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再・読書感想『クビキリサイクル』※ネタバレ注意

今週読み終えた本は著作西尾維新の戯言シリーズ第一巻、西尾維新のデビュー作である『クビキリサイクル』でした。
先週話した通り、人に貸す前に改めて読んでみようと思ってもう何年振りですかね。アニメが間に挟まっているとはいえ、4、5年ぶりくらいにこのシリーズを手に取りました。

前回読んだときはまだまだ高校生でした。やはり人間というのは緩やかに歪んでいくものだなとこういう振り返りをするたびに思います。
僕は中学生のころに物語を読み、「あれが高校生か」と思っており()、高校生で戯言を読んだときに「あれが大学生(いーちゃん学校行ってなくない?)か」と思っていたのですが、やっぱり自分が似たような年になると見え方が変わるものですね。
自身の青春の振り返りという意味でも、改めて読み返すというのは再発見が多く楽しい体験でした。


鴉の濡れ場に招待された玖渚友についていく形で天才たちの集まる中に入ってしまった主人公、そこで巻き起こる連続首切り殺人事件の真相とは…というお話。

前述のとおり、すでに最低でも本編一回アニメ一回見ているのでストーリーについては覚えていました。展開を知ってて読むとそこらじゅうに散りばめられた伏線というかヒントみたいなものに気づくことができて面白いですね。

何度読んでも首を切って肩のところが平らになった死体を足場にするという発想が衝撃的過ぎますよね。これが22歳の考えた小説なんですか。そうですか。
やはり西尾維新は零崎なんじゃないでしょうか。どう生きていたら首を切って平らになった死体の死後硬直を利用して足場にしよう!となるのでしょうか。しかもたった22年しか生きていないのに。

そしてデビュー時から今まで全く変わっていない一人称語りの上手さ、内容を覚えているのに自分の思考までもがいーちゃんと同じになっていくような、 自分までいーちゃんと一緒になって混乱しているような気がしてしまいます。

そしてこれもまた西尾維新らしさだと思いますが、登場人物の個性というかキャラクター性の良さも改めていいですよね。
友はあいかわらず可愛い。僕は赤音さんが好きなんですが、この場合はかなみさんになってしまうんですかね…

真姫さんとかも全然憎めないキャラになってるし、哀川さんは語る必要もないでしょう。アニメ版で甲斐田裕子さんが声をやっていて最高だった。

まぁ今さらたくさん語ることもないのでそろそろ終わりにしておきましょうか。やっぱり戯言はいいですね。
今クビシメを読んでいますが、これは本当に5年ぶりくらいなのでもうちょい書きたいこと、思うことがあります。本当に傑作だよこの作品。

僕はもう知っている作品でしたが、貸す友達はもちろん初見です。
どういう反応になるのか。楽しみですね。


次の感想ですが、クビシメになるかゴジラコングの映画感想になるかどっちか。そういえばARIAの映画も見たんですが、これは改めて感想を書く気は特にないです。ただ、めちゃくちゃ良かった。

ゲーム感想の方はウイポなんか出してもあれだし…という感じで次はエルデのDLCになりそうですかねぇ。ステラーブレードはいったんスルーです。

それではこの辺で。一応読んでいてよかった文を最後にまとめて終わりにしましょう。


それでは最後まで読んでくださった方いらっしゃればありがとうございました。
著者Twitter:まがしき @esportsmagasiki


覚えておきたいフレーズ集

才能が一つ多い方が、才能が一つ少ないよりも危険である

ニーチェ    

苦労をしたことは一度もない。ただ、努力はしたがね。

p61

これ本当に好きな言葉。まぁ赤音さんの言葉なのかかなみさんの言葉なのかわからないけれど…


能力に秀でた人間には二種類ある。選ばれた人間と、自ら選んだ人間。価値のある人間と、価値を作り出す人間とだ。

p112


可能性が一つしかなかったら、それがどんなにありえそうにないものであっても、それが真実に違いない。

p416


不満があったらごまかすな、不安定なもんはちゃんと安定させろ。不条理は条理の中へと押し込んじまえ。てめえの考えをくだらない感傷だなんて思うな。

p542


暴論ですが、天才の価値を見出せるのは天才ではありません。というより、天才に天才は理解できません。
天才を理解するのはいつだって凡人です――その後、称賛するか疎外するかは場合によりけりですけれど。

あとがき


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