「カレーを見直す」提案

あなたはカレーが好きですか?
「辛みが苦手」という人はいても「カレーそのものが嫌い」という人に会ったことがありません。
今や日本の国民食と言って良い程のカレーですが、余程でなければ毎日は食べないですし、食べられないですよね?なぜなのでしょうか。

今回はその理由を私なりに解釈し、もっとカレーを楽しめる提案をしたいと思っています。

かつて、私はカレーの作り方にこだわっていました。
ヤギの脂を調達して、水を一滴も使わず、全部の野菜をミキサーにかけて、スパイスも自分で調合して…なんてやっていました。
そんな私でも毎日カレーを食べ続けるということは出来ませんでした。
皆が好きで、食べたら確実に美味しいのに…。

美味しいカレーを目指し、挑戦を繰り返しながら分かったことがあります。

それは、「カレーは煮物」ということです。

日本のカレーは欧風カレーが起源となっています。いわゆる煮込むカレーです。
その欧風カレーが日本に伝わり「煮物」という概念と重なり、日本独自のカレーになっていったのだと思います。煮物もカレーも一日目よりも二日目の方が美味しい。
それに気づいた私は、早めに二日目のカレー感というのを出せないか?それをなるべく前倒し出来ないか?と思い、いろんな具材がスープの中に溶け出しやすいように小さく切ってみたり、乳化作用が起こりやすくするためにお湯を少しずつ入れていくなどの方法を身に付けました。
そして出来上がりには、香りづけと、ややスパイシー感を得るためにクミンとガラムマサラを入れて作っていました。美味しい。

美味しいけれど…これ、やり過ぎじゃない?とも思ったのです。

カレーの味付けがホビーの領域になっているのです。
日本で市販されているカレールウは優秀です。カレーが国民食となったのはルウの開発努力が大きく起因していると思います。そのルウにあれこれ香辛料を入れていくのは、もう「あんかけチャーハン」状態です。

…食べ物を食べ物に例えてしまいました。

でも、一時流行った「あんかけチャーハン」はもう見ないですよね。あの時に皆さんは気付いたと思うんです。チャーハンで十分なのに、さらにあんかけって。旨味が多すぎる、と。
今のカレーはこういう状態になっているんじゃないかと思うんです。

ある時から日本のカレーに、インドカレーの概念が入ってきました。
すでに完成されていたはずの日本のカレーにインドカレーの要素が入る。
やり過ぎです。私はこれを「足し算カレー」と言っています。

もっと言いましょう。
概念として、欧風カレーは「煮物」に対して、インドカレーは「みそ汁」です。
また可笑しなことを言い出したと思うでしょうか。でもこの見解は、番組でご一緒したタモリさんも同意見でした。

みそ汁は味噌というペーストに旬と合わせて、土地の具材を入れて食べています。インドカレーもカレーペーストに土地の具材を入れて食べています。
日本の風土に合ったものが味噌であり、インドの風土に合ったものがカレーです。その土地のものを美味しく、安全にいただく為に生み出された味付け。私たちがみそ汁を毎日食べられるように、インドの人たちは毎日カレーが食べられるのです。そういう意味でインドカレーはみそ汁です。

まとめるとこうです。

「欧風カレー」×「煮物」=『日本のカレー』

『日本のカレー』×「インドカレー」=『足し算カレー』


となります。
では日本独自のカレーが生まれたように、

「インドカレー」×「みそ汁」=『??』

となるものはないのでしょうか?
実は、インドカレーはみそ汁としては積極的に応用されていないのです。
『??』の部分が今回、「カレーを見直す」というポイントになります。

そこで私はインドカレーの要素は、一旦、日常のカレーから離れてもらい、みそ汁らしく「旬」と組み合わせていくことが良いのではないかと思います。日本には四季があり、その季節感とカレーの融合を楽しむのです。

旬のものをカレーの中に入れるのも良いですし、カレーの味付けで旬を味わうこともありです。他にも、カレーを作ったら二日に分けて食べるようにし、みそ汁のサイクルと同じにすることや、一度作ったメニューを、途中からカレー味に変えたりする「リサイクルカレー」も楽しみ方としてありだと思います。今日は豚汁、明日はカレー豚汁、これだけで幅が広がります。

日常食、日頃の献立のレギュラーメンバーとしてのカレーの概念を少しだけ拡張させ、ただ単にカレーを食べるという行為だけじゃなく「カレー味」をもう少し身近な存在にして欲しいと思うのです。

ここで提案!
旬を盛り込んだカレー料理のカレンダーが欲しい!その名も「カレーンダー」
旬を告げるにはやはりカレンダーではないでしょうか。
カレーグラビアがあり、ふと目に入った時にそのメニューを作れるくらいの手順が書いてある。旬のものを取り入れたレシピや、12ヶ月分のカレーの種類が載っている。

カレーライスだけがカレーじゃない。旬の野菜も、旬の魚もカレー味でいただく。とても日本的なアレンジで良いと思います。

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コメント1件

“乳化作用が起こりやすくするためにお湯を少しずつ入れていくなどの方法”
これ、大根×岡宗『テレビマンズ』に出演されたときに
マキタさんが紹介されたのを聞き、さっそく試してみました。
…作りたてなのにたしかに二日目の味がしました。素晴らしいエマルジョン効果。

「インドカレー」×「みそ汁」=『??』
すぐ頭に浮かんだのは「スープカレー?」でしたが、
なるほど我が家でも豚汁を大量に仕込んだときには、飽きた頃にカレー豚汁に味変します。
前回のゴマ油に続く「ポータブルカレー粉」、いいかもしれません。
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