見出し画像

初夏を、生きる@class of 2022🎓①


人の人生において、誕生から幼児の時期が「双葉芽吹く頃」とすれば。
思春期は、「春真っ盛り」といったところだろう。
そして、この国の義務教育の最終学年で卒業を迎える12年生達は
さしずめ、「初夏の頃」を生きていると、私は思う。

この国に暮らす子供達が義務教育を終える時は、18歳。
ほとんどの州で、成人年齢は18歳とされているので、
高校を卒業=大人の一員 ということだ。

高校を卒業しての進路は、以下が主なものだろう。
①大学へ進学
②コミュニティカレッジへ進学
そのままコミカレを卒業する場合もあるが、
別の四年制大学に転入を目指すケースも多い。
③ギャップイヤ―を選ぶ
アメリカの大学は入学を一年・半年ほど遅らせることができる。
この期間を旅をしたり、自分の人生の見聞を広げることをしたりする。
④就職

私の家族が通う高校の子供達の多くは、大学進学を予定している。
この国の大学進学は、日本でのような入学試験での選抜方式ではない。

〇高校四年間の成績(GPA)
〇課外活動・ボランティアやリーダーシップを発揮する活動を報告
〇SAT(学力統一試験)のスコア
〇志願者本人によるエッセイ
〇推薦文(身内によるものは✖)
上記のものを志望校に提出し、選考を経て合否が決まる。

これは、私が知っている範囲での話だ。
日本の親族の子供達はみんな、小学校から高校を卒業するまで、
学校で一日中学んだ後は、塾通いをしている。(実は、私もしていた!)
長期休み中も特別講座に入っているため、休みもなく学習している。
その合間、クラブ活動までしているのだから、すごい。
ゆっくりホッとする間は、いつあるのだろう・・・?

ここに暮らす私の家族は、塾に行ったことが無い。
アクティビティ、アルバイトにいそしみ。友達との付き合いも盛ん。
休日は、のんびり過ごしていた。そうそう、家事も担ってくれていた。
と、こんな調子のまま、この秋「大学」に進学する。
一日がパンパンな日本の子供達と、何が違うのだろう・・・?

画像1

今年に入り、しばらくした頃。
家族が「そろそろ、プロムの支度をしないと!」と大騒ぎを始めた。
私が「オンラインでも、ドレス買えるってよ?」とつぶやいた途端、
Tiktokの「オンラインでプロムドレスをオーダーしたら、
こんなおぞましい結果に・・・💦」なリールを延々見せられつつ、
絶対、ドレス専門店でプロムドレスを購入したいと力説された。

「ふうん。でもさ、たった数時間のことじゃないの・・・?」
すると、早朝にヘアメイクして、仲間と街の美観地区に繰り出し、
Photo Shootを一日中した後、プロムに出かけるらしい。
その上、別な日に開催される近隣高校のプロムにも行くというではないか。
気合の入り具合が、ようやく納得できた。

家族が選んだドレスは、ロングドレス。
てっきり、短いドレスを想像していたが、プロムにはロングだそうだ。
プロムに出かけるのに、生花でつくったブレスレットと
エスコートしてくれる男の子にお揃いの花でのコサージュをオーダーする。
段取りが良い家族は、あっという間に様々な準備を整えて、
意気揚々と出かけて行った👗✨

画像2

学校から貸与されているPCの返却と様々な経費の精算を引き換えに、
家族は高校のスクールカラーのガウンとキャップを受け取ってきた。
それらを身につけての卒業式のリハーサルの後は、下校。
母校の小学校から招待されてのイベントに、そのまま参加してきた。

こんなイベント、とても素敵だなあと思う。
母校の小学校の子供達が作る花道を、
ガウンとキャップ姿の高校卒業生が校内をバレードするのだ。
小学生の子供達にとっては、自分たちの未来を。
高校生の子供達にとっては、自分たちの過去を見つめる瞬間だ。
お互い、このコミュニティで成長したことを喜び合う瞬間でもある。

画像3

家族の通う学校には、こんなトラディションがある。
入学年次となる9年生のオリエンテーションは、なんと朝の4:00台に集合。
学校のグラウンドで、皆で日の出を見るのだ。
そのまま戸外で、保護者ボランティアが振る舞うドーナツやベーグルなどの朝食を楽しみながら、新しいクラスメイトと知り合う場となる。

卒業年次となる12年生は別会場での卒業式後、夕方に学校に集合。
学校のグラウンドで、皆で日の入りを見る。
そして、夜通し朝まで、学校校舎内でパーティが開催される。
各々の道に旅立つクラスメイトとの、なんとも明るいお別れ会となる。

さあて、と。
明日はいよいよ、家族の卒業式。



ありがとうございます! あなた様からのお気持ちに、とても嬉しいです。 いただきました厚意は、教育機関、医療機関、動物シェルターなどの 運営資金へ寄付することで、活かしたいと思います。