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【常識を疑う②】〜頻繁な“休憩”で上達する〜

今回の投稿は、最近、あるネット記事を読んで、個人的に衝撃を受けたことです。

https://nazology.net/archives/91085
▲ そのネット記事のURL

その衝撃とは何かというと「頻繁な休憩によってスキルが上達する」ということです。

無駄な時間をできるだけ削って時間を有効に使い、しっかりとした練習量・トレーニング量を確保しなければ上達しないと思っていましたが、「休憩で上手くなる」となると“逆説的”な感じがします。

その記事によると、

「アメリカの国立衛生研究所(NINDS)の研究者たちにより『Cell Reports』に掲載された論文によれば、ピアノの練習のような新しいスキルを習得する場合、頻繁な休憩を行うと効果的な上達ができるとのこと」

【引用】https://nazology.net/archives/91085

と研究結果が紹介されていました。

【引用】https://nazology.net/archives/91085


また、こんな実験も紹介されていました。

「4・1・2・3・4」という5ケタのキー入力を10秒間に可能な限り早く行うというもので、33人の被験者に対して10秒間のキー入力練習と10秒間の休憩というセットを35回行ってもらい、その間の被験者たちの脳活動を測定したところ、練習の成果は練習中に全く上達しない一方で、10秒間の休憩が終わるごとに上達が起きたとのこと。

また、上達度は35回のうち、最初の11回の休憩中が最も大きく、その後は横ばいになったそうです。

【引用】https://nazology.net/archives/91085

なぜ休憩中に上達が起きるのか

「なぜ休憩中にのみ上達が起きるのか」という疑問が生じますが、その理由は「休憩中に脳内で高速再生されるから」だそうです。

休憩中に被験者の脳波を調べたところ、

○ 休憩中の脳内では練習していた「4・1・2・3・4」の入力が、練習中の20倍という超高速で繰り返し再生されていた

○ 脳内での再生回数は上達度が最も大きかった初期の休憩期間が最大となっていて、以降の休憩に比べて2~3倍となった。

脳内での高速再生の回数が多い被験者ほど、休憩後の上達度の跳ね上がりが大きかった

ということがわかったそうです。

【引用】https://nazology.net/archives/91085/2

この実験を行った研究者たちによる結論によると、休憩に入ることで「感覚運動領域」「海馬」「嗅内皮質」 の3か所の脳領域が緊密に情報交換を行い、練習内容の圧縮・統合することで、上達効果をうみだしているとのことです。

【引用】https://nazology.net/archives/91085/3

つまり、選手の体を動かす“脳”が練習した技術を学び覚える時間を作るのが“休憩時間”ということになります。

野球の練習に置き換えると

この「頻繁な休憩」というものを野球の練習に置き換えるとどうなるのでしょうか?

○ ティー打撃を打っている時間(練習)と、ティー打撃のトスをしている時間(休憩)

○ フリーバッティング時に、ゲージ内で打撃をしている時間(練習)と、ゲージの後ろで順番待ちしている時間(休憩)

○ シートノック時に、自分の順番でノックを受けて打球を処理している時間(練習)と、他の選手がノックを受けていて順番を待っている時間(休憩)

などが、これにあたるかなと思います。

ここでいろいろと疑問が生じます。

この記事で紹介されていた実験ですと、「“10秒間”の練習と“10秒間”の休憩」というセットでした。

○ 他の秒数でも同じような効果を得られるのか?

○ トスをしていたり、ゲージの後ろでスイングをしていたり、大声を出して盛り上げていたり、指示を出していたり、などなどをしていても効果はあるのか?

○ 守備練習の後に休憩を挟んで打撃練習をするように、休憩の前後で違う練習をしても効果はあるのか?

といった疑問です。

これらの疑問については、実際のところどうなのかはわかりませんが、練習の合間に「休憩」にあたる時間を頻繁に取り入れてみるのもと良いことなのかもしれません。

もちろん「練習量・トレーニング量を確保しなければ上達しない」のは常識だとは思います。

ただ、とにかく長時間ぶっ続けで休憩時間も惜しんで練習し続けることが、その練習量に値するだけの、期待値通りの上達がみられるのかどうかは、疑いの目を持っておくことが必要なのではないかと思うようになりました。

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