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教育を考える―文学の力

11/3(木):教育を考える⑤

今日は大村はま先生が考える「文学の学習における、つけておくべき力」について少し考えていきたいと思います。
大村先生の挙げる「力」は10。

この人は基本的に教師に向かって問い、伝え続けてきた人だけど、この10の力を知ることは、教師、教師の卵はもちろん、我が子を見る目を養う上でもとても有意義だと思います。

①「独創力」
型にはまらないのびのびとした態度。
個性を伸ばし、独創的、個性的に表現をし、味わい、喜べる力。

②「芸術を知る力、味わう力」
用を達する以上の、美しさの世界を味わう力。
特に、ことばについては、「気持ちのよく出たことば」「心のにじみ出てくることば」「ひびきの美しいことば」「ひびきの力強いことば」など、ことばの芸術に心を向けさせる。

③「人の心持ちをつかむ力」
人の心持ちを考え、ほんとうの涙、笑いが分かる深さを持つ

④「記憶・連想・想像の世界をひろげる力」
過去のことを思い浮かべる。経験していないことを想像する。
今目の前にあること以外に心を自由にあそばせる力。

⑤「気軽に読み、根気よく読みつづける力、根気よく聞き入る力」
     ‹参考›「大村はま国語教室」第四巻/大村はま5p

大村先生の「心を自由にあそばせる」…なんて素敵なことばだろう。
このことば、大好きです!

今日はは、5つの力までをここに記し、少し考えてみましょう。今日の5つは特に、社会的な流行や技術の革新などにより、大人が奪ってしまいやすい力なのではないかと思います。
奪わないように…と思っていても、気を付けていなければ、意識していなければ育たない力。

「社会が変わったらそんなもんでしょ?」で済ましてはならない、人生を豊かに深みのあるものにしてくれる、懸命に守って育てたい力。

大人の思いを汲み取る「楽な子」「都合の良い子」を良しとするのではなく、子どもの姿から、大人の見える世界も変えてもらえる様な、そしてそれをおもしろがれる大人になれたら…そんな社会になれたら…と私は切に願っています。

「大人の安心する想像のみが賞賛される世界」を
「日本語訳したら一行目に出てくるような浅いことばでしか世界を語れない大人」を
「笑顔の奥にある心を図れない大人」を
「心ゆくまで空想に身を置く時間を子どもから奪う世界とそれを見守れない大人」を
「“5分で読める”で分かった気になってしまう、分かろうとしない大人」を

…私たちは全身で恥じて、見直していくべきだと思います。

ショート動画をながら見している子どもの姿。
未来の○○作品展で同じ作品が並ぶ異様な光景。
「セリフで表現しないと分からない!」と恥ずかしいことを堂々と要望してしまう人たちと、「伝わらないから…」と説明過多な映画やドラマ、小説。
すでに他界されている大村先生がこれらの現状を見られたら、どんな思いを口にされるだろう…想像して、私はヤキモキしてしまいます。

変えていきたい。
まずは自分から。
そして自分の周りから。

今日はここまで!祝日の夕方、楽しい時間を過ごしましょうね。
来週の木曜日は今回の続きをお送りします。
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