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この世界を大切にする方法

2022年、世界はとても騒がしかった。
たくさんのことが、起きている。

この世界には無くしたくないものがたくさんある。

知人や友人たちが、それぞれの出来事に対する心のうちを書いたり、行動をしたりしているのをSNSで見ながら、今の世界の中で、自分に何ができるだろうかと考えていた。

日々、いろいろなニュースや出来事が目に飛び込んでくるけれど、そこにはいろんな思惑が複雑に絡み合っているように見える。
ニュースを介して私たちに見えるのはそうちの僅かな部分で、見えていないことの方がきっとたくさんあるんだと思う。

今、何かが大きく変化しようとしている。
見えないところで地殻変動が起ころうとしている、ような気がする。

よくあるヒーローもののように、絶対悪さんがいて、そいつを滅ぼせばオールオッケー、そんなふうにはとても思えない。

もっとたくさんの強力な欲求が、見えないところで重なりあって、虎視眈々と攻めぎあって、たまたまある場所で、ある出来事として多くの人の目に見える形で現れる。
そんな感じがする。

体内の病や、ある日突然山を砕いて出現する土石流と同じく、目に見えて明らかにわかるずっとずっと前から、見えないところでそれは進んでいる。

もののけ姫の冒頭でタタリ神になったイノシシ神も、あの神様自体が恨みを抱きやすい怒りん坊だったわけではない。タタリ神になる直接の原因は、離れた場所で起きていた大きな社会構造の変化の中にあり、村を襲ったのはその表層現象でしかなかった。

たくさんの思惑と欲求と権利と力が絡まり合ったこの世界で、じゃあどうすれば、良いんだろう?

このなんの力もない1人の一般人にできることはないさ、ということもできる。
でも、そうやって投げ出してしまうにしては、この世界はあまりに美しい。

息子に財産は残せないが、この世界は残したい。

いつか、彼が自分の目や身体や感覚のまるごとでこの世界を感じる時が来る。
いや、実際にはもう来ている。
生まれたそのときから、彼は満身でこの世界を楽しんでいる。そのときどきのやり方で。
それはうちの少年1人だけの話ではなくて、この世界に溢れる生命のそれぞれがそうだ。

だから、この世界を大切にしたい。
手元の小さな画面に気を取られているうちにこの美しい世界が失われるなんて嫌だ。

もののけ姫の中で、アシタカが言った。
『曇りなき眼で見て、決める』

彼は、彼の姿勢を示した。指針がある。それを携えて旅に出る。
では、私は? 私たちは?

これから生きる日々という旅にも指針がいる。

「曇り」ってなんだろう?
まなこを曇らせるものはなんだろう。

即座に心に湧いた1つ目は、我欲。
己だけを守ろうとする姿勢。

2つ目は、怖れ。
己が、または己が大切にするものが脅かされるという怖れ。
失う怖れ。
変化する怖れ。
たくさんの怖れがある。

3つ目は…、こちら側に目を向けすぎると無限に出てきそうな気がする。
または無限の闇の口の中に吸い込まれそうというか…。


アシタカの言う『曇りなき』なんだろう?
そこに至るためにはどうすれば良いのだろう?

この世界の美しさを、見失わないために。

つづく。

2022.3から12にかけて、じりじりと。


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