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生活保護を利用して毒親から離れる方法

※この記事は体験談をもとに作成しておりますが、身バレ防止のため事実とは異なるエピソードをおり混ぜております。

生活保護で人生を変えよう

「親との仲がすごく悪い」

「地元を出たいのに親が許さない」

「お金がなくて子ども部屋を抜け出せない」


こういう悩みを抱えている人は一定数いるだろう。


人の能力や幸福度は、自分の置かれている環境に大きく左右される。

しかし楽しい人生を送るために環境を変えようとしても、自分1人の努力ではどうにもならないことが多い。

まずは自分でなんとかするのは大事だ。しかしそれでも一切改善できなかった場合は、様々な福祉制度に頼ったほうがいいだろう。

福祉制度のなかで有名なものといったら「生活保護」だが、普通に生きていたら生活保護について知る機会は少ない。

かくいう僕も昔から貧乏暮らしをしていたが、生活保護に関する情報はほとんど耳に入ってこなかった。

おそらく大多数が「なんか働かなくてもお金が入る制度」くらいの認識でしかないと思う。


どんな条件で受けることができるの?

どんな支援をもらえるの?

どんな待遇を受けられるの?


そういった詳細を語る人も少ない。

僕は福祉制度について詳しく調べたわけではない。もちろんそういった職業にも就いていない。

だが今回様々な事情で生活保護を受給したので、その時の経験を書き記そうと思う。



なぜ僕は生活保護を受給したのか?


僕は貧乏生まれの貧乏育ちだった。

悪そうなやつとは友達にならなかったが、家庭環境は最悪の一言に尽きる。

いつも家庭内のトラブルが絶えない家庭だった。

母親はヒステリックで刃物を振り回すこともあったし、長男は僕に殴る蹴るなどの暴行を加えてきた。

もちろん僕もそんな家庭から逃げ出したかったが、環境がそれを許してくれなかった。

貧乏なので引っ越すお金はもちろんない。バイトしてお金を稼ごうにも人間関係でつまづいて上手く働けなかった。

山奥の集落みたいな場所に住んでいたため選択肢も圧倒的に少ないという状況だったのだ。


そんな僕を見かねて地元の人たちが仕事を紹介してくれたが、車の運転免許がないので話が流れたこともあった。

まさしく八方塞がりといった状況で、我ながら「そりゃ生活保護に頼るよね。っていうかなんでもっと早く相談しなかったの?」と思っている。


まとめると「住んでいる環境がひどすぎて何もできなかったから、引っ越しをするために生活保護を受給した」というわけだ。


生活保護を受けるには?


結論からいうと、お金がない人なら誰でも生活保護は受けられる。

宝石、株、土地などの換金できる資産があれば話は別だが、そもそも生活保護を受けようと思っている人はそんなものを持ち合わせていないだろう。

ただ「実家から逃げたい」という人は、ひとつだけ注意しなくてはいけないポイントがある。


それは「家族が養ってくれる場合は、生活保護を受給できない」という点だ。


生活保護を申請するとまず最初に「この人は生活保護を受けるべき人なのか?」という審査が始まる。

その際に家族がいる人は、家族に連絡を入れられてしまうのだ。

「お前んとこの息子さんが生活保護を受けたがってるんだけど、実家で養うことができないの?」という確認をとる必要があるからだ。

なので実家がある場合は、あらかじめ家族全員と話し合っておく必要がある。

あまりないとは思うが……両親が生活保護を許しても、祖父母や兄弟が許さない可能性もあることは頭に入れておいたほうがいい。その場合でもアウトになるからだ。


ただし僕のように家庭環境がひどすぎる場合は、家族に連絡がいかない場合もある。

僕は家庭内暴力を受けていたため身体に傷があった。そのことを福祉事務所の職員さんに伝えることで「家族への連絡」というステップを回避できたのだ。

家庭内暴力の証拠として病院から診断書を発行してもらっていたのだが、僕の場合は診断書をとる必要はなかったようだ。


まとめると「お金がなかったら誰でも生活保護を受けられるよ!でも家族が認めなかったらアウトだから対策をしようね!」ということだけ覚えておこう。


どんな支援をしてもらえるのか?


