見出し画像

一つ一つ幕が下りる

ファッション界の巨匠といってよい
2人のデザイナーが続けて他界しました

私は高校を卒業しても
まだ働きたくなかったので
デザイン系の専門学校へ行きました
レタリング科で1年間
ファッション科で2年間
合わせて3年在籍し
その時に教わった師のアトリエで
1年4ヶ月だけ働いていました
見習いの〝み〟の字にもならない経歴です

その師の実父が有名なデザイナーで…
と言っても私の母の世代で
尚且つオートクチュールの世界の話なので
今ここで名前を出しても
ご存知の方は皆無だと思います
最盛期には諸外国のお金持ちが
大型船をしつらえて
ショーを観に来日したそうです

先日亡くなった方のお一人は
その師の実父のお弟子さんだったそうです

そして亡くなったもう一人の方は師と同期で
あるコンテストの時に
〝私が1番であの人が2番だったのよ〟
という自慢話を何度もしていました

それぞれの方がそれぞれの形で活躍され
その時代を駆け抜けて行き
いろいろな人たちに影響を与えながら
生きていたんだな…と
改めてしみじみと感じました

そんな世界を覗かせてもらったのに
お洒落1つせずに…興味もほぼ無く…
ただ歳を重ねている私

そんな私が言うのもおかしいけれど
夢を持って欲しいと思う

初任給が……
学歴が……
年収が……
老後の生活費が……

それより前に
目を輝かせて話せる事ない?って聞きたい
こんな私でも
毎朝銀座の大通りを走ってアトリエへ行き
当時の平均初任給の
半額そこそこの見習い手当をもらいながら
一生懸命に服作りに関わってた
当然足りない生活費を
母はお小言1つ言わずに援助してくれた
私もそういう親になりたいと
ずっと思ってる

主人の所へ〝技術を覚えたい!〟
って言ってくる若者に出会いたい
そんな風にずっと思ってる

夢を持つ事夢をみる事は
洒落臭い事でもないしダサい事でもない
人間様の特権だと思うんだけど

名を遺してあちらへ行かれたデザイナーさん
幸せでしたか?
1着だけあなたの作品着ていました
お気に入りの1着でした

何かを感じていただけたらお願いいたします! いただいたサポートは他の方々のサポートへと繋げたいと思います。