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【相手方会社との直接交渉~労働審判の流れ】労働問題自分で解決する.com

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🖊️当記事は、執筆中のものです。

🟦労働審判を自分で行った労働問題

私が労働問題について裁判所へ申立てを行ったのは、下記の2つの事例です。

裁判にて解決した事例:残業、不当解雇(A社)
労働審判にて解決した事例:残業、不当人事考課(X社)

A社での事例につきましては、弁護士へ依頼して裁判にて解決したものです。

X社での事例では、当初は弁護士へ依頼しておりましたが、依頼した弁護士が「ダメ弁護士」(以下「S弁護士」。)でしたので、弁護士への不信感もあり、改めて他の弁護士へ依頼することはせずに、自分で労働審判へ申立てを行いました。

当記事では、X社における労働問題に対しての、S弁護士へ依頼してから、その後労働審判を行った内容までの一連の流れを時系列で紹介しています。

なお、X社との労働審判は、2024年2月12時点で現在進行形であり、「第1回労働審判手続き期日」が終了した段階です。

🟦労働問題の争点

私と相手方会社とで争った労働問題の詳細は下記のリンク先にて詳述しています。
労働審判にて解決した事例:残業、不当人事考課(X社)

【労働問題の争点の要点】
○私の主張
・未払いの残業代を支払え
・不当な人事考課をされたことによる損害賠償金を支払え

○相手方会社の主張
・支払わない

🟦相手方会社の退職

労働問題を申立するにあたり、退職するのか、在職を継続するのかたの選択肢がありますが、在職を継続したままで労働問題の申立てを行うと、多くの場合、
・会社での居心地が悪くなる。
・会社での評価が下がる
といったことが顕在化するため、多くの人が退職した上で労働問題の申立てを行うと思いますし、私も例に漏れず退職することとしました。

労働条件や労働環境に問題があると思って申立を行うわけですから、一社員が不服申し立てを会社に対して行っても改善されることは稀であるであろうことも踏まえると、多くの場合が退職という選択肢を選ぶのではないでしょうか。

🟦労働問題の解決方法の決定

X社での労働問題を解決する方法として考えたのは、次の3つでした。
・「会社との直接交渉」
・「労働審判」
・「裁判」

私が労働問題と考えていることも、会社としては、確信犯でもない限り、自身が行っていることは「正義」だと考えているでしょうから、「会社との直接交渉」だけでは解決できないと考えました。

ファーストコンタクトは相手方会社へすることとなるでしょうが、前述したとおりそれだけでは労働問題を解決するのは難しいであろうと考えると、残された選択肢は「労働審判」又は「裁判」の2つになります。

X社の労働問題は「残業代未払い」と「不当な人事考課」でしたので、「労働審判」とするのか「裁判」とするのか難しい決断でした。未払い残業代の請求といったように、争点が明確な場合は「労働審判」がいいでしょうが、私は人事考課といった複雑な内容も争点としていましたので、そのような場合は「裁判」とすることも考えられます。しかし、「裁判」は労働問題の争点によっては1,2年と長期になる場合もあります。

もう少し詳しく説明しますと、「労働審判」と「裁判」にはそれぞれ次のようなメリット・デメリットがあります。

🟡「労働審判」のメリデメ
【メリット】
・審判終了までの期間が、裁判所のウエブサイトによれば、平均で74.9日と裁判に比べて短い。
・弁護士費用が、「裁判」を依頼する場合と比べて安い。
【デメリット】
・相手方が異議申し立てをした場合は当該労働審判は失効する。すなわち、労働審判が全くの無駄になるということです。
・労働審判が失効した場合は、裁判へ移行することになる。

🟡「裁判」のメリデメ
注)「労働審判」のところで記述した内容は省略
【メリット】
・入念な審理が行えるため、徹底的に争うことができる。
【デメリット】
・相手方が控訴すると、二審(高等裁判所)、三審(最高裁判所)へ進むこととなる。

上述した「労働審判」と「裁判」のそれぞれのメリデメを俯瞰すると、一見労働審判の方が速く決着するイメージがありますが、相手方会社の出方次第ではありますが、相手方会社が審判に不服申し立てをした場合は、労働審判からスタートした場合には、労働審判に費やした時間が全て無駄になってしまいます。

結論としましては、複雑な事案であり、かつ退職後の生活費の貯えがない場合などは、費やした時間がすべて無駄になる可能性のある「労働審判」よりも「裁判」とするのがいいのではないでしょうか。