生活保護といっても様々な支援があるのだが、メインとなるのは「現金支給、医療費無料、住居の確保」になるだろう。


現金支給は場所によるのだが、東京都だと大体8万円くらい。障害者などの条件があればもう少し多くもらえる。

医療費無料に関しては保険適応される範囲の話となる。

住居の確保については家賃補助が代表的だが、これまた場所によって金額が違う。東京都だと大体5万円くらいまでは家賃を払わなくて良くなる。


更に引っ越しする際は、どうしても引っ越ししなくてはいけない理由があれば転居費用も一部負担してくれる。

つまり「実家から逃げ出したい」という願望も叶えられるのだが……僕の場合はなぜか転居費用の負担が許されなかった。

自治体によって判断が違うのだろうが、正直いうと「当時の担当者とすごく仲が悪かったからでは?」と思っている。


もしくは僕が県外への転居にこだわっていたからかもしれない。県内だったらすんなり転居できたのかもしれない。


どんな待遇を受けるの?


まず1番嫌な部分から話そう。

生活保護は貧困層にとって素晴らしい制度なのだが、ひとつだけ覚悟してほしいことがある。

それは「子供扱いしてくる人がいるよ」ということだ。

一般的にも生活保護は「まともに働く知能もないバカが頼る制度」というイメージが強いし、実際そういう人が多い。

病院や福祉事務所など、各種福祉サービスを受ける時も子供扱いされてしまう。

ただ子供扱いされたからといって「見下されている!」と怒ってはいけない。

彼らも社会福祉・医療従事者としてたくさんの経験の積んだ結果、そのような対応をとっているだけなのだ。

つまり「生活保護受給者は、子供扱いしたほうが効率的だ」と判断するくらいの民度だということになる。

しかし子供扱いを受け入れてすぎてしまうと、本当に子供向けのサポートしか受けられない可能性も出てくる。大事な場面では、子供扱いを拒否することも必要があるだろう。


次に良い部分について。

生活保護を受けると就労支援や生活改善のサポートを受けやすくなる。

職業訓練や資格などの紹介をしてもらえるし、精神・身体障害者であればそのことも考慮した上で色んなアドバイスをもらえるらしい。

「子供扱いされる」とか書いたが、それでもやはり底辺への理解度が高い。しっかりと自分の置かれた境遇を語れば、それに応じて支援してくれるだろう。


なので就労支援などのサポートを受けたい場合は、できるだけ細かく自己紹介をしたほうが良いだろう。

自分が生まれてから現在にいたるまでのエピソード……たとえば家庭環境とか学校生活、職歴や友人関係等々……。別に用意しなくても担当者が色々と質問してくれるだろうが、「これは話したほうが良いかな?」と思い当たるものについては事前に話す準備をしたほうが良い。

僕も一応自己紹介の資料を作ってはいたのだが、「大卒です」と言ったら一気に対応が変わったケースもあるので、肩書きなどは上手く使っていこう。


僕も生活保護を受けてまだ日が浅いため、具体的な支援内容を詳しく書くことはできない。

またなにか面白い話ができたら、新しく記事を書こうと思う。


他に話したいこと【Q&A形式】


書きそびれたが重要そうな話をQ&A形式にてまとめる。

例によってあくまで自分の体験や、聞きかじった情報であるため各自で調べ直してほしい。


Q.生活保護の申請をしようとすると追い払われるって聞いたけど……

A.知らんけど最近はそういうことはないんじゃない?

俺の場合は福祉事務所に生活の相談をしたら、向こうから生活保護を提案してくれたよ。

20年くらい前に「生活保護を受給できなかった人が死亡しました」みたいなニュースがよく報道されてたらしいから、その経緯もあって今では追い払うようなことはしてないんじゃないかな?

