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#001 身の丈にあった文章でいい

ちまたには、小説を書きたい人のためのハウツー本やノウハウ本、
ネットのあちこちにも、手順やマニュアルなど、たくさんっています。
ゼロからスタートする方は、そちらの方が勉強になると思います。
この記事は、いざ執筆しっぴつに挑戦したけれど、
途中で挫折ざせつしてしまった方にささげる[ヒント集]です。
あるいは、ハウツーやノウハウなどを読んでみて、
「自分には無理かも」と怖気おじけづいてしまった方への[お手紙]です。
ぜひ、ご活用くださいませ。


拝啓 たくさん読書経験のある方へ


読書経験が豊富な方なら、
ある程度の文章力が備わっていることを自覚されていると思います。
しかし、あとで自分の文章を読み返してみて、
「全然ダメだ、オレ(わたし)」って、へこんでしまう。
自信が過信かしんで、自負じふが愚かな勘違かんちがいだったんじゃないか? って、
つい反省してしまう。…… あります!

意気込んで小説を書き始めると、
「小説好きの読者は、難しい漢字や表現を好む」とか、
「評論好きな人にめられる文章を書きたい」とか、
そんなことを意識しすぎるあまり、
使い慣れない言葉を多用たようしてしまって、
伝えたいことがちゃんと伝わらない文章になってしまう。…… あります!

冷静に自分を評価することは大事ですが、
何度も小説に挑戦していると、あることに気づきます。

伝わる言葉=分かりやすい言葉

わたしは「中学1年生にも伝わる文章を書くこと」を意識しています。
このことを強く意識し始めてからは、
辞書を駆使くししないと読めないような文章を書かなくなりました。
所詮しょせんわたしは、三島由紀夫みたいな文章は無理なのです。
三島先生みたいな美しい文体であれば、
評論家きどりの方々からの称賛しょうさんを得られるのでしょうが、
そもそも書けません。…… 1行書くだけで、もうヘトヘトです。

読書経験が豊富な方なら、
ある程度の語彙ごい力が備わっているはずです。
その語彙ごい力の範囲のなかで、言葉を組み合わせれば、
それが「背伸びをしていない自分の言葉」になります。
自分の言葉で書かれた小説の文体は、
伝わりやすく、分かりやすい。
しかも、執筆しっぴつしている時のストレスも大幅に軽減されます。
結構、オリジナルの文体になっていたりします。

ちなみに、
わたしが初めて小説を書いたのは、小学6年生の時です。
クラスの男子が戦国時代にタイムワープしてしまい、
クラスメイトたちで助けに行くという冒険活劇でした。
通っていた小学校に提出してしまい、わたしの手許てもとには存在せず、
もう読み返すことはできないのですが、
ワクワクしながら執筆しっぴつしていた記憶があります。
自分の言葉で、しかも楽しんで書いた小説なので、
稚拙ちせつながらも、当時の「ボクらしさ満タン」の作品だったと思います。

背伸びをしていない自分の言葉で書かれた小説こそ、
あなたならではの、オナりじる作品です。
もとい、オリジナル作品です。


★小学生の時、学校の図書室で初めて借りて読んだ小説★
むく 鳩十はとじゅう 著「孤島の野犬」


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