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#06 地蔵尊@等々力渓谷

人々を苦しみから救ってくれる存在として、古くから日本人に親しまれてきたお地蔵さま。
子どもの頃からいつも側にいる、ちょっと不思議な守り神を探す「お地蔵散歩」。
きょうもお地蔵さんを探しながら歩いています。

2017年の夏は妙に暑い日が続いたかと思えば、ずっと雨だったりとおかしな夏だった。
ところで、夏の散歩の定番といえば、東京では等々力渓谷だろう。
東京23区内にあって、唯一の渓谷だ。

東急大井町線の等々力駅から歩いてすぐの場所にある。
行ってみれば、こんな都会に渓谷があるのかと驚くと思う。
真夏でも渓谷に下っていくと、ひんやりとしている。

夏の散歩に最適だと書いたが、夏だけではなく新緑や紅葉の時期なども素敵なお散歩が楽しめる。

今回は、オールアバウトの記事を書くために訪れた。

夏の散歩に最適、23区唯一の渓谷”等々力渓谷”の歩き方 [散歩] All About

不思議なもので、これまで何度も等々力渓谷を訪れているのだけれど、お地蔵さまがいらっしゃることには気がつかなかった。
もともとお地蔵さまに興味はあり、散歩の途中で見つけると必ずカメラを向けていたのだけれど、この連載を始めるようになって、さらにお地蔵さまを見つける率が高くなっているように思う。

* * *

等々力駅から行けば、まずゴルフ橋という橋のところから渓谷へ下りていく。
谷沢川という川があり、川沿いに道が整備されている。

先へ進むと弁天池がある。

この近くの原っぱにお社があった。ちょうど逆側から見ていて、お社になにがあるのかよくわからなかった。
少し距離もあったので、そのままやり過ごしてしまっていたかもしれないが、なんとなくひょっとしてお地蔵さまではないかと思い、近づいた。
お社の正面に行くと、なんとその中にお地蔵さまがいらっしゃったのだ。

なんだか、見つけちゃった感みたいなのがあって、うれしくなった。

花が供えられている。誰かがお世話をしてくださっているのだろう。

蓮の上の立たれていて、お顔はとにかく穏やかだ。
近づいてみると、よだれ掛けにお名前が書かれている。

「地蔵菩薩」とある。
そのほかにも漢字がたくさん書かれているがよくわからない。
最後のほうにはひらがなもあるのだが、これもよくわからない。

不動の滝や等々力不動尊などはけっこう人がいるのだけれど、このお地蔵さまの付近に人はいなかった。
ひょっとして、お地蔵さまって、探してくれるのを待っていらっしゃるのかもしれない。
手を合わせながらそんなことをふと思った。

これまで散歩してて、通らなかった道にひょっとしてお地蔵さまがいらっしゃるのではないか。
そう考えると、あそこにはいらっしゃらなかったと決めつける前に今一度足を運んでお地蔵さまを探さなければとあらためて思った。
今回のお地蔵さまはそんな気付きを与えてくださったように思う。

(続く)


【プロフィール】
下関マグロ(しものせき・まぐろ)
フリーライター、町中華探検隊副隊長。本名、増田剛己。
山口県生まれ。桃山学院大学卒業後、出版社に就職。編集プロダクション、広告代理店を経てフリーになる。
フェチに詳しい人物として、テレビ東京「ゴッドタン」、J-WAVE「PLATOn」などにゲスト出演。
本名でオールアバウトの散歩ガイドを担当。テレビ朝日「やじうまテレビ」「グッド!モーニング」、テレビ東京「7スタライブ」「なないろ日和!」、日本テレビ「ヒルナンデス!」、文化放送「浜美枝のいつかあなたと」「川中美幸 人・うた・心」など、各種メディアに散歩の達人として登場する。

【著書】
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