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読書感想『ブギーポップは笑わない』※ネタバレ注意

今週読んだ本は著作上遠野浩平の『ブギーポップは笑わない』でした。
この本はバイト先の夜勤の方が自分が西尾維新ファンだということで貸してくださった本であり、多くの小説家が影響を受けた作品シリーズであることは知っていたのですが触れてこなかった作品でした。

今作を読んでの最初の感想は「これこそライトノベルだ…」でした。
なぜこのような感想が出たのかというと、まずはやはり作品の雰囲気でしょうか。普通のミステリーやSFでは醸し出せない捻くれた歪みのようなものを感じ取れてこそライトノベルだと個人的には思います。

この作品を読んでいる際、常に心にあったのは「夢を読んでいるようだ。」という感覚で、あとがきを読んだことによりこの感覚が強くなったと感じます。
登場人物の視点から見た世界しか描写されず、登場人物ごとに知っていること知らないことがはっきりしている。そして読者のみその時系列までばらばらの各々の記憶をまとめてストーリーにすることで何が起こっているのかを把握できるという構成で、点々と浮き上がってくる記憶を繋げていく作業はとても楽しく、不気味で、不思議でまさに夢を読んでいる心地でした。

西尾維新の小説だと『物語シリーズ』なんかは特に主人公の見えてる世界でしか描写しない小説であり、登場人物が少ないのは彼がその人以外を意識の外に置いているからだと思っているのですが、まさにその原点でありオリジナルを読めて感慨深いです。(これより古い作品があったら教えてください)

現代からだと初代マリオはありきたりに見えることと同じように、現代だと当時の人が感じた衝撃は感じることができませんが、その一部は感じ取れて様な気がします。

というわけで今週読んだのは『ブギーポップは笑わない』でした。
来週は次の巻であるリターンズを読みたいと思います。


それでは最後まで読んでくださった方いらっしゃればありがとうございました。
著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki

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