拙著『民衆 対 陸軍』の12~13章は次のような内容です。
11章までの経緯で「社会主義」が消え、「議会主義」「軍国主義」が残された。1929年に浜口雄幸内閣が発足し、「議会主義」は「黄金時代」を迎える。しかし、同内閣は金解禁でつまずき、ロンドン海軍軍縮条約の締結により保守派の不興を買う。浜口はテロリストに銃撃されて命を落とし、大陸では関東軍による満州事変が勃発する。
五・一五事件により犬養毅首相が射殺され、政党政治に終止符が打たれる。その一方、事変の真相を知らない国民は満州における陸軍の快進撃を熱狂的に称賛し、満州開発による景気浮揚