唐仁原昌子

〜毎日投稿&毎週日曜に短編小説やショートショートを投稿中〜 人生を漂う30代。歌うこと…

唐仁原昌子

〜毎日投稿&毎週日曜に短編小説やショートショートを投稿中〜 人生を漂う30代。歌うこと話すこと食べることに笑うことがすき。明るい人見知り&元気な根暗。自分の言葉を残していきたくて、noteを広げました。どんな些細な感想もありがたいです!1つのスキが励みになります!

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【自己紹介】改めまして、「私」です

新年、明けましておめでとうございます。 本年もゆるりと、好きなことについて書き散らかして、言葉と仲良くしていこうと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 挨拶もそこそこに…。 ふと気づくと、以前自己紹介と称して書いた記事から9ヶ月が経っていた。9ヶ月も経ったら、紹介できることも変わろうと再度書いてみることにする! 併せて、一年連続投稿の報告記事でも言わせていただいたように、2024年より、自分にとって一番馴染み深くて愛着のある名前で活動していきたいと思う。 こ

    • 【ショートショート】 あの日のクレープ

       じわりと夜が滲むような、春の夕暮れで満たされた廊下を、ものも言わずに歩いていく。  そんなミオの背中を、私も同じく黙ったまま追いかける。決してミオのためではない。私は、たぶん私のために彼女を追いかけている。  部活の後、ミオは確かに泣いていた。  ロッカールームに忘れ物をしたことに気がついて戻ったとき、私はそれをみてしまった。  一年の頃から同じクラスで、同じグループで楽しくやってきたけれど、一番仲がいいかと言われたら自信はない。  ずっとそれくらいの距離感にいたから

      • 【エッセイ】欲望は人を動かす(4/28追記)

        人間というものは、貪欲な生き物だ。 というより、多分生き物はみんな貪欲だ。 生きるために、何かを欲する。 これはもう逃れようのない性だ。食欲、睡眠欲、色欲…。 元々私は、そんなに「欲」の強い人間ではない。 いや…どうだろう。 そう思い込んで、自分を納得させているだけな気もしてきた。 正確にいうと、「欲」を表出させるのが上手い人間ではない、の方が正しいかもしれない。 欲しいものを欲しいと、素直に言うことを避けて大人になった結果「欲しい」がよくわからない人間になったよ

        • いろんな縁とタイミングのもと、今なお繋がっている人たちと久しぶりに会う。あのときは…なんて、共通の過去を辿って「あの頃」の延長上にある「今」を一緒に見つめる。そんな時間のなんと感慨深いことか。 何でもいいよ、大丈夫。この先何があったとしても私はきっと、死ぬまであなたたちの味方だ。

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        【自己紹介】改めまして、「私」です

        • 【ショートショート】 あの日のクレープ

        • 【エッセイ】欲望は人を動かす(4/28追記)

        • いろんな縁とタイミングのもと、今なお繋がっている人たちと久しぶりに会う。あのときは…なんて、共通の過去を辿って「あの頃」の延長上にある「今」を一緒に見つめる。そんな時間のなんと感慨深いことか。 何でもいいよ、大丈夫。この先何があったとしても私はきっと、死ぬまであなたたちの味方だ。

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        記事

          【日記】空港という空間

          今日は、所用で空港へ。 国籍も年齢も性別も、何もかもバラバラなたくさんの人が、まぜこぜになって行き来している空間を見るともなく見る。 そして、ここにいる人ほぼ100%は、行くにしても帰るにしても、とりあえず「目的地」のある人たちなのだなとぼんやり思う。 移動手段でいうと、私は圧倒的に飛行機が好きだ。 理由はよくわからない。 空が好きだからかもしれないし、これだけの鉄の塊が飛ぶという不思議を、しみじみ実感するからかもしれない。 いずれにせよ、不思議の対象である飛行機

          【日記】空港という空間

          【日記】しようと思うだけの日

          しなければいけないこと。 しようと思っていたこと。 したいと考えていたこと。 今日は軒並み、いろんなことが上手く回らなかったので、まあそんな日もあるなあと諦めて過ごす、そんな一日。 午前中に洗濯をしようと、洗濯機にいろいろ入れて、そろそろ終わったかと見に行くと、そこには微動だにしていない洗濯機があった。 いわゆる、スイッチの押し忘れという悲劇である。 …私よくやるんですよね、洗濯機周りのこういうミスが特に多い。なぞ。 今回はスタートボタンの押し忘れだったのだけれど、

          【日記】しようと思うだけの日

          かたいプリンが食べたくて、某SNSで見かけたプリンを食べに小雨の中をさまよった。いろんな人が混在する空間は、いろんな情報が目や耳から入って、もの凄く当たり前なことだけど自宅よりずっと刺激的だ。人間観察のアンテナを張りつつ、少しだけアナログ作業をして帰宅。今夜もなかなか肌寒いなあ。

          かたいプリンが食べたくて、某SNSで見かけたプリンを食べに小雨の中をさまよった。いろんな人が混在する空間は、いろんな情報が目や耳から入って、もの凄く当たり前なことだけど自宅よりずっと刺激的だ。人間観察のアンテナを張りつつ、少しだけアナログ作業をして帰宅。今夜もなかなか肌寒いなあ。

          【日記】寒いんだか暑いんだか

          この時期って、毎年こんなに日々の温度差は激しかったかなあ。 朝起きてから窓を開けて、部屋で諸々の作業をしながら、ふと肌寒さを覚えて窓を閉める。 でもしばらくしたら風が恋しくなって窓を開けて…。 日々の温度差に、試される人間たち…みたいな妄想をしながら、温かいカフェオレを淹れて内臓を温める。 そんなことを繰り返している。 先日、ショートショートに関して「毎週、都度テーマなどを考えて書いているのかどうか」と言うことを問われた。 そういうことは、言われて気にしないと自分で

