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【映画記録】ボーはおそれている

2024年2月16日公開の #ボーはおそれている 観てきました!
気になっている方は体調の良い時にどうぞ!

スタッフ・キャスト

スタッフ
監督・脚本
#アリ・アスター
撮影
#パヴェウ・ポゴジェルスキ
プロダクションデザイン
#フィオナ・クロンビー
編集
#ルシアン・ジョンストン
音楽
#ボビー・クルリック
劇中アニメーション
#ホアキン・コシーニャ
#クリストバル・レオン

キャスト
#ホアキン・フェニックス
#スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン
#エイミー・ライアン
#ネイサン・レイン
#パティ・ルポーン
#パーカー・ポージー
#ドゥニ・メノーシェ
#カイリー・ロジャーズ

短評

アリ・アスター大好きな筆者は楽しく観ましたが
それでもしばらく見返したくはない。
同じ回を観てたご婦人が帰りに
「クソ映画観させられた!」
と連れの方に吐いてました。
そこまでトータルで良い映画体験でした!

所感

179分の悪夢

主人公ボー(ホアキン・フェニックス)が
怪死した母親の葬儀に向かうという
明確なゴールが設定されているため
誰が観ても筋自体はわかりやすいのですが、
終始意味不明でイヤなことしか起こりません。

宗教的背景からの生きづらさや
不条理を描く本作。
アリ・アスターが普通の味付けにするわけはないので
是非ご自身の舌で味わってみてください。
ユダヤ教の背景については町山さん解説が参考になりました。

悪夢のさわりだけ記すと、
第一幕でボーの家に近所の輩が大量侵入するシーン。
(ご安心ください。筆者も書いてて意味不明です。)
家に入れず外で一夜を明かすボー。
翌朝荒らされた我が家に戻ると
ミキサーでは謎の茶色い液体がミックスされ続け
電子レンジには「開けるな!」の貼紙。
PCのディスプレイには靴が刺さり、
焦げているベッド。
すでに十分イヤなのに
この第一幕が40分…。
もう止めてくれ…。

ボー!上!

本かラジオの受け売りですが
画面上の位置関係は非常に重要です。
ただの会話でも、
立つ場所の上下で力関係がわかります。

この映画はボーが見上げるシーンが印象的です。
抑圧のメタファーでもありますが
ボーが見上げるシーンは
殊更にイヤなことが起こります。

自発的になにも決めず、
終始受け身で怯えるボー。
自分の周りにいたらどう接するかなと思う一方、
自分の中にもボーがいます。
悪夢だけど、こういうところがしっかり作られているので
最後まで飽きずに観られますよ!

天晴ホラー演出

前作ミッドサマー同様、
びっくりするようなホラー演出は無いですが
なんだかイヤな”あの感覚”はもちろん顕在です。
(筆者は所々に黒沢清作品を思い出します)

中盤、ボーが保護される家の娘トニ(カイリーロジャース)が
キュートな水色のペンキを飲むシーン。
あの色と粘度のものを飲むという気持ち悪さ。
水色は印象的に使われていて、このシーンも本当にイヤでした。

終盤、ボーが実家の屋根裏に上がっていくシーンも
「行くな行くな行くな!」
と、
「来た来た来た!」
でゾクゾク。
ここまでもとんでもない映画ですが
ここでさらに一段飛躍します。

まとめ

長編前二作がかわいく思える奇作。
家族、宗教、善意。
この辺りを監督がズブズブ刺してきます。
(ボーも作中で普通に刺されます)
某ファッション誌の着回し企画に
監督が本人役で登場しているそうですが
プロモーションに悪意しか感じません(良い意味で)
#大島依提亜 ワークのパンフレットも最高なので
映画が気に入った方は是非お買い求めください!

※写真はIMDbより引用


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