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教育に焦点を―生活を、生活で、生活へ

2023/4/20(木):教育に焦点を②
 木曜日の今日は教育というテーマを少し深掘っていく日。


はじめに

 今日取り上げるのは、保育関係者なら必ず学生時代に覚えたであろう「倉橋惣三」という人物。

 正直私は幼稚園教諭や保育士の免許を取った時、倉橋惣三の名前やキーワードは覚えても、文献に触れることがなく…改めて教育学の研究をしようとなってから初めて文献に触れるようになりました。
 彼の教えは、言うまでもなく教育の神髄と言えるものであり、今の社会の中でも何ら古いものではありません。

 教育に携わる方には、単語だけではもったいない!
 今一度倉橋惣三という人の教えに耳を傾けてもらいたいな…そんな風に思い、今日のこの文章を書いています。

「ガーデン主義」

 「保育の父」「日本のフレーベル」として知られる倉橋が、まさしくフレーベルの「キンダーガルテン」について表現した文章に以下のようなものがあります。

「そこには、
 野生ではない自然がある。
 温室ではない培養がある。
 放任ではない自由がある。
 抑圧ではない管理があり、
 強要でない期待がある。」

「倉橋惣三と現代保育」/新井洌、大豆生田啓友、小田豊、児玉衣子
柴崎正行、高杉展、本田和子、森上史郎/フレーベル館 P17~

 これ…保育現場に立ったことのある人にとっていかに実践が難しいか分かることなのではないだろうか。
 「自由」という名のもとに放任してしまう、培養のつもりがいつの間にか温室的な教育になってしまっている…そんなことは保育の現場に溢れているのではないかと思う。
 
 では、いかにすれば倉橋の教えを現場で実践できるのだろうか…以下、大豆生田啓友の研究を元に、実践を考えていきたい。

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