「労働審判」とするのか、あるいは「裁判」とするのかの、判断基準は次の点になると思います。
・複雑な事案なのか。
・証拠や陳述書などの証拠を揃えて徹底的に争う心構えがあるのか。
・「労働審判」あるいは「裁判」の期間中の生活費や新たな収入があるのか。

私の場合は、残業代未払いの他に不当な人事考課もありましたので、複雑な事案に該当すると思いますが、退職後も些少ではありますが、ある程度の貯えがありましたので、労働審判が無効となり、審理が長期化してもいいと考え、「労働審判」からスタートすることとしました。

この時点で私は、「労働審判」を自分で申し立てた経験がありませんでしたので、労働審判を自分だけで申し立てることはできない、あるいはかなり難しいと考え、弁護士に依頼することとしました。

🟦S弁護士への依頼

🟡弁護士事務所の選定
弁護士の選定は、Googleで「労働問題 弁護士 大阪」といったキーワードで検索し、トップ画面で最上位に出てきたところが、Good口コミ評価を話半分にしても悪くはなかったので、その弁護士事務所へ依頼することとしました。依頼した弁護士事務所は、東京に本部事務所があり、大阪にも事務所があるところで、十数名の弁護士が所属している事務所でした。

🟡S弁護士へのファーストコンタクト
弁護士事務所へのファーストコンタクトは、電話連絡でした。事務所へ電話すると、事務局の女性の応対でしたので、どのような問題の解決を依頼したいのか、その概要を説明しました。

電話が終わった後に、会社員時代の身分証明(健康保険証のスキャニングしたものなど)や労働問題の証拠になる資料をメールにて送り、弁護士からの連絡を待っていると、数日後にS弁護士からメールでの連絡がありました。S弁護士は私が指名したわけではなく、依頼先の弁護士事務所が選任したものです。複数の弁護士が所属している事務所では、恐らくこのようなスタイルがとられているのではないかと思います。

S弁護士からの最初の連絡内容は、Skypeによる面談の日時調整でした。私から面談の可能な日にちを連絡すると、日時とSkypeへのログインの情報がメールにて送られてきました。

Skypeによる面談の内容は、労働問題の内容と、証拠書類について、S弁護士と私とでコンセンサスを得るものでした。

Skypeによる面談から数日後にS弁護士より契約書がメールにて送られてきたので、それを印刷して署名・返送し、この時点でS弁護士の所属する弁護士事務所との契約が締結しました。

この時点では、S弁護士から契約内容についての詳細な説明もなく、私も熟読していなかったこともあり、契約書に「対象は訴外交渉」と書かれていることに気付いていませんでした。すなわち相手方との直接交渉のみを代理してくれるという内容の契約となっていたのです。

🟦S弁護士による相手との直接交渉

🟡S弁護士から相手方会社へのファーストコンタクト
S弁護士による相手方会社へのファーストコンタクトは、未払い残業代と不当評価により減額された賞与の支払いを求めるもので、具体的な金額の記載はありませんでした。なお、このファーストコンタクトの内容も、後に解任するときにやっと送ってきたものです。

🟡相手方会社からの第1回目の回答
S弁護士からのファーストコンタクトに対して、相手方会社からの回答は、「残業代に対しては1円も支払わない」ということと「不当な人事考課」については、改めて連絡するという内容でした。

🟡相手方会社からの第2回目の回答
第1回目の回答から1週間程度経過してから、人事考課についての回答がありました。回答内容の趣旨は、人事考課は適切であったというものでした。

🟦S弁護士のその後の動き

この時点までで、S弁護士からの経過等の報告は皆無でしたので、途中で適宜「途中報告をして欲しい」との要望を連絡していたのですが、連絡が改善されることは全くありませんでした。

人間は不明で分からないことに対して最も不安を感じます。S弁護士からの連絡が皆無でしたので、この時点で不安と疑問、S弁護士に対する不信しかありませんでした。

🟦S弁護士の解任(契約解除)

先述しましたとおり、全くといっていいほどコミュニケーションを取らないS弁護士でしたので、何をしているのか、あるいは何をしたいのか全く分からない状況でした。

この時点で先行きへの不安と疑問しかなかっため、S弁護士を解任し、以前にA社での労働問題でお世話になった弁護士(以下、「K弁護士」。)へ依頼しようと思い、滋賀県のK弁護士の下を訪れました。

事前に資料等を送っておらず、K弁護士の事務所を訪れ、労働問題の概要を説明し、相談料の1万円を支払いました。帰宅した後に、S弁護士に送った資料と同じものを送り、労働問題をK弁護士に把握していただくことになりました。