でも「君まだ若いし働かない?生活保護のお金って少ないでしょ?」みたいなことを言われるね。生活保護のハードルが低くなった代わり、復職支援に力を入れてるんだと思うよ。


Q.生活保護受給にあたって、資産価値のあるものを持ってる場合はどうすればいいの?

A.先に全部売り払えって言われるよ。車なんかもそう。担当が案内するよ。


Q.生活保護受給者でも働いてお金を稼いでもいいの?

A.働いてもいいんだけど報告の義務があるし、稼いだだけ生活保護のお金は減るよ。ちょっと萎えるよね。


Q.生活保護受給中に多額のお金を手にしたらどうすればいいの?

A.あまりにも額が多い場合は、生活保護が打ち切られるよ。でも全部使えばまた生活保護を受給できるよ。

よくあるケースとしてはギャンブルで1発当てたパターンとか、両親が死んで実家の土地売却とかそういうのでお金が入ってくることがあるよ。

多額のお金が入った場合は、まずは福祉事務所に報告して生活保護を打ち切ろう。

その後は……、


  • 入ったお金でなんとか社会的自立を目指す。

  • 資産価値はないけど便利なもの(パソコンとか)を買って手元の現金を消費してから、また生活保護を受給する。


このどちらかがオススメだよ。

お金を手に入れたことを隠したらめっちゃ怒られるし罰則もあるから注意してね。


Q.外国人は生活保護を受給できないって本当?

A.9割嘘だよ。正しくは「生活保護」という名前の制度は受けられないんだけど、それとほぼ同じ制度を受けることになるよ。でもどちらにせよ「生活保護」って呼ばれてるよ。

でも日本人は住所がなくても生活保護を受給できるんだけど、外国人は住所がないと生活保護を受給できないから、先にどこかに住民登録する必要があるよ。つまりホームレスやネカフェ暮らしじゃダメだってことだね。

後は外国人の場合だと住んでる地域の周辺でしか生活保護を受けられないらしいよ。だから先に住みたい街を決めて、そこに移住してから生活保護を受けたほうが何かと楽だとは思う。


Q.生活保護受給者が住むならどこがいい?

A.できるだけ都会。可能なら東京都の23区内。なぜなら生活保護だと車を持てないから。


Q.都会と田舎では生活保護受給者への対応は変わる?

A.どこも同じだよ。人によるとしか言いようがないよ。


【まとめ】生活保護受給者になった気分について


今回の件はあくまで「毒親から離れるために生活保護を利用するのアリだよ」ということを伝えたかった。

けっして「生活保護で楽をしようぜ!」という話ではないことは念頭においてもらいたい。


僕は実際に生活保護を利用して、毒親から離れることができた。

生活保護は思ったいたよりも色んな制約やデメリットがある。生活保護には生活保護なりの苦悩というのがあるんだなーと痛感している日々を過ごしているのだが、それを差し引いても「毒親と絶縁できてうれっしいいいいいいいいい!!!」という気持ちが圧倒的に大きい。

もう母親に刃物を向けられてイライラするような生活を過ごさなくていいのだ。そんな地獄に比べたら何兆倍も楽しい生活を送らせてもらっている。


教育学者の安藤寿康先生が書かれた「生まれが9割の世界をどう生きるか」という書籍では、学業成績を測るために作られた「CHAOS」という尺度について語られている。

CHAOSとは主に「家の中がどれだけ静かで落ち着けるのか?」という部分に焦点を当てて、そこから「子供がどれだけ学業に専念できるのか?」を推定するのだという。

要は家庭内のトラブルが多ければ多いほど、子供は勉強ができないという話なのだ。


僕の場合なんかは毒親に脳のリソースを割かれすぎて、実家から逃げ出す計画もろくに建てられなかった。きっと世の中にはそういう人が多いのだろう。

だからそんな八方塞がりな状況になっている人こそ、色んな人に相談したり、色んな制度に頼る必要があるのではないだろうか?


この記事で少しでも救われる人がいたら幸いだ。

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