少女は秋の空を黙視した
例えば子供の頃最低だと思っていたことが、
今はそうでもなかったりする。
人の思考や価値観なんてとんでもなく容易に変化していくものだと、私はそう思っている。
だから私は私のことでさえ信用できなくて、
まだ架空のままの未来ばかり案ずるようになってしまった。
例えば自らの一寸先の言動にすら、責任が持てないと思ってしまう程に。
生きている以上、絶対なんてありえないの。
好きなものが嫌いになったり、
大切なものを簡単に捨ててしまえたり、
そうやってどんどん何かが拗れていく。
そんなふうに歳月をかけて変わり続けた今の私は、きっと子供の頃の理想の自分像とはかけ離れていて、自壊と創製を繰り返した果てのこの姿を誰に認めてもらおうともしなくなっていた。
それがとても苦しいことだって、そう気付くのはきっともっと先のお話。
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