「旅好き」というと語弊がある。
「旅行」という感覚とも違う。
普段はアートディレクターとして、またグラフィックデザイナーとしてインプットとアウトプットを繰り返している私にとって、たまに旅を〈はさみこみ〉たくなる時がある。

先週末、久しぶりにそんな気分になり、思い立って京都へいってきたので「気分を言葉に」まとめてみようと思います。

「旅行」と「旅」のちがい

他の方にとってどうかは分かりませんが、
私の中で「旅行」と「旅」は明確に違います。
「旅行」とは、楽しみに行くもの。
「旅」とは、自分をリセットするためのもの。

つまり「旅行」は、旅行自体が目的であり
「旅」は、旅それ自体が目的ではなく、目的を達成するための手段なのです。

では、私にとっての「旅の目的」とはどういう存在なのか？

「旅」は自分をリセットさせるためのもの

私はアートディレクターという肩書きをもちながら、グラフィックデザイナーとして日々自分で手を動かしてデザインをしています。
媒体は主に紙。雑誌や書籍、ファッションカタログやブランディングなど。
この仕事も10年やってきているので、ある程度自分の力の入れ方、抜き方はわかってきていますが、やっぱり忙しい時は自分を追い込んでいきます。

最近では少なくなりましたが、徹夜が何日も続く日もあれば殆ど寝ずに撮影現場へ行く日もあり、同時にいくつもの仕事を抱えながら締め切りは刻一刻と迫ってくる。だけれども新しい仕事のことはきちんとインプットをして考える必要がある。

それが短期間なら問題はないのですが、職業柄、そういうことって一年中ついてまわります。

そうやって日々を過ごしていると
ふと、自分自身をリセットしたい…！
リセットしなければいけない気がする…！
という感覚に陥ることがあります。

自分の中でもやもやが溜まった時、
それを解消するために普段と違う場所へ行く。
それが私にとっての「旅」です。

リセットの仕方は人それぞれ

人によって、リセットの仕方はさまざまあると思います。
休日は家でゆっくりコーヒーを飲みながらまったりしたい人。
友達とカフェでたわいもない会話を楽しみたい人。

私はおそらく、常に動いていたいタイプなんでしょう。
平日は0時近くまで仕事をしていますが、休日は一ヶ月先まで予定を入れていることもよくあります。
主に気の合う仲間と飲み明かすことが多いのですが、特に人と会う予定を入れていない休日も、一人で街をフラフラしていて家にいることは殆どありません。

なので日々少しづつリセットはされているのですが、たまに大きな波がくることがあります。
先週末もその波が突然押し寄せてきて、友人とのスノボの約束を蹴って一人で京都へ行ってきました（それを許してくれる自由で寛大な友人たちに感謝！）

そんな私が、自分のリセット方法に気が付いたのはもう何年も前。
まだ経験の浅かった私が仕事のストレスを抱えていた時、ふと、高尾山に登ったことがキッカケでした。

山って、登ったら自分の足で帰らないといけないんです。
知っていましたか？笑
改めて考えてみると、すごいことだと思うんです。
疲れたからって、そこからタクシーは拾えないし
山のある程度の場所まで登っていたら、引き返すこともできない。
そうすると、もう頂上まで登りきるしかないんですよね？
そして頂上へ登りきった時の清々しさはハンパない！！
「ストレスが溜まった時」
私はおそらく山を登って自分を追い込み、頂上で発散させているのでしょう。
初めは高尾山でしたが、気持ちのいいものです！

京都によばれた気がした

友人とのスノボをキャンセルした理由がこれです。
仕事中に突然「京都へいかなきゃ…！鈴虫寺が呼んでる…！」
という気がして、いてもたってもいられなくなりました。
（とはいえ1日は悩みましたが、次の日にはホテルの予約をとっていました）
もちろん友人からは「呼ばれてないから！何言ってるの！」といわれましたけれど。笑

どこかへ呼ばれた気がする

私が旅を〈はさみこむ〉理由は、ほぼこれが理由です。
今、どこかへ呼ばれている気がする。
場所はその時の直感で決めます。
〈今〉呼ばれている気がするので、旅立つのは一週間以内が殆どです。

過去には、陣馬山周辺や尾瀬の山に登ったり
青春18切符で白川郷から金沢の方へいってみたり
石垣島とその周辺へ行ったこともありました。

こういった「旅」をする時、私は一人でいきます。
その方が自分をリセットできるから。

自分をリセットしたい時、一人で旅へ行くと
自分で思っている以上に、旅先で出会った人とコミュニケーションがとれるものです。
今回の京都でも、2日目の予定は鈴虫寺へ行くことしか決めていなかったのですが、たまたま連絡をくれた友人や、ホテルのBARで知り合った近所に住んでいる方のオススメの場所、そこへ行くまでに乗ったタクシーのお姉さんの話から、すっかりその日の予定が埋まりました。

何だか私、人とのそういった出逢いの運は強い方みたいです。
月曜日に普段通り仕事へでた時も、京都で友達作ってくるんじゃないかって思った。と仕事仲間から言われました。

インプットとアウトプットをしている間に、
自分を見つめる時間も設けた方がいい

日々たくさんの情報や思想に触れているからこそ
私の場合、たまに自分を振り返る時間を設けたくなるんだろうな、と思います。

そうすることで、改めて今の状況をみつめなおせたり
自分の考えを少し別の角度から眺めることができたり
家族や友人、仕事仲間の大切さに気が付いたりします。

今回、noteに旅の話をまとめて欲しいとkayoちゃんに言ってもらえたことがキッカケで書き始めたのですが、すっかり京都の話とは違う話になってしまったので、先日いった京都の話や、機会があれば他の旅の話など、気ままに書いて行くかもしれません。

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