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貸し借りのむずかしさ

借りるという行為がちょっと苦手。貸すのはまあまだいいのだけど、基本的に、所有していない何かが手元にあること、逆に所有物がいったん誰かのところにあること、という状態がなんだか落ち着かない。あ、マンションとかは別です。さすがに借りてます!!!

代表的なものは図書館の本だろうか。図書館のしずかな空間はとても好きで、家にはないような図鑑などをひらくのはとても楽しい。目にとまった本をなんと買わずに読めちゃうというすごいシステム。大学生のころは論文やレポートのために本を借りていたけれど、小中高&現在、やっぱり欲しい本は購入一択である。公共のものが自分の手にある……!?的な緊張感ではなくて、自分のものにしてから読みたいだけである。うっかり飲み物をこぼすかもしれないし、口元のパンくずが降ってしまうかもしれないし、なにかがバグってうつくしい花が咲いてしまうかもしれないし……。
人から借りるのは、さらにちょっと背筋が伸びる感じ。汚しちゃいけないし変に折れ目がついちゃいけないからすごく気にしてしまう。これまで借りた本、大丈夫だったかな。急に不安になってきた。別に自宅の本をぜんぶやらかしてるのではなく、気持ち的に、気持ち的にね!

ボールペンとか小さなものもすごく借りにくくて、いや、小さいからこそかもしれない。さっきまであなたのきれいな手の内にあったものをわたしの手汗がアレしてしまったらどうしよう、万一こわれちゃったら当然わたしのせいだしあんまり強く握ったらあかんよな(握力16)、等々。考えすぎなのはわかってるんだけど、自分のテリトリーのものならいくらでもリスクを負えるから楽なんだろう。逆にわたしが人にボールペンを貸すときに、こんなしょうもない細かいことなんて全く考えていない。なんも気にせんと自由に書き散らしてくれという気持ち。なんだか損な思考回路である。

でもCDは良いですよね。手のひらくるんくるんやないか。
気になってるけど買うには踏み切れないバンドのアルバム、友人が持っていたりしたら貸してもらってiPodにいれて(自分のものにしている)、なんならお返しにサカナクションなんてどっさり貸しつけちゃったりして。ウフッ。硬質なケースから虹色のディスクを取り出してウィーンと読み込ませる時間、わくわくするんだ~。同じ時間を相手も味わってると思うとさらに楽しくなる。音楽の文通って感じがしますね。……やっぱりお相手のCDを踏んづけちゃったりしたら……とか考えず、メモリに入れたらあとはもうお返しするスタンバイをするだけ! 本とは違って長く触るものではないから、ちょっと気楽なのかも、と勝手に結論づける。めでたしめでたし。

………ライブ行きたいな~~~~~~~!!!!!

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