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言えば伝わるとお思い? 伝えるのに必要な価値ある行動とは?

こんなに説明しているのに、なんで理解してくれないんだ?」って思ったことがありますよね?

人に伝えるとは、自分が知っている情報を言葉にして、口から発声すことではありません。

人に伝えるとは、相手が知らないことを、相手の頭の中にある情報だけで、相手が組み上げることです。

それをサポートをすることが、”伝える”ということです。

始めに

プレゼンテーションとか、学会発表とか、教育はもちろんのこと、noteやブログに記事を書いたり、Twitterでつぶやいたり、人に道を説明すること。これらすべて伝えるということです。

しかし上手く伝わらないことがよくあります。
なぜだと思いますか?

自分の説明が下手だった?
文章をすっ飛ばした?
専門用語のオンパレードだった?

あなたは、人に伝えるとは、自分が知っている情報を、自分の口から発すること、文章に書き起こすことだと思っていませんか?

実は違うのです。

あなたがすることは、相手が持っている情報だけを使って、自分が思い描いていることを、相手の頭の中に再構築(イメージさせる)することなのです。

伝えてもらう立場で考えてみよう

例を紹介しましょう。
ある日、あなたが道に迷って、駅へはどう行けばいいか通行人に聞いたとします。

通行人はあなたに微笑んでこう言いました。(^^)

相手
「Dumiretso ka at kumanan sa bahay ni G. Sato.」

優しいですね。
そんなとこに駅があったんですね~

え?わからない?
なんでですか?

あぁ、タガログ語をご存知ない。
じゃぁ厳しいですね。

そういうことなのです。
あなたの頭には、タガログ語の情報が無いので、相手の言っている事が、さっぱり伝わらないのです。

でも、発言してますよね?
しかし伝わらない。

日本語じゃないからだろって?
たとえ日本語で話していても同じですよ。

相手
「まっすぐ行って、佐藤さんの家を右に曲がってください。」

あー、佐藤さんの家ね~
ところで、佐藤さんの家ってどこよ?

あなたの頭の中に佐藤さん家の情報が無いのです。

相手「佐藤さんって言ったら、背が高くて、60歳ぐらいの男性に決まってるじゃないですか!」

あなた「知るかっ!w」

相手は一生懸命に自分の知っている情報を伝えているにも関わらず、あなたには伝わらないのです。

日本語はわかるが、あなたの知っている人の中に、その佐藤さんがいない限り、駅へは辿り着けそうにありませんね。

まぁ、佐藤さんを知っていても、家の場所まで知っているかはかなり疑問ですが。

どうすればよかったのか?

そう、相手は、あなたの知っている情報だけで、駅への道を伝えなければならなかったのです。

相手「この道を100メートルほど進むと大きな交差点があります。そこを右に曲がって、道なりにまっすぐ行けば駅につきますよ。」

今度はわかりますよね。
日本語で、交差点や100メートルという、あなたの知っている情報だけで伝えてくれましたからね。

最初のタガログ語も、佐藤さんの家も、道を教えてくれた人にとっては常識なのです。当たり前のことなのです。

でも、あなたにとっては常識ではない。

逆の立場ならどうでしょう?
あなたは、あなたの知っている情報で相手に伝えていませんか?

それでは伝わりません。
タガログ語や佐藤さんの家の話と同じです。

相手の知っている情報だけを使って情報を伝えないと伝わらないのです。

そもそも、言葉は必要なのか?

ところで、チャップリンの無声映画、見たことありますか?

なぜ私達はこれを理解できるのでしょうか?

ヒマリちゃんの動画は見たことありますか?

言葉はなくても理解できるのです。

床屋に行ったことがない人、屋台のラーメン屋を知らな人には伝わりにくいでしょうね。でも、言葉で説明するより伝わるでしょう。
つまり、伝えるとは、イメージを相手の頭の中に投影することなんです

動画をすんなり理解できたなら、あなたの頭の中には、この動画と結びつく情報をすでに持っていたのです。

結論

誰かに何かを伝えたいと思ったら、まず最初にすることは、相手を特定し、相手の情報量や情報レベルを確認することです。
その情報を使って、相手の頭の中に、自分と同じ形の情報を作成する。

つまり、相手の頭の中の情報が何かを確認すること。
そして、イメージさせるための手段を取ること。

これが伝えるために必要な価値ある行動です。

伝えるのに重要なのは、上から順に
1)体験させること
2)絵や図で見せること
3)言葉(口)で伝えること
4)文章で伝えること

相手の頭の中にイメージできれば、どんな方法でもいいのです。
イメージさせることが目的なら、言葉の価値は実は低くなるのです。

例えば、青色を思い浮かべてください。
思い浮かべましたか?

先生「信号が青になったらわたりましょう!」
生徒「先生!青なんてありません!あるのは、赤、黄色、です!」

ほら、伝わらなかったw

青野菜、青物、青葉、これ緑です。
青信号も色としては緑です。

言葉だけでは、相手がイメージするものが異なるケースがあるのです。
だから、伝えるには、相手に経験させる。見せる。
これが言葉より上位に来るのですよ!

…というのを、一番誤解を生む文章で伝えているあたり、伝える側に大きな価値があるんでしょうね。(^^;

<余談>
私は集合教育をするのが嫌いです。
だって、30人の受講者の頭の中の情報を確認する必要があるからです。
確認しても30人30色で、この30人に対して、個々に伝える情報のレベルを変えるなんて技量を持ち合わせておりませんw

一番低いレベルに合わせればいい?
それじゃ、レベルの高い人にとっては無駄な時間になりますよね?
個別でマンツーマンでの指導が一番楽です。(^^)

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