それから1カ月弱くらい経って改めてK弁護士の事務所をおとずれたところ、K弁護士はご高齢であり、滋賀県に在住で事務所も滋賀県でしたので、大阪地方裁判所へ出向くのが身体的に難しいことと、そもそも健康的に万全ではないことから、今回の事案については受任できないとのことでした。

K弁護士に「いい弁護士の探し方」についてレクチャーしていただいたところ、①知っている弁護士に依頼すること、②住所の近くに事務所があり対面での連絡が容易に可能なこと、とのことでした。

🟦S弁護士の解任後の解決方針の決定

K弁護士に受任を断られ、次の選択肢は、K弁護士に言われたこともあり自分で労働審判を申し立てるのか、裁判を起こすのかの2択でした。裁判を起こすとなると自分ではでは対応できないこと、裁判となると再度弁護士を探す必要があることから、労働審判による解決を図ることとしました。

🟦労働審判の一般的な流れ

労働審判の一般的な流れは、「裁判所」のウエブサイトに掲載されておりますが、その内容を再掲すると次のとおりです。
・ステップ1:2023年裁判所への申立て 
・ステップ2:期日への出席

出典)裁判所ウエブサイト

You Tubeでも、「よくわかる!労働審判手続」と題した動画がアップされていますので、参考にご覧下さい。

🟦大阪地裁への労働審判の申立て


🟦答弁書等の提出


🟦相手方会社の答弁書等の受取り


🟦第1回手続き審判期日への出席

大阪地方裁判所より指定された期日の2024年2月初旬日に大阪地裁へ出向きました。大阪地裁に到着してから、出廷、審判の内容の詳細、帰路に着くまでの流れは下記のとおりです。

・指定時間15:00の15分前に大阪地裁に到着し、ロビー内で相手方会社の社員を確認するも、言葉を交わしたり会釈したりすることはなく、無視です。1Fでトイレを済ませて、労働部(第5民事部)の部屋に行くと、法廷の部屋を案内されました。部屋の場所まで案内されるのではなく、部屋番号を教えてもらえるだけですので、部屋を自分で探していく必要があります。

・案内された部屋い行くと、裁判官1名、労働者側と会社側の労働審判員2名、相手方会社の社員2名(専務と常務)、相手方の代理人弁護士3名(主任弁護士、他)の計3名が、法廷内で着席していました。

・労働審判は通常の大法廷や小法廷ではなく「ラウンドテーブル法廷」でした。ラウンド法廷とは、裁判官もだ円形のテーブルを囲んで着席する、下の写真のような形式の法廷です。相手方会社の社員は、テーブルの椅子ではなく、テーブルの後ろの長椅子に着席しており、テーブルに着いていたのは相手方会社の代理人弁護士3名です。

・労働審判員は労働者側と会社側・使用者側に2名いるのですが、どちらの人が労働者側で、どちらが会社側の人かは、アナウンスされることはありませんでした。

ラウンド法廷の例(出典:裁判所ウエブサイト)

・裁判官より、まず私に相手方答弁書の内容の是非について質問されました。相手方会社の答弁書の内容について、認めるか否かということです。これに対して、「スキルアップのための研修の受講拒否」と「部下に対する厳しい発言」(あくまでも、パワハラではなく厳しい発言)については認めるが、それ以外の一切は否認することを伝えました。

・裁判官から相手方会社へ伝えられたことは、人事考課・評価の方法が理解できないということでした。相手方会社は、私がプロジェクトマネージャーになることを拒否した、○○スキルの習得を拒否したなど、「○○を拒否」したことを理由に私の評価を下げていたのですが、そのような人事考課は理解できないとのことでした。

・労働審判員のA氏とB氏の両氏からも、上記の裁判官と同様の話がありました。

🟦裁判官からの調停可能な金額の打診

第2回手続き審判期日の10日くらい前に、大阪地裁の裁判官より連絡があり、労働審判員会として、話し合いによる解決(調停)を試みる上で、「どの程度の金額であれば話し合いができると考えているのか。」について打診がありました。

私の本音としましては、申し立てした金額でしか納得できないところですが、相手方会社はそもそも1円も支払わないと言っているので、かなり低い金額を提示してくるでしょし、私にも些少ながら非があったのも事実ですから、申し立てた金額の7割くらいの金額を提示しました。

🟦第2回手続き審判期日への出席

※以下、第2回手続き審判期日へ続きます。


-以上-


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