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【映画記録】僕らの世界が交わるまで

2024年1月19日に公開された #僕らの世界が交わるまで 観てきました!
グググッと刺さる超良作!

スタッフ・キャスト

スタッフ
監督・脚本
#ジェシー・アイゼンバーグ

製作
#デイブ・マッカリー
#エマ・ストーン
#アリ・ハーティング

撮影
#ベンジャミン・ローブ

衣装
#ジョシュア・J・マーシュ

音楽
#エミール・モッセリ

キャスト
#ジュリアン・ムーア
#フィン・ウルフハード
#アリーシャ・ボー
#ビリー・ブリック

短評

母と息子それぞれの人間模様を軸に
スタートラインに立つまでを描く。
公式HPはどことなく、心温まるドラマのような質感、
そうはジェシー・アイゼンバーグが卸さない。
初監督とは思えない切れ味で
刺した後にグリグリとえぐる。

所感

順番を間違える母

コミュニケーションを取る際に
やたらと質問から入るエヴリン(ジュリアン・ムーア)。
「今日はどんな1日だった?」「調子はどう?」
他人の領域には入っていくが
自分の領域には入ってくれるなという防御のよう。
表情や声のトーンからも
本人にそのつもりはなくとも
受け取る側は高圧的に感じてしまう。
正論は言っていても伝える順番を間違えて
コミュニケーションはギクシャクしてしまう。
それに無自覚なエヴリンは
猛烈に内省を促してくれる。

若さ歯痒い息子

的外れな切り出し方、フォロワー数アピール。
恵まれた環境にいることに無自覚なジギー(フィン・ウルフハード)。
彼もまた内省を促してくれる。
(若さゆえにまだ可愛げはあるが)
なんとか意中のライラ(アリーシャ・ボー)に
気に入られようとするが
上っ面を繕っただけでは当然すぐにメッキは剥がれる。
そんな彼も勝負の日は
いつものオリジナルアパレルではなく
パンキッシュにキメていく。
配信者ではなく、ジギー・キャッツとして。

音音音!

一つ屋根の下、
家族でも会社でも他人が出す音は
そこに誰かが居てくれる心地よさとともに
そこに誰かが居る煩さもともなう。
冒頭から「音」が重要なピースであることが分かるが
すれ違う母と子は
当然音楽の好みも違えば、お互いの音を煩わしく感じている。

座る・座らせる

食卓を囲む、となりに腰かける。
「座る」ことにも気を配っているこの映画。
画面内で誰と誰が一緒に座っているか、
誰が席をすすめているか、
かなり計算されているように見える。
立った状態で終わるラストのキレもまた抜群!

「座る」ことにも通ずるが、
エヴリンの車も装置として気が利いている。
彼女の「領域」である車の中では
彼女が絶対。
ジギーが好きな曲は車中では勿論かからないし、
彼のギターは窓から出ている。
エヴリンに見初められる”理想の息子”カイル(ビリー・ブリック)も
どこか居心地が悪そう。ほぼ監獄である。
なにより三人家族で二人乗りって!

まとめ

細かい演出やセリフ、
画面の切り取り方や鏡の使い方など
映画としてくすぐってくる部分。
そして、自己愛のかたまりである母と子が
また別の箇所をくすぐってくる。
くすぐりの波状攻撃で
鑑賞後は快い疲労感に襲われました。
(終盤のホラー演出と施設の字幕は最高)
監督としてのジェシー・アイゼンバーグ、
今後も目が離せません。

※写真はIMDbより引用


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