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【エッセイ】清竜人という人

朝起きて、作業前に何となく開けたYoutubeで、個人的に少し懐かしく感じる名前を見た。思わずクリックして再生する。

ここ最近、YouTubeに音楽を提供されがちな私。笑

清竜人。
私は、彼についてさほど詳しくはない。特別にファンなわけでもない。ただ作る音楽が好きなだけだ。

私と清竜人の、人生の関わり方を先に説明させてほしい。


初めて聞いた楽曲は「痛いよ」だった。

音楽の感性近い友人が教えてくれたとか、そういうきっかけだったと思う。歌詞といい歌い方といい、非常に繊細な人だなと感じた。

彼を見ていると、わかりやすく「人間の二面性」を見ることができる気がして、興味深い。

陽気で明るくてぶっ飛んでいる一面が見られるのは、アイドルグループのプロデュースに関わっていたときだろうか。

この辺りは、私個人としてはさほど関心がなかったので、楽曲にも明るくはない。

一夫多妻制をテーマにして、本人もメンバーとして数年楽しんでいたような印象。
それ以降、マイペースにまた自身の楽曲を作って発表して今日に至る…というように認識している。

この陽の部分は、私の感性の管轄外だったもんで「何か楽しそうにやってんなあ」と遠巻きに見ていて、そのまましばらく離れていた。

そんなある日、かの有名?なTHE FIRST TAKEにて久々にその名を見た。

約十年を経ると、「痛いよ」はこうなるのか…と驚いた。

とはいえ、投稿日を見るとこれで今からもう三年前。
コロナ禍真っ只中だったため、HOME TAKEなのだなと知る。


そんな過程を経て、数日前に発見したのが「遥か」。

サムネイルをあまり見ないまま、名前だけを見て再生した。懐かしさを覚える声が流れる。

女優さんは、見たことのある人だと思ったら唐田えりか…。いつだったか、スキャンダルで一線を去ったことのある彼女が、巫女の格好で清竜人のMVに現れようとは。

きっといろんな接点や、感覚のすり合わせを経てこうなったのだろうなと、私は一聞き手としてそれを粛々と受け止める。

時と場合にはよるけれど、基本的に「良い作品には、過去の過ちも偏見も無効」と思える人間なので、そうか、とそのままただ素直にMVを観た。

良いものは、良い。


からの、今日。

私が知る、彼の曲の中で一番好きと言っても過言ではない「All My Life」が、クラシックのアンサンブルとコラボ演奏して上げられていることに気がついた。

上げられたのは一ヶ月前、つい最近じゃないか。

今の彼がこの曲を歌うとこうなるのか!という喜びと、弦楽器たちとの相性の良さにものすごく感動した。

途中しゃがみ込んでうずくまって、果てには倒れ込んで歌う姿(3:20以降あたり)に、なぜかものすごく胸が打たれた。

これが、彼の「歌う姿」なのだなと理解した。

何事も、人が物事に対して真摯に取り組む姿には、筆舌に尽くし難い力がある。
真剣にひたむきに「生きる」姿はかくも美しい──。


音楽は、良い。
私の生きる世界に、音楽はなくてはならないものだ。

そんなことを改めて実感しながら、私も真摯にひたむきに「生きたい」と思った。

感覚を言語化するならば、胸の奥の燭台に、新しくて柔らかくて眩しい灯りが灯ったようなそんな気分…。

清竜人、恐るべし!

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