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■ゲイジャーナリストの「主張」

マスコミってナニ?(9)
ニュースの存在を考える 「マスコミへの道」改

新聞はみな同じではない…とのキャッチフレーズを掲げ、朝日、毎日、東京(中日新聞東京本社発行)など左寄りの新聞を攻撃していたのがかつての産経新聞だ。そのキャッチフレーズは最近は使わないが、報道姿勢は変わらず、今の産経新聞は右寄り媒体のこれ代表とみなされている。
昔(かなり)は、「新聞はどれ読んでも同じ」「読むところがない。広告ばっかり」と漏らす人も多かった。新聞を取る、買うことが当たり前だった時代。テレビのニュース・報道番組の時間は短く、もちろんインターネットなど想像もつかなかった時代。
今は、どの新聞も部数がピーク時の半分近くにまで減っている…。
時代は変わり、新聞は「同じではないこと」をアピールせざるを得なくなっている。
そのあたりの論考は、2年以上前の古い記事だが、池上彰「今さら聞けない新聞の読み方 新聞ごとの論調にどのような違いがあるのか」を読んでもらうほうが早いだろう。
とはいえ、右代表の産経から左代表の朝日まで100万部単位で日々発行される新聞の基本は、やはり大差はないかもしれないと僕は思ってきた。

そんな中で、やはり異彩を放つのは、東京新聞だと思う。きょう1月7日のコラムを読んでいたら、

「容疑者の女性を『女』とぞんざいに呼び、被害者を『女性』と呼び分けるのはおかしい」と主張する記事があった。

東京新聞のこのコラムは一応見出しだけでも毎日チェックしているが、東京新聞カラーをさらに濃くする筆致の記事が多い。だから中身は読まなくてもだいたい想像できるのだが、きょうの記事はちょっとどうかなー、と思った。
筆者の北丸雄二なるフリー記者は初耳だったが、Wikipediaで調べると、元毎日で中日新聞の特派員に転じ、その後フリーになった「ゲイ」であることをカミングアウトしている人なのだという。
まさに、人権派のど真ん中の人なのだろう。
僕なぞは、新聞ではまずありえないが、逮捕されている人間を、「男」「女」と書かないネットニュースを読むと気持ち悪く感じるほうだ。
よく海外のきわどい防犯カメラからの動画(強盗やら事故を起こして逃げる連中とか)などで、悪いことを明らかにしているのに、「覆面をかぶった男性は○〇を盗んで逃げ去りました…」とかナレーションをかぶせると、すごくおかしいと思う。

悪いことをした連中に、丁寧な言葉遣いはいらないだろ?

単純、素直にそう感じるんだけれど。
東京新聞の体制批判や反原発の論調に共感を覚えることもあるが、この行き過ぎた人権重視には、「なんだかねー」と感じた次第。


2021年2月19日の「■われわれはマス「ゴミ」ではない!」60本にわたって書き綴った、マスコミ界歴35年の筆者が、改めてマスコミ(新聞、出版、放送)界と社会、世界について書き綴る。マスコミ志望者必読。

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