キャリアコンサルタント歴5年の私が、質問力アップの自己研鑽しているかを問うたことについて
ジャーナル誌にキャリア教育について記載があり、読み進めた。
中学生の職場体験についての記事だった。
内容をかいつまむと
「同じ中学から2名の生徒が、同じ保育園に職場体験に行き、体験した仕事を書く、という課題を行った」というもの。
同じ中学から同じ体験先に行って同じ経験をしながら、受け止め方がまったく異なるのだ。この記事には職場体験の意義をどう考えることができるだろうか、と提議されていた。
キャリアカウンセリングに引き寄せて考えると「どのように語り掛けるか」が重要になりそうだ、とも。
わたし自身が就職支援の現場で約5年勤務した中で、「どのように語り掛けるか」について行ったことについて少し触れたい。
自己分析するときに使用していた仕事の棚卸し。転職者の場合は、今現在の仕事や転職経験者の場合は過去の仕事についても振り返ってもらう。学生の場合は、アルバイトが対象になる。
目視できるように、シートを持ち帰って記載して持参の形式をとることが多かった。職務内容を書くことができても、詳細を書こうとすると手が止まる(書いていない)ことが散見されたし、口頭で仕事の棚卸をしていても「えっと…(沈黙)」ということがあるのだ。
例えば、居酒屋でアルバイトをしている方に話を聞いてみると以下の流れになる。
シートに記載する場合も上記内容とほぼ変わらないことが起きる。
全員がそうだというわけではない。自分の仕事を細かく記載してくれる人、話してくれる人がいることもある。
今回は書けない、話せない方にフォーカスを当てているのでそちらの方々への問いかけについて記載したい。そんな方々へは、ひとつひとつ問いかけていく。
出勤してから、やっていることを辿っていって。
この質問から始めることが多い。
その話を聞きながら私は頭の中でその人の姿を想像する。
話を聞いていて、あれっ、と思ったときは質問を重ねる。
書いてもらう、話してもらう、質問する。
時間は要するけれど、「抽出された行動特性、性格、能力」の理解をするためにはこの時間は必要だ。
仕事を始めたばかりのときは与えられたこと、教えてもらったことをすることで精いっぱい。
時間の経過ともに工夫していること、手順を変更することで効率化につながっていることに本人が気づく。気づいてもらう時もある。
自分の特徴、能力を自分で言葉にできればいいけれど、そうでない場合は私の仕事だ。
・この仕事からは、こんな強みがありそうだけどどうかな。
・似た経験があるかな。
こうやって、ひとつひとつ聴いていく。
せかさず、待つ。聴きたいからと言って先走ってしまうと、考えていることが中断し出てこなくなってしまう。
だからひとつひとつ丁寧に聴いていくのだ。
すべてのクライアントに同じ聴き方をするわけではない。ひとりひとりに合わせて、言葉を変え、表現を変えて聴いていく。
わたしがこの記事取り上げたのは、わたし自身が適切な質問ができているか、という点が気にかかったからだ。
クライアントに合わせて言葉を変えながら質問をしているとはいえ、質問力を上げていくことは大切。この記事を読んで心に留まったのはわたし自身も質問力を上げることはもちろん、自己研鑽をし続けないとな、と感じさせられただからだ。
こんなことがあった。
わたしが以前いた職場でも中学生の職場体験を受け入れたことがある。
当時の私の仕事は「書類審査」という他者には中々理解がしづらい仕事に携わっていた。その仕事をしている時に、私立中学から40~50名がやってきて、各部署に4~5時間滞在し業務内容を「見る」という体験だった。
先生から受け入れ側への指示は「皆さんは業務に集中してください。話しかけたりする必要はありません。生徒にもその旨伝えています。」それを聞いたわたしは「え…それって職場体験になるの?見てるだけ?」と心の中で思ったのだ。(放置してよい、という言葉に近くて驚いた)
私がいたフロアには120~130名の従業員がいて、生徒さんは5名にも満たない。平均年齢が高いフロア、生徒さんのご両親以上の年齢の従業員が多くをしめた。そんな中で、だまって椅子に座っているだけ、なんだか忍びないな。仕事をやりながら時々声をかけるのが精いっぱい。
職場体験終了後、「どんな仕事をしていたか」という振り返りレポートをもらった。
・パソコンに向かっていた
・書類を見ていた
うん、確かに、そうだよね。
レポートをもらうまでの過程を見ていないので、どんな指示をもらいレポートを書いたのかはわからない。職場体験がどんな目的で行われたのか、それも今では記憶の彼方。それでも、記事を読んで思い出したということは、「引っ掛かり」があったからだ。その引っ掛かりがわたし自身に戻ってきて「質問力を磨いていますか」と問うことになった。
自己研鑽し続ける。心に刻んで日々取り組んでいくことが大切なのだ。
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