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ジュル・ハッサンの悲劇 マカピーの日々 #1167

マカピーです。
先日13歳のジュルは割礼をしたのでした。

「割礼」というのは通常男子がペニスの包皮を切りとる事で包茎や不潔にしやすい箇所ですから病気予防のために行うものです。

包茎手術は聞いたことがあるかも知れませんが、日本では馴染みのない習慣ですよね。

え、ロビンのところにこんな子猫がいたの!

そこにマレーシアなどムスリム社会では、子供から大人になるイニシエーション的な意味合いもあるようです。

イスラエル人もムスリムも割礼をするのですが、そもそも砂漠の民の宗教ではその清潔感の中に割礼が組み込まれたのは、砂漠では水が少なく東南アジアのように日に2度も3度も水浴びする環境ではありません。

つまり不潔になりやすいために、割礼したのだろうと想像しています。
それがムスリムが世界的な広がりもあるので地域に関係なく割礼が行われるようになったのじゃないかなあなんて思ってます。(おそらく違う理由があるかも知れませんね)

かなり無防備ですね

もちろん男性だけでなく、女性も割礼をするアフリカ諸国もあるようですが、こちらは感染症を引き起こすと言われていてます。

マレーシアの習慣を知りたい方はマカピーの大好きなマレーシアの漫画家LATさんのBudak Kampung(カンポンボーイ)をお読みする事をお勧めします。
ちょっと古いですが、彼の自伝的な作品としては続くTown Boyもお勧めでどちらもほろりとさせられます。

ともかくジュルは先日来、サロン(腰巻)を肩掛けにして、患部に布が触らないようにしながら術後の回復を待っていました。

今日ロビンのところに行くと、ジュルが浮かない顔しているので医師であるハナさんが声をかけました。

ハナ:「あれ、まだそんな格好しているの?傷が治ってないの?」
ジュルが答える代わりに父親のロビンが答えました。

ロビン:「夕べ、ジュルが痛くって眠れないって泣いているんだ」
ハナ:「え、3日もすれば傷も癒えるはずなのにおかしいわね。薬は何をもらったの、見せて」

ハナ:「何よこれ!傷が出来ているのに抗生物質がないじゃない!鎮痛剤があってどうするのよ!そしてこの傷口に塗る薬は悪化させるだけよ!すぐにやめなさい。海に行って洗いなさい。その方がよっぽど薬になるわ」

しばらくして海から戻って来たジュルに対して「ほら、私に見せてごらんなさい。恥ずかしがることは無いわ、私は医者なんだから」と家の中で観察してきて両親に伝えました。

あのー、食べ物を売っているんだから・・・ちょっと遠慮しなさいよ

ハナ:「かなり腫れているわね。痛いはずよ。今日は抗生物質の薬を持ってこなかったから後で長男に取りに来させなさい。その薬を飲み毎日3回海でキレイにさせなさい。そうすれば治るわ」

ハナ:「それから、誰が手術をしたか知らないけど間違った縫い方をしているし抜糸しなければならない糸を使うってどういうことなの?また痛い思いをさせるの? それでこの術代と薬で200リンギット近くかかったの!?見てごらんなさい、ジュルは感染症になって膿まで出ているのよ」

ロビン:「ボクらは何も分からないし、言われたまま薬を飲ませ、薬を塗っていたけどそれが間違いだなんて分からなかったよ!」

ハナ:「もう過ぎた事だから仕方ないわね。後は彼の症状が良くなるのを待つしかないわ!私は自分の息子の割礼をやっているし今後は希望があれば私が薬代で割礼をやってあげるわよ。あ、そうだ手術に必要な器材をコタキナバルで買ってこなくちゃいけなかったわ!(笑)」

ほら群馬ナンバーでしょ!

こうして毎日のようにいろいろな事が発生する村でした!

マカピーでした。
最後までお読みいただき感謝します。聞くも痛そうな話!



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