アニメ版ドルフロについて。

んー、やっぱりそこで終わるかあ、という印象でしたね。原作になったであろう『人形之歌』は未読だったので、女性指揮官であるジャンシアーヌという立場は少し珍しく感じました。二期があるかのような演出でしたが、ないかなあっていう評判です。あったとしてもう一度鬱エンドになる可能性の方が高いですしね。作画とかはあまり最近アニメを見ない関係でよく分からないので割愛します。まあすべてはサンボーン次第といったところでしょうか。海外資本なのでやろうと本家が言えばやれないことはないです。

・遍歴的には。

私自身は少女前線ことドルフロが国内リリースされる2年くらい前、なので2016か7年の、丁度台湾サーバでCUBEイベントがあった時に台湾サーバで始めたので気づけば5年以上やっていることになります。シナリオゲーの側面があるので翻訳文が欲しいので台湾版でゲームを先行版でプレイした後、日本版であるドルフロをプレイという感じで進めています。最近はイベント進捗が近づいてきたのでそろそろ先行版は必要ないかなと思います。

・基本的には。

ストーリーは第0戦役から第6戦役(アルケミスト戦/AR-15自爆)までをセリフを含めて大まかに再現し、一部脚色したものとなっています。キャストも主人公ポジションのジャンシアーヌに小松未可子さん、それ以外にゲームと違うのはクルーガーの声が津田健次郎さんではなく大塚明夫さんだったことでしょうか。当然ですがこの尺では私の大好きな叛逆小隊は出てくるどころか404ですらG11とUMP9は出てきませんでした。

・あの人は誰?この人は誰?現象。

多分あったと思います。私も原作プレイ済みでなくアニメ勢なら困惑してたと思いますので簡単にご説明します。

HK416(CV;野中藍さん):劇中で唐突にM16を急襲した戦術人形。実際は404小隊という裏の部隊に所属している。色々理由あっての所属だが細かくは省きます。

UMP45(CV:嶺内ともみさん)

劇中ではM16と会話のみ。同じく404小隊所属のリーダー。彼女は普通の人形と違い、自律的に人形を指揮する能力を持っている。過去に色々あった人。細かくは省きます。『DEEP DIVE』イベント及びMOD3ストーリーにて。

RO635(CV:福原綾香さん)

エンディングでちらっと首元まで出てきた黄色い服とメガホンを持った子です。がたがたになったAR小隊の代理リーダーとしてその役割を預かります。以降特にSOPⅡとは無二の親友となります。

・エルダーブレイン(CV:高橋李依さん)

名前はエリザ。色々省きますがM4の鏡写しのような存在です。最終話で急に出てきたのですが鉄血の指導者で人類への反乱も彼女が起こしたものです。この物語全体の根幹にかかわる敵?でもあります。

・あの後AR-15はどうなったの?(ネタバレ)

最終話で自爆し、原作にはない独白の一面を残しながらエルダーブレインもろとも自爆したAR-15ですが、結果的にはエルダーブレインも死なず、アルケミストだけ死んだ形ですが、AR-15は少しここから出番がなくなります。この間に404小隊のお話である『CUBE作戦』、ROを主導とした新編AR小隊との合同作戦『低体温症』、UMP45の過去回顧である『DEEP DIVE』の3つのイベントがあります。そしてその次のイベント『Singularity』にてようやくその姿をM4には見せることになります。しかし爆破時に体のほとんどを欠損したため、素体の改造を施しゲームでいうMOD3(艦これの改二みたいなものです)状態での登場となりました。ここで爆破で瀕死だったAR15を救ったのがUMP45率いる404小隊で、その依頼主はSingularity以降重要となる『叛逆小隊(Task Force "DEFY")のアンジェリア(CV:佐藤利奈さん)という女性指揮官です。これ以降一時的に叛逆小隊はM4A1(MOD3)、およびAK-12、AN-94、AR-15(MOD3)の4名で編成されイベント『ISOMER(異性体)』まで編成され続けることとなります。

・アニメ後のAR小隊はどうなる?(ネタバレ)

AR-15→Singularityイベまで登場なし/MOD3化

M4SOPⅡ;のちに登場する『正規軍』のイゴール(でしたっけ)によって、RO635共々グリフィンとの大規模軍事訓練と銘打ったグリフィン殲滅の策略にはまり襲撃を受け、ROは完全にコア化(体を喪う)、SOPⅡも致命傷を負うに至りました。その後『秩序乱流』イベントにてMOD3化する際、ROのコアを回収。

M16姉:2人目の傘の感染者(だったはず)。ドリーマーの策略にはまり、最終的には半ば味方をわざとだます形で1人になり、現れたドリーマーへ投降。Singularityイベの最後でエルダーブレインを追い詰めようとたM4の目の前に鉄血人形として改造された姿で現れ、エルダーブレインを連れ去る。5年経った今もまだ鉄血側です。

M4A1:仲間が次々消えたり死んだりして鬱状態になる。10戦役では自分の意識の中でも分裂が起きて混乱状態に。過去の事から復讐の鬼となりMOD3化。Singularityイベでは喪失感真っただ中の彼女をAR15が助けるところから物語が始まります。

・M4自体が主人公適性が低い。

アニメの物語自体もM4とはなんだったのかという感じがしますよね。時にAR-15が主人公のようでもありますし、M16が頼れる姉貴でSOPは無邪気な妹のような存在ですが、M4というのがとても霊圧がない存在です。

