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”理想的な抱っこやおんぶ”は、時代・性別・人種によって全く違ったという話

認めたくない事実なのだけど、私は赤ちゃんを抱っこするのが下手だと思う。どこか変な筋肉に力が入ってしまい、無駄に疲れる。

そこで意を決して、抱っこの仕方セミナーなるものに参加してみた。

もちろん、抱っこの形に正解はなく、このセミナーで得た情報が全てだとは思わない。しかし、育児を5年経験している私からしても、目から鱗の情報がたくさんあった。


時代によって推奨される横抱きが違う

5年前、上の子を出産したときに助産師さんから教わった横抱きは、「赤ちゃんの股の間に左(右)手を入れて、右(左)腕で頭を支える」というものだった。

しかし講師はこの抱っこを例に出して「いまだにこのスタイルを指導している助産師さんがいますが、赤ちゃんにとって居心地の悪い形であり推奨できません」とのたまった。

いまはいわゆる「まんまる抱っこ」、背中がCカーブになるように、両腕で赤ちゃんを包み込むスタイルの横抱きが主流なのだそうだ。

人類が誕生して以降、子どもが生まれれば必ず親がしていたであろう”抱っこ”。この数年単位の間にも推奨される抱っこの形に変遷があったなんて・・・太古の昔はどんな抱っこをしていたのか、気になって仕方ない。

性別によってベビーキャリアを取りつける位置が違う

子育て経験者なら、エルゴベビーやベビービョルンなどの「ベビーキャリア」を一つや二つ持っているだろう。

これを夫婦でシェアして使っているケースも多いと思うが、下のベルトを締める位置は性別によって異なるとのこと。女性はウエスト、男性はみぞおちあたりで締めるとしっくりくるそうだ。

個人差はあるが、確かに男女で平均的な胸板の厚さや身長には違いがある。

夫が抱っこ紐を使うとなんだか赤ちゃんが苦しそうな気がする・・・と思っていたけれど、取り付け位置が原因だったのか、と妙に納得したのだった。

人種によって楽なおんぶの位置が違う

これらの欧米発ベビーキャリアは、月例に応じておんぶにも使用できるが、設計上、想定しているおんぶの位置は”腰の上”とのこと。

なぜなら、欧米人は体格上、反り腰ぎみでヒップにボリュームのある人が多い。そのため、腰の上あたりでおぶったほうが赤ちゃんを支えやすいそうだ。

一方、アジア人は肩に近い位置でおんぶしたほうが楽なのだとか。実際、昔から日本で使われているおんぶ紐は高い位置でおぶるようにできている。

確かに人種によって体格が違えば、楽なおんぶスタイルも違うよなぁと、興味深く拝聴した。

先人の試行錯誤・叡智の蓄積に感謝

そう言われてみると、授乳にも色んなスタイルがある。それこそ10年くらい前には、授乳四十八手という授乳スタイル集みたいなものがTwitter上でバズっていた。

ベビーキャリアなどによって抱っこが楽になったように、授乳についても産後必要な頻回授乳の負担を楽にするために搾乳器が活躍したり(詳細は下記記事に詳しい)、さまざまな形の授乳クッションが登場したりしている。分娩だっていまや無痛になったのだ。

20万年も前から延々と繰り返され続けてきた分娩、授乳、抱っこ。どれも親が本能的に何も考えず自然とできそうな行為であるが、これらの進化によって楽になっているのは確か。

先人の試行錯誤と多大なる努力、叡智の蓄積に感謝せずにはいられない。





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