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日記|中国語を勉強しながら、中国語の作品を観る

いま中国語を勉強しています。今年は何か新しいことを始めたいと思っていて、昨年より手をつけ始めていた中国語を本格的に勉強することにしました。といってもレベル1の自己紹介から始める初心者なので、まずは旅行で使えるくらいのレベルになることが目標です。

もともとアジア映画が好きで、中国、香港、台湾の作品はよく観ていましたが、中国語を勉強するにあたりもっと積極的に観ていこうと、今年の夏までは中国作品強化月間にしたいと思っています。
ということで最近鑑賞した作品をメモします✍️


『シスター 夏の分かれ道』

本作は昨年に劇場で鑑賞していたのですが、noteに感想を書けていなかったのでこの機会に残しておきます。

見知らぬ弟を突然預けられ人生の選択を迫られた女性の葛藤を描き、中国で大きな話題を集めたというヒューマンドラマですが、とてもとてもいい映画でした。(原題:我的姐姐 Sister)

両親が事故死し、残された年の離れた弟を育てろと親戚に命令されたアン・ラン。彼女がなぜそこまで頑なに拒否し続けるのか、物語が進むにつれて徐々に分かってくる。中国に未だ強く残っている家父長制や一人っ子政策の影響で、「娘」だったということだけで望まれない子どもとして育てられてきた幼少期。今まで自分で選択することを許されなかった彼女が、大人になってやっと自分の力で手にしようとした「未来」が突然奪われそうになる。

彼女が置かれてきた状況を理解したとき、観客であるわたしも「どんな選択をすれば正解なのか」頭を抱えてしまった。本作には主人公以外にも「自分で未来を選べなかった人」が登場します。女だったから、次男だったから、男の子だから……。主人公アン・ランをはじめ、登場人物たちの複雑な心境や環境を想うと涙が止まらなくなる。

ラストは様々な解釈があると思うけど、彼女たちの未来を支える社会(世界)にしたいと心から思う。そして本作が描くのは一人っ子政策を行なっていた中国の社会情勢だけではなく、どこの国にも当てはまる普遍的な問題を捉えていると感じました。

瑞々しさを感じる映像の切り取り方が新鮮で美しく、俳優陣の演技も素晴らしい。弟・ズーハンの存在感は凄まじく、ここに確かにズーハンがいる、と思わせる名演でした。

(C)2021 Shanghai Lian Ray Pictures Co.,Ltd. All Rights Reserved

▼▼『シスター 夏の分かれ道』に登場するごはん▼▼

中国映画らしく食事シーンは何度か登場します。
ズーハンがわがままを言って、アン・ランに買わせた牛乳と肉まん
叔母さんと食べるスイカ。アン・ランが屋上で食べる焼きそばみたいなもの。印象的だったのはアン・ランが「お母さんの肉まんは花椒が入っていた」という台詞。

いい写真!

『バッド・キッズ 隠秘之罪』

こちらは映画ではなく2020年の中国のドラマです。(原題:隐秘的角落)中国で社会現象を巻き起こした作品で、評判は知っていたのですがやっと鑑賞することができました。いや〜面白かった!脚本も演技も演出も上手すぎる。

中国の東野圭吾とも評される人気推理小説家、ズ・ジンチェン(紫金陳)の小説を映像化した本作。殺人事件を目撃してしまった3人の子どもたちと、表と裏の顔を持つ男との闇の攻防が繰り広げられるサスペンス。

ストーリーが面白いのはもちろんですが、映像も美しくスタイリッシュで映画のようなドラマでした。ドラマでは最後に続きが気になるカットを入れるのはよくあるけれど、この作品は毎回各話のオープニングで差し込むカットが秀逸すぎて素晴らしかった〜!

ひとつの殺人事件をきっかけに、次々と起こってしまうよくない出来事。登場人物の皆が、失いたくないものを持っている。本当に失いたくないものができた時、人は嘘をつき、なりふり構わず必死に守ろうとするものなんだろう。それが殺人だとしても。

▼▼『バッド・キッズ 隠秘之罪』に登場するごはん▼▼

各話で頻繁に食事シーンが登場し、「食卓を囲む」「一緒に何かを食べる」ことにきちんと意味が込められている気がします。その中でも特に印象的なのは、やはり物語後半のマクドナルドのシーンでしょうか。犯人と子どもたちの複雑な心境の揺れが切なく、見事でした。

中国の日常で食べられるような食事が登場するので観ていて楽しかったです。他に登場したごはんは、シュウマイや油条、肉まん、ワンタン、糖水、牛肉ビーフン、梨、などなど。

第4話では、朱朝陽の誕生日にお母さんが「長寿麺、食べる?」という台詞がありました。中国ではケーキの他に誕生日に麺を食べるという習慣があるそうです。初めて知れてよかった。

忘れられない夏休み


『罪の後』

本作は中国ではなくNetflix台湾の作品です。
脱獄した元有名スポーツ選手の人質となったニュースキャスターが、この事態を利用して再び名声を得るべく、問題となった事件の調査を始めるが、その裏には想像をこえる真相が隠されていた…。というミステリー。

原題「罪後真相」はすごくいいタイトルだなと思う。日々の生活で私たちが見ているもの……一体何を信じる?を問われた気がします。突っ込みどころはあるものの、テンポよく進んでいく物語はとても楽しめました。

主演はNetflixの台湾ドラマ『次の被害者』という作品もとても面白かったジョセフ・チャン。娘役には『アメリカン・ガール』(のちに『アメリカから来た少女』というタイトルで劇場公開された映画)の瑞々しい演技が印象的だったケイトリン・ファン。この親子の掛け合いが本作の楽しい部分でした。

▼▼『罪の後』に登場するごはん▼▼

野菜粥(50元)/ハンバーガー/球場横で食べるアイス

野菜粥は涙を誘うような、良いごはん描写でした。わたしが台湾に行った際はレトロな屋台しか見なかったのですが、映画の中ではおしゃれな雰囲気の屋台(フードトラック)でした。

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