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病院とカウンセリングはどうやら違うと初めて知った〜食べても太らないカラダがほしい10〜

前回はこちら 摂食障害時の日常生活〜食べても太らないカラダがほしい9〜

摂食障害に悩み「治したい」という気持ちが強くなった。このままじゃいけない。ちゃんと病院に相談しよう。そう思ったのは大学4年の秋のことだった。

過食嘔吐症のことは家族にも、友達にも、彼氏にも言えなかった。悩んでいたけれど、どこかで治さなくちゃいけない。大学を卒業したら社会人になるわけだし、今のままではダメだと思った。

思えば、病院で相談してみようと思ったのは中学生のときに拒食症になって以来だ。もっとも、中学生のころは母親に連れられてしぶしぶ一緒に行ったのだけれど。

どの病院に行けばいいのか、あまり分からなかった。ひとり暮らしをしていた町の、家からすこし離れた場所に心療内科があることは知っていたので、そこに電話をかけてみた。予約してください、とのことだったので、一番近い日にちに予約を入れた。大学生だったし、バイトもしていなかったので時間の融通だけはきいて、数日後にいけることになった。

ただ、想像していたような言葉を、心療内科の先生は言ってくれなかった。

「あなた程度の症状だと、うちの病院だと診察してないね。いまは症状落ち着いてるんでしょ?」と、言われたのだ。かなりショックだったので、はっきりと覚えている。「数駅先の大きな病院に摂食障害などの治療を行っている病院が有るけど、そこは命に関わるような人が対象で、入院施設もある。あなた程度の症状は、病院で治療するというよりはカウンセリングを受けなさい」

たいした症状じゃない、といわれたのも私にとっては辛かった。病院に来ることすら悩んでいたのに。心療内科の扉を開けているところを、大学の知り合いに見られたらどうしようとか、健康保健証を使うことになるから、親にもばれるとか。いろいろ悩んだすえに、ここに来たのに。悔しくなった。

ただ、その病院の対応とほとんど同じような対応を、他の心療内科でも受けた。摂食障害とは別に、社会人になったとき、わたしはうつ病になった。その時、いくつかの心療内科や精神科を転々としたのだけれど、「うつの治療は投薬治療しますけど、摂食障害はカウンセリングうけてください」と案内されることが多かった。大学時に訪れた心療内科を含め、5件の病院に行って相談されたけれど、3件は「カウンセリング」をすすめられた。1件は「まず、うつ病を落ち着けましょう」という診断。1件は外部のカウンセラーを呼んで対応してくれた。(下記に書いています)

カウンセリングは保険適用がきかないため費用がけっこうかかる。大阪の実家でうつ病治療の病院を探していた時、京都大学 大学院が関連しているカウンセリングだと、カウンセラーの卵みたいな子達が対応して一時間だか30分だかで5000円くらいです。お手頃価格ですよ、と医師に案内されたこともあった。お手頃と言われても、なんだか腑に落ちなかったので、結構ですといって、断ったのを覚えている。

心療内科や精神科でもカウンセラーを呼んでカウンセリングをしてくれたところもあった。わたしがうつ病診療時に通った心療内科では、摂食障害の治療のためとして、一度だけ提携している外部のカウンセラーを呼んでくれた。そのカウンセリング方法が効果的だったとは思えないけれど、意味の有るものだったのだろう。

カウンセリングは医療とは違い、保険適用外となる。そのぶん費用も高い。確かに、「痩せたい」という理由から過激なダイエットを行うなど、心理的な悩みを根本的に解決しないと、摂食障害は治らないのかもしれない。けれど、当時のわたしは、大学生だったり、仕事を辞めてうつ病と同時に摂食障害の治療を望んでいたので、自由に使えるお金もなかった。

カウンセリングにはお金がたくさんかかるから、通うのは難しかった。健康には替えられないとも考えられたけれど、はっきりと効果が出るものかも分からないものにお金を払う余裕がなかった。

正直言うと、いまなぜ摂食障害の症状がぴたりと落ち着いたのかは、わたし自身分からないままだ。カウンセリングと同じような効果があると考えられる、いくつかの物事のおかげなのかもしれない。また、家族に相談できるようになったことも、落ち着いている理由かもしれない。相変わらずダイエットには興味があるけれど、食事だけでなく、いまは筋トレや運動に興味がわいている。

摂食障害の症状は、年を重ねると少しづつ落ち着いてくると聞いたこともある。痩せたいという強い願望が加齢とともに落ち着いてくるからだという。だけど、過食嘔吐症になっているときは、その行為自体にストレス発散の効果があり依存してしまう。けれど、結局は「またやってしまった」という罪悪感でストレスがたまるという悪循環でもあった。

いま現在の暮らしに「ストレスがない」とは思えない。けれど、何かしらの方法でストレスを発散できているのだろう。こうしてnoteにいろいろと書き綴れることも、ストレス発散になっているのかもしれない。書けなくてストレスがたまることも、もちろん有るのだけれど……。

この先、二度と摂食障害にならない、とは言い切れない。とは言え、自分自身でうまく調節していくしかないのだろう。正解がない、治療方法がひとつじゃない症状なので「こうした方がいいですよ」なんて、アドバイスも簡単にはできない。けれど、いくつか「これはダメだったな。これは良かったかも」と思いあたる節もいくつかはある。最後にすこし、それに触れてみたいと思う。



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