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管政権の実態を追った映画「パンケーキを毒見する」

映画(パンケーキを毒見する)(ネタバレありです)

菅義偉首相の政治姿勢を追及したドキュメンタリー映画です。監督は内山雄人氏で、途中戯画も挿入され、タイトルの通りなかなか毒のある映画に仕上がっています。

前半は「ご飯論法」の名付け親である上西充子法政大学教授による国会中継での質疑応答のビデオ解説が行われます。
質疑に対して→まともに答えない→答弁で同じことを繰り返す→中継を観ている国民を呆れさせる→政治に無関心になるように仕向ける→投票率が下がる→組織票中心の自民党に有利でそこが狙い→逆に投票率が上がると無党派層票が増えるので自民党に不利(近々の横浜市長選はいい例)
つまり確信犯的に敢えて議論の争点を避ける「ご飯論法」を続けている訳です。

次の証言は元朝日新聞政治部記者の鮫島浩氏で、菅政権が踏襲した安部政権は、「仕返し政権」であったという事実です。戦後の自民党内での主流は、かつて田中角栄氏が率いた経世会であり、保守本流で公家集団といわれた宏池会であったのに対し、安部元首相が属した清和会はずっと傍流であり、その人物が政権を取ったからには、今まで主流であり本流であった議員たちへの仕返しが背景にあるという、驚くべき考察です。

つまりは政治の基本方針である政策などよりも以前のレベルでの私情があり、それがより屈折したひがみや嫉妬、さらには怨念に近い感情までもが渦巻いて、政策策定の根幹にどす黒く息づいている訳です。安部政権が自身に近い連中を重用するお友達内閣といわれる所以です。

さらに興味深いのは安倍内閣での事務方トップの官房副長官である杉田、和泉、某の3人がいずれも出身省庁の事務方トップに就任していないことで、これも「仕返し政権」の有力な要因の1つとなっているとのことです。
「権力を求める→権力に酔いしれる→権力を守り続ける」という権力のサイクルが、私情を絡めて硬直化されていきます。

最後にG7での各種ランキングが列挙されますが、男女平等ランキングではダントツで最下位、他にも幸福度、報道自由度などで軒並み最下位になっており、貧困率は貧富の差が激しいアメリカに次いで2位になっています。
最後の最後に「リーダーがやった結果」とコメントが流れます。
安部前政権の政治姿勢をそのまま踏襲した菅政権の末路は、コロナ対応以前にもはや結果は出ていたように思いました。(写真は公式サイトより引用しました)

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