実のところこれはゲームの大陸版でもそうなのですが大陸版のゲームが始まって5年経ちますが、最近になってもM4が主人公らしい動き方をしたことってないんですよね。UMP45や叛逆小隊が主人公らしい動きをする一方で、M4はMOD3になるまではずっと仲間の喪失やM16姉さんのしゃーなしの鉄血反転などもあり、鬱になったりしていましたが、復讐者と化したあとのM4も結局あちらこちらでうろうろしていて、今一つ自律的ではないです。元々M4だけ人間の女の子を参照したという過去を持つからでしょうが、とにかく彼女の心の揺れ動きに周りが引っ張られるという繰り返しで、中々進歩がないものです。だから遠く後でUMP45に胸倉掴まれたのでしょうが。

・尺が足らない。

根本問題はこれです。

少女前線は実質10戦役以上のシナリオとその間に挟み込まれる必須のイベントシナリオが並行していてどれも必要な物語です。これをアニメ化するのはどだい不可能だと思っていました。だから『癒し編』のような一見さんお断りのスタイルにした方が良かったのではないかとも思います。

単純にあれだけ膨大なシナリオとイベントシナリオを回収しようものなら24話でも落ち着かないでしょう。50話で、やっと何かしらのオチをつけられるくらいではないでしょうか。それを1クールではどうしても出てくる役者の意味も分からない(404などは特に出てきた意味が分からない、M16にHK416が襲撃した理由も分からない状態かと思います)、それにドルフロ自体ストーリーが5年経ってもまだ未完です。中にはバトルガールハイスクール(2017)のようにアニメストーリーをゲームに織り込んで展開を変えるというスタイルもあるのですが、ドルフロの場合は先行ストーリーがかなり進んでいるのでそうもいかないです。また、シナリオライターが最初と今で違う方なので、随分と最近のドルフロは政治色も強いものとなっており、特に今は言いにくいご時世ですが第三次世界大戦後、新ソヴィエトとしてソ連が復活していたりもしますし、色々な国や派閥のエゴイズムの闘いも関わってきます。つまり鉄血だけが敵の時代というのはわずか序盤の話に過ぎないのです。

・ソシャゲのアニメ化は難しい。

元のストーリーが薄い音ゲーだとか設定だけのゲームならいいんですけど(艦これ1期とかは除きます)、シナリオ重視のゲームの場合ソーシャルゲームのアニメ化は失敗しやすいです。キャラクターの見本市になりやすいですし、移入がしづらいです。プレイヤーによって主人公になるキャラクターも違いますし、メインストーリーが分散しなくても、シナリオが長大になるものはアニメシナリオ12話1クールで気持ちよく終わることはまずないです。ライトノベルだって12話の落しどころが微妙な作品多いですよね。なので、結局原作を知っていると消化不良になりがちになるのは致し方ないかと思います。

・OPは好きでした。

Yuka:DDさんの『BAD CANDY』、これは非常にいい曲です。エレクトロ系のクールなポップスです。アニメ版とは違って、ゲーム版少女前線自体サウンドトラックはVanguard Sound(パニグレとかの曲も担当)ということもあってエレクトロとかエピックに強いのでシネマティックなサウンドが求められる戦争ゲームに適しているんですよね。ゲームの傾向からして日本的寄り海外的なアプローチの方が似合っているのでその意味でこの主題歌は良かったです。惜しむらくは意味深に伏線だらけとなった色んな映像カットの意味がなくなったことでしょうか。

・ジャンシアーヌの存在感

実のところこれも、のちに増していくものなんです。対鉄血の時代は指揮官はそもそも無言であることが基本だったので人形が勝手に話を進めていく感じでした。なのでアニメの範囲ではジャンシアーヌは別にいてもいなくても必要がないともいえます。精々『起きろ、新兵』の場面くらいですかね。のちに『秩序乱流』イベントで指揮官は拷問されたりするのですが、そういったことが始まって初めて指揮官が自分から喋るようになります。つまり、ジャンシアーヌが登場するならそこまで引っ張る必要があるということです。これはゲームに従順すぎるプロットゆえの問題かなと。

・とりあえず見終えて。

ファンとしては残念な点も多いのですが、まあひとまずキャラがしゃべるのは良かったですよね。実質6戦役までを豪華なキャストさんでしゃべったり、何気なく出てくるPPShは上坂さんですし、MG3は種田さん、エクスキューショナーは伊藤静さんと、何気なく豪華な面々が登場しています。まあこれも『癒し編』でもあったことなのでそこまで感情が高ぶるわけでもないのですが本筋に触れるアニメ化ということもあり、そこは嬉しかったですね。いかんせん題材にする作品があまりにシナリオが鈍足すぎるというのもあって、アニメ勢からするとなんだこりゃ、って感じで終わるだろうなあというのが悲しい所です。納得するアニメ展開を作るにはイベントすべてのアニメ化が必要でしょうし、10戦役とSingularityくらいまではきっちりアニメ化しないと意味が分からないと思います。また、後半から面白くなってきたという視聴者さんも多いみたいでそういう方々には今回爆発オチのバッドエンドにしか見えないでしょうから何とも言えない気持ちだろうなあとも。これでまだゲームでは1、2日で到達可能なほど全然序盤なので、恐ろしいものです。できれば、もう一見さんお断りスタイルで良いので、先の物語とかイベントとかを切り抜いて長尺OVA化する方が絶対良い気がします。

ソシャゲのアニメ化は本当に難しいですね。エロゲのアニメ化位難しいです。



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