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デイサービスと在宅のかけ橋

最後の家族旅行に行きたい
当日キャンセルになってもいい
そして当日を迎えた



1.外に出られない利用者さん

デイに通われている利用者は、女性。
旦那さんと2人暮らし。
ご本人は、夫は亡くなり、自分のお父さんと暮らしていると暮らしていると思っている。
認知症が進んでいることはわかっているが、
サービスを利用しようとしても全く外に出ることが難しく、
ご家族と一緒でも滅多に外には出ない。
そうして弊社のデイを紹介されました。


2.家族旅行

2月に入ったころ、ご家族から3月に京都旅行に行きたいと伺いました。
おそらく最後の家族旅行になるだろうと。
お子さん2人とその家族、ご本人と旦那さん、大家族旅行です。
北海道からなので、飛行機、宿泊、道中の移動、決して安価ではないはずです。

「万が一、行かないと言えば、それはその時、キャンセルします。」

凄い覚悟。
凄い想い。
それだけをしても一緒に行きたいという家族の愛。

ご本人さんが利用予定日だった日に出発の予定でしたが、
職員はみな、行けたかな??と、気にかけていました。

翌日、ご家族からLINEが。

「無事に出発できて、孫と京都の街並みを歩いています」

朝のミーティングは拍手喝采でした。


3.かけ橋

利用開始となった当初、やはりご本人は利用拒否でした。

ご家族さんの協力も得ながら、
まずはデイまで足を運んでもらえるよう協同で取り組み、
家族さん送迎で何とか来ていただけるようになり、
職員のお迎えでも来ていただけるようになり。

帰宅の希望を口に出すことが多かったところから、
次第に緩やかな帰宅時間の確認に変わっていき、
今では他の利用者さんの帰宅の訴えに対して、
職員と一緒に対応してくれるほどに。

利用率は、1/5程度から始まり、
徐々に50%、今では90%以上と安定しています。

それでも、
稀に利用拒否も見られているので、
安心はできないといったところがご家族さんの不安だったのだと思います。

私たちにできることって何なのか。

過大解釈なのかもしれませんが、
おそらくは、サービスの利用につながっていなかったとしたら、
旅行に行けなかった可能性が高かったのではないかと思っています。

定期的に外に出ることが習慣化することによって、
外出する生活が普段の一部となり、
どこにも外に出なかった方が、
ご家族と一緒でも外出しなかった方が旅行に行くことができた。
と、思っています。

そう思いたい部分が大きいですが。

それでも、
もしも、デイに通っている生活が、
旅行に行くことができたキッカケの一つにでもなれていたとしたら、
私たちの仕事って尊いことだと思いませんか?

本当に旅行に行けて良かったです。

デイサービスでは、1日のごく一部の時間を利用者さんと共にします。
在宅生活を維持できるようにと、
利用者からご家族まで、その支えになるように。

自宅に戻られた後は、ご家族の時間なのです。

デイに通うことで、外に出られるようになった。
“外出ができる” という橋を、
かけることができたことで、
その先にある旅行という夢の場所へ、
今度はご家族が一緒に向かうことができた。

希望のバトンを渡せたように。

デイと在宅に、かけ橋を。



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