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子どもが不登校になった時に、やってはいけないこと。

私自身、小学校2年生の途中~小学校6年生の途中までの4年間、不登校でした。そして高校も1年で中退しています!

時が経って、まだ娘は小さいですが一児の父にもなり、またコーチングを通じて対人関係の色々な知識や技術も学んできているところです。

不登校の原因は子どもによって様々だし、複合的なものでもあるので、対策を・・・と言ってもなかなか単純化できるものではありません。一方で何事もそうですが、「してはいけないこと」は意外とシンプルだったりもします。

そんなところを踏まえて、もしお子さんが不登校になったときに、「これだけは絶対にやめて!」という関わり方について書いてみます。


「学校に行きたくない」という気持ちそのものを”否定する”

子どもに「学校に行きたくない」と言われたら、どんな気持ちになるでしょう?色々な考えが頭をよぎりますよね。

「学校いかなきゃダメでしょ!」と思うかもしれないし、

「いや、仕事もあるし私はどうすれば・・・」と思うかもしれません。

それ自体は良い悪いではなく、率直に親として起こる感情や思考だと思います。親だって親の人生があるし、経験や価値観もありますよね。

一方でそれと同様に、子どもにも子どもの人生、経験と価値観があります。だから「学校に行きたくない」という子どもの気持ちそのものは、良い悪いではなくひとつの事実なんです。

この時に最もやってほしくないのは、「学校に行きたくない」という気持ちを否定して受け入れないことです。無視する、話をそらす、説教する、行くべき理由を滔々と語る・・・など否定の方法はいろいろとあります。しかし、どの手段を取ってもそれは強力な人格否定のメッセージとして作用します。

「実際にどうするか」という話し合いをしてはいけない、ということではありません。その前にまず、「学校に行きたくない」という事実の存在を受容して、そのうえで話し合いをしていきたいですね。

学校に行かせようと”強制する”

否定がさらにエスカレートすると、家族が無理やり子どもを学校に連れて行こうとすることが起こります。

不登校経験のある知人でも、「親に無理やり学校に引きずられて行った」という話は意外とあります。もちろん今となっては親のその気持ちは分かります。昔は不登校は今より珍しく世間体というのもあったかもしれませんし、「いや今日仕事休めないしどうすんの」という焦りもあったかもしれません。

ただ、やはり無理やりに強制して連れていくことは、子どもに深い傷を負わせてしまいます。私が現役不登校だったころの友人は、親に無理やり学校に連れていかれた結果、身体的な症状が出て起き上がれなくなってしまいました。それにより親が学校に行かせるのを断念したのです。

その理由は様々ですが、結局のところ本当に嫌だから学校に行きたくないわけです。自分が「絶対に行きたくないところ」を想像してみてください。そこに力ずくで無理やり連れていかれたら、ブチキレて全力で抗議しませんか?

それと同じことを子どもに押し付けるのはやめておきたいですね。

子どものことを心から”信じない”

「信じる」ということは決して綺麗ごとではありません。とても困難であり、しかし非常に強力なインパクトのある行為です。

吉田松陰は自身が牢獄に入れられたとき、絶望の最中にある他の囚人たちの能力を信じて関わり続けました。すると囚人たちは生きる希望を見出し、吉田松陰と共に獄中で勉学に励みだしたと言われています。

相手の人格と可能性を心の底から信じることができれば、どんなにモチベーションの低い相手でもエンパワーできるんですね。

一方、私たちは最も身近な家族のことを、どのくらい信じられているでしょうか?

全く言葉の通じない外国に行くとよく分かるのですが、私たちには言語を介さずとも相手の意図や感情を読み解く力が備わっています。だから、もし子どものことを心から信じていなければ、言葉を通じずともそのことは筒抜けなのです。

「もし仮に学校に行かないとしても、この子には人生を生き抜く力、可能性がある」と本気で断言できますか?できなければ、その気持ちは伝わっていると考えてください。

これは本当に難しいことで、だから吉田松陰はエラいんです・・・。そして子どもを心から信じられないのは、自分で自分のことを信じられていないからでもあります。

子どもの不登校は子どもにとっての人生の課題でもありますが、それとは別に、親の親にとっての人生の課題も同時に立ち現れているんですね。なので、そりゃ親も大変です。一人で抱え込まないことが大事です。


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