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人や組織は欠乏しているものを掲げる

身もふたもない、タイトル通りの話。

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先日、妻がキャリア相談だかワークショップだかに参加してきたらしい。この手のワークでよくある「この十数種類ある、様々な観点が書かれたカードから、あなたが大事にしたいものを選んでください」的なやつの結果を教えてくれた。

彼女がまっさきに取ったカードは「健康」だったらしい。

彼女は二十代のころは外資でバリバリに働いて荒稼ぎしていたタイプの人間で、その頃同じようなワークをやったときは「地位」「名誉」「結果」「金」「成功」のような俗物の亡者のような内容のカードを迷いなく取っていたらしい。

(これは側から見ても納得性の高い結果である。長年連れ添った身としていろいろエピソードはあるが、個人的な内容になるので説明はしない。自他が見ても、そのような志向を持っていたのがよく分かる人物である)

あれから十数年経ち、子供を2人産み、その過程でいろいろあった結果今は迷いなく「健康」とのことだ。

それはひとつの示唆で、人はあなたは何を重視するか?と聞かれたときには、その人が持っていないもの・欲しいもの、つまり欠乏しているものを求め重要視するということだ。平たくいうと無い物ねだりになるが、その強請りこそが行動や成長の原動力になるのだ。

また、会社などの組織が挙げるスローガン・ミッション・バリューの類にも同じようなことが言える。「人は財なり」と掲げる時点で「そう思わないといけない」現状が窺える。「多様性」なども似たようなものだ。今が画一すぎてどんづまっているので多様性を獲得したいので「多様性を大事にします」と言ってしまうのだ。

・・というちょっと穿った見方になるが、人や組織をこのように考えると、また違う側面が見えて来ておもしろい。

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