにげなく座ったら…なんだかすごく落ち着いてしまう。なんだこの居心地のよさ。

あとで調べたらArtekの名作チェア(n65・アアルト/1935…なんだこのマニアックな情報)

あと、階段で本を読むのもOK。親子で並んでそれぞれが違う本を読んでいるとか、ちょっといい風景だなって。

…森の中だから、時には安心な場所でくつろぐのは、とても大切。

ふと気づいたら。なんでも答えてくれちゃうAIとかできちゃって、結構哲学的なレベルで人と計算機と神さまが溶けちゃってる2022年なんだけど。

(↓計算機であそんでみたいひとは読んでね?)


一周まわって、"手ざわり"が恋しくなるよね?

紙の本との出会いって、自分のすきとか気になるに気づいたり新しい世界に出会ったり…それって気の合う友人を見つけたり、うっかり恋に落ちちゃったりする感覚に似ているなって思ったりして。

"じぶんでえらぶ"体験は、実はおとなの方がいま求められてることかもしれないね?
予約してでもぜひ✨

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