          【日記】寒いんだか暑いんだか

          【ショートショート】 春吹く窓辺で

          「中島ちゃーん。次の数学の課題、終わってたりしない?」  休み時間になると、青木さんが声をかけてきた。  終わってたりしない?なんて聞いておきながら、彼女は私が課題を終わらせていることを、ほぼ確信して聞いてきている。多分。 「あ…うん、終わってるよ」 「よかった!ごめんだけど、お願い!見せて!」  手のひらを合わせて、ごめんのポーズをしながら、大して悪びれた様子もなくそんなことを言う。まあいつものことだ。  そしてそんな青木さんの様子を見て、便乗した数名が「私も見せて

          【ショートショート】 春吹く窓辺で

          美味しいものを、美味しいと思いながら美味しく楽しめる人たちと美味しくいただくという、人生においてなかなか上位に食い込む贅沢を満喫。素晴らしい…!持つべきものは友達だなあと、しみじみ思う日々を重ねつつ、面白おかしくやっている。ありがたい限りだ。 ああ、今日も本当にいい一日だった!

          美味しいものを、美味しいと思いながら美味しく楽しめる人たちと美味しくいただくという、人生においてなかなか上位に食い込む贅沢を満喫。素晴らしい…!持つべきものは友達だなあと、しみじみ思う日々を重ねつつ、面白おかしくやっている。ありがたい限りだ。 ああ、今日も本当にいい一日だった!

          【日記】春なんてもうない

          ここ数日の強風で、ものの見事に桜は葉桜へと見た目を変えた。 窓を開けると、強風で部屋のものがかき混ぜられ、窓を閉めると暑すぎるという鬼のような環境になっている。何でそんな意地悪するのー! 年々、「春」と「秋」が短くなる…。 そしてここから先は、ひたすら暑くなっていくのみと思うとクラクラする。恐ろしや。 季節の移り変わり速度に、なかなかついていけなくてツラい。 四季よ、ゆっくり巡りたまえ…! ぼちぼち、ゴールデンウィークの予定を立て始める。 会いたい人には、会えると

          【日記】春なんてもうない

          【エッセイ】優しい人がすきだという話

          ああ、私は優しい人がすきだなあと、時折脈絡もなくふと思うことがある。 そりゃまあ、大抵誰だって乱暴な人や意地悪な人よりも、優しい人の方がすきなのだろうけども。 優しさとは。優しい人とは。 今日はそういうお話。 久々に少しお酒が入っているので、ゆるーくお付き合いください。 では、いざ。 私は元々、自己犠牲を美徳とするタイプの人間ではある。 多少の無理が、誰かを救うなら。 多少の我慢が、誰かを笑顔にするなら。 その「誰か」との距離が、近ければ近いほど、「多少」が大き

          【エッセイ】優しい人がすきだという話

          今日も天気が良くて機嫌も良い!ただし、花粉やら黄砂やらで鼻水は止まらない。何が起きても変わらず巡る「一日」を、自分なりに泳ぎきる。それで上等。青空に映えるハナミズキ、綺麗だったなあ。 隙間時間で何となく観ていた過去のドラマ「ハコヅメ」を完走。とても良いドラマだった。観てよかった!

          今日も天気が良くて機嫌も良い!ただし、花粉やら黄砂やらで鼻水は止まらない。何が起きても変わらず巡る「一日」を、自分なりに泳ぎきる。それで上等。青空に映えるハナミズキ、綺麗だったなあ。 隙間時間で何となく観ていた過去のドラマ「ハコヅメ」を完走。とても良いドラマだった。観てよかった!

          【日記】春と追い風

          一般的な「朝」よりも、少し遅めに起きる。 誰にも迷惑をかけていない気楽さが、私をのびのびと生かす。 諸々のタスクを済ませて、お昼過ぎに、ふとベランダの方を見る。なかなか風が強そうで、桜の花びらや何かしらの葉などが空を舞っていた。 しばらくそれを見ていたら、気分転換を兼ねて買い物に行きたい気になり、出かけることにする。 自転車を漕いで、よく行くスーパーに向かう。 道中、道や街路に多くの花を見て嬉しくなる。 桜は終わりかと思ったけれど、少し遅れて八重桜が満開だった。

          【日記】春と追い風

          【日記】四月の真ん中

          気づくと、怒涛の四月も十五日になっていた。 先月行った旅行の話も、書きたい書きたいと思いながらタイミングを逸している。 んーのんびりしちゃってるなあ! 春先はどうしたことか、やたらと集中力が散漫になる。元々そんなに集中力のあるタイプではないのだけれど。 何ででしょ、風に呼ばれるからかなあ。 家の近くの桜の木は、すっかり風によって枝先の春が吹き飛んでいた。 今くらいの気候は、なかなか過ごしやすくていい。 程よい気温、程よい風、程よい日差し。 花粉だけが私を苦しめてい

          【日記】四月の真ん中

          【ショートショート】 チーズピザとお味噌汁

           ガラリと木の引き戸を開け、見慣れた玄関を通って部屋にあがる。  入ってすぐの畳の部屋にあるお仏壇、懐かしい気持ちになるお線香の香り。  じゃらりと音の鳴る、木製のビーズでできたカーテンをくぐるとリビングがあって、その向こうにあるソファには、いつだってまあるい背中が見える。 「…こんにちはー」 「あら、初めまして」 「わあどうもー。初めまして」 「お隣さんでしたっけ?」 「あ、そうそう。先日引っ越してきたのー」 「あらあら。お若いのにこんな田舎へようこそ。私はタエコと申し

          【ショートショート】 チーズピザとお味噌汁