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保育所と幼稚園、勤める側の違い

結論から言うと、最も大きな違いは職員が多いか少ないかです。

なんだそれだけか、と思うかもしれませんがこれが本当に大きな違いです。

ですが、この大きな違い、実際に両方で勤めて初めて

”なんて大きな違いなんだろう!”

と実感を持てることだと断言できます。


実際、この仕事をしていると現役大学生、専門学生が実習生としてやってきます。

誰しもが保育者になりたい、と考えている人ばかりです。ですが

「幼稚園、保育所(こども園)のどちらで勤めたいか?」

という質問に職場環境を意識して選ぶ学生さんは皆無です。

よく聞かれるのは、

”乳児が好きだから、保育所がいい””教職公務員がいいから、幼稚園がいい”

といったあたりでしょうか。ですがそれ以上に

”幼稚園でも、保育所でもどちらでもいいが、公立がいい”

という方が大半です。

いえ、それでいいとは思うんです。圧倒的に給与のいい公立を目指すのはよくあることとして、それぞれの職場環境はその仕事を夢見る上ではオマケ的要素といえますから。

実際には公立と私立とで保育内容に大きく違いはあるので、まったくオマケ要素ではないのですが、それは学生時代にはそこまで深く知りえないことだと思います。

ただ、話を戻すと、職員の多い少ないは非常に大きな問題です。

どんなことに関わるかというと

①合わない人がいた場合の潰れやすさが異なる。

②病気、家事都合などでの休みやすさが異なる。

③自分の保育観の広がりが異なる。

とてもシンプルにまとめるとこの3つでしょうか。


まずは①についてです。

公立で園児が少数の幼稚園の場合、究極、職場が

【園長・5歳担任・4歳担任・特別支援加配職員】

の4名のことがあります。ここに養護教諭がいたりいなかったりしますが、いずれにせよ非常に狭い世界であることがお分かりいただけるかと思います。

それに対して公立の保育所の場合、アルバイト職員、朝夕パートなども含めると少なくとも20人程度はいます。

今の私の園は調理師さんなども含めると50名以上です。

旅行先などでお土産を買う費用がかさみます(笑)

話を戻して、例えば職場に一人、どうしても馬の合わない人がいた場合、どちらの方がつらいでしょうか。

考えるまでもありませんが、幼稚園ですよね。そういうことです。

ただ、私の同期はその少数の幼稚園で天国のような人間関係で楽しく数年だけ働いた、幸せな人もいます(笑)


次は②についてです。

実際に働くとなると、これも非常に大きい事柄です。

私事ですが、先週体調を崩しました。それでも仕事をする気で出勤したのですが、

「顔色悪いよ。今日、職員の休み少ないから、休みなよ。」

と上司に言ってもらい、急遽二日間お休みをもらえました。

これ、幼稚園では限りなくNGです(私の勤めていた幼稚園では、NGでした)。

だって、園長か、フォローを要請する先の数名の職員(退職した園長先生などがスタンバイしています)しか補える人がいないのですから。

少なくとも、気持ちよく休みをもらえる幼稚園は間違いなく希少です。

休ませてもらえるとしても

「困るけど、仕方ないもんね(ぷんぷん!)」

的な対応が基本だと思ってください(笑)

これは自分の体調不良なら本当にすみませんの一言かもしれませんが、子育て世代の方は、子どもの発熱などで休まざるを得ないとしても同様です。

これがキツイ。愛する我が子のために休むのが、休みづらいのですから。


最後に③についてです。

これは、巡り合わせの運命もあると思いますが、自分が尊敬できる保育者と出会える確率はどちらの方が高いか、と言い換えられます。

単純に、出会える保育者の総数で考えれば間違いなく人数が多い方ですよね。

もちろん尊敬できるうんぬんのみならず、

”あ~、Aと考えて保育する人もいれば、Bのパターンもあるのか!”

と、日々の保育の中で多様性に触れられることもメリットの一つです。

「いやいや、幼稚園は”教育”、保育所(こども園)は”養護”だから、幼稚園教諭の方が教育する力の水準が比べ物にならないくらい高いのよ!」なんていう時代錯誤な考えをしない前提です。

ただ、幼稚園で多く見られる、

「みんなで今日は、昨日の遠足の絵を描きましょう!」

「母の日のプレゼント、お母さんが喜びそうなものをこっそり作りましょう!」

のような一斉型保育を経験したことも、結果的に私は良かったと思っています。

幼稚園から勤めた私は、なんなら保育とはそういうものだと考えてすらいましたから。

幼稚園批判をしているつもりはなく、過去の実例の話に基づきます。保育所でも同様の保育をする場面は多く見られますし、幼稚園、保育所に関わらず、今では保育の形が大きく変化してきています。というより、変化するよう様々な研修が行われています。


さて、話があれこれ飛躍しましたが、勤める職員の多少は本当に大きな要素だと感じていただければ幸いです。

就職、転職を考えている方は、ぜひ給与だけではない”働きやすさ”も考えてみてくださいね!



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