授業のつくり方の基本
けい先生です。よい授業をしたいですよね。現時点で見えてきたな、と思うところを共有したいと思います。
教材研究のヒント
とくに若い先生方へ、授業づくりのヒントです。(ちなみにけい先生も年齢的にはいつの間にか中堅ハチ公になりました。)国語以外にも、考え方は応用が利くと思います。そうですね、「羅生門」を例に取りましょうか。
「羅生門」で、印象に残っている事柄、ことば、表現は何ですか。書き出してみましょう。
①生徒と同じように、素直に(よけいな知識にふりまわされずに)読んでみましょう。
②疑問に思った点、すぐにはわからなかった点、ここが面白いと思った所をあげていく。そして、何度も読み、作品分析をしてみる。
③特別な作品分析の方法や文芸学的な概念は、知らなくてもよい(知らないほうがよい)。
④次に、生徒が読む場合を想像してみる。生徒がひっかかる所、つまずく所、など、作品の「難所」を予想し、どう説明すればよいかを考えましょう。「羅生門」はいやに理屈っぽいところがあります。また、言葉遣いや言い廻しが難しく、生徒が理解しにくい箇所があります。
・例「どうにもならないことをどうにかするためには、手段を選んでいるいとまはない。選ばないとすれば-下人の考えは何度も同じ道を低回したあげくに、やっとこの局所に逢着した。しかしこの「すれば」はいつまでたっても、けっきょく「すれば」であった。」
⑤意見が分かれる箇所を予想し、あらかじめ自分なりの意見を持っておく。ただし、自分の意見に固執しないことも必要です。
最後に 生徒の言葉をすくい上げる
先生は授業で、よく生徒の意見を聞きますね。生徒が発言したことを、どのように扱っていますか?
「ふんふん。なるほど良い視点だね。他には?」
この先生の対応の問題点は、生徒に発言させることが目的化している点です。発言すればそれで終わり。生徒が何を言ったかは、この先生にとってはどうでもよいのです。
生徒の意見はすべて板書すべきです。これは授業の基本です。別に数十名に意見を聞く必要はありません。そして、先生はその意見についてコメントし、対話をしてください。分からないところは、生徒に聞き直すのもよいです。間違っているのなら、分かりやすく教えましょう。
最近はタブレット端末で、クラス中の意見を画面上に表示することも可能になりました。これは非常に便利な機能です。ただ、やはり注意すべきは、書かせて終わりにならないことです。
方法論におぼれてはいけません。生徒が授業で言ったこと、書いたことを丁寧にすくい上げる。これが授業の基本です。
全ての記事を、これからも無料で公開し続けます。