ヴィーガンとフェミニスト第1話「昨日見た夢の話」



ヴィーガン「昨日さ、結構怖め夢見た。」
フェミニスト「どんな?修羅場?」
ヴ「全然そんなんじゃないんだけど…朝結構急いでて、
  やばいと思って玄関の扉開けたら…」
フ「もうオチ?笑」
ヴ「もう少し聞いてよ。扉開けたら、虫だらけで。ほんと気持ち悪くて」
フ「ゴキ?」
ヴ「いや、茶色い羽ついた虫。名前わかんないけど。
  蜂の巣の周りよく見たら全部蜂で覆われてるみたいなのあるじゃん。」
フ「あーあるね。これが全部この蜂の巣入るのってぐらいの。
  あれなんで外出てるんだろうね。」
ヴ「それは知らないけど、その感じの群れが4つぐらいあって、
  視界遮るぐらいエレベーターホールに虫が飛び交ってて」
フ「カゲロウの大群みたいな?たまにニュースなるやつ。」
ヴ「あーその感じ。カゲロウじゃないけど、
  茶色いセミの抜け殻みたいな虫。ほんと前が見えないぐらい」
フ「セミの抜け殻みたいな虫(笑)。セミの抜け殻じゃなくて?」
ヴ「そう。だって生きてて動いてるんだよ」
フ「コオロギとか?」
ヴ「知らないよ。そこはどうでもよくて。
  部屋出れないから、扉閉めるじゃん。」
フ「それで?」
ヴ「私結構叫んでたっぽくて、なぜか一緒に住んでたおじいちゃんが
  『どうした!?だい大丈夫か!?』って心配してくれて。」
フ「おじいちゃん?急だね。それで?」
ヴ「いや、それ以降の記憶はないんだけど…」
フ「おじいちゃん登場で全て解決とかではなく…?」
ヴ「んー、思い出そうとしても思い出せないんだよね。
  でもとにかく虫が多すぎて気持ち悪いし、
  今朝家出る時も虫だらけなんじゃないかって怖かった。」
フ「正夢にならなくて良かったね。おじいちゃんと住んでるって2人で?」
ヴ「そう。なんで?だよね。自分は今の感じで家も今の家だったけど、
       だいぶ前におじいちゃん死んじゃってるんだよね…」
フ「へぇー…亡くなった人が出てくる夢ってその人が天から
  心配してるみたいなの聞いたっことがある。」
ヴ「そんなのあるんだ。夢占い?」
フ「そうだと思う。おじいちゃんに心配されるようなことしたの?(笑)」
ヴ「何それ(笑)。でも近々悪いことが起こるみたいなのだったら
  どうしよう。こわ。」
フ「まあ占いの話だから。」
ヴ「怖いから信じないわ。」
フ「まあ気をつけてね。」
ヴ「めちゃくちゃ他人事じゃん(笑)。」
フ「ちょっとどんな目に合うのか楽しみにしてるとこある(笑)。」
ヴ「ひどい!何を期待してんのよ(笑)。」
フ「前さ、彼氏が浮気する夢見て、何日後本当に彼氏の浮気発覚して、
       別れた話あるじゃん。」
ヴ「もうやめてよ。思い出したくもない。」
フ「あれは傑作。」
ヴ「ひどいー。そんなおもしろ話じゃないわ!」
フ「もうネタにしていくしかないでしょこの話は。
  かわいそうだけども(笑)」
ヴ「今でも思い出すとイライラして最悪。」
フ「でも私あの時結構優しくしてあげたじゃん。一晩ずっと一緒にいて。」
ヴ「誰かに話したかったの。でも内心笑ってたの?」
フ「あの時はほんとかわいそうだと思ってたよ。」
ヴ「『あの時は』って!」
フ「いや、今考えたらうまくできた話だよ。面白いというかすごい話。
  正夢って本当にあるんだって。」
ヴ「本にでもして成仏したい。」
フ「自伝?映画化?そこまでではないと思うけど(笑)。」
ヴ「なんなの。もういい。」
フ「あんたってよく見た夢の話するよね。」
ヴ「よく夢見るんだよね。眠りが浅いのかな。」
フ「女ってよく見た夢の話する。男の見た夢の話って聞いたことがない。」
ヴ「どうせエッチな夢しか見てなさそう。」
フ「確かに。それしか覚えてられなさそうだし、想像力限界そう。」
ヴ「(笑)。私も最後まで覚えてた夢ってあまりないんだけどね。」
フ「んー…だからなのか…なんかさ、面白くないんだよね。」
ヴ「あーでも別に面白いと思って欲しくて話してないけど。」
フ「まあ、そうなんだろうけど。それにしてもじゃない?」
ヴ「なんなの。芸人じゃないんだから。いいじゃん。」
フ「別にオチがとかは言ってるんじゃなくて…。
  なんと言ったら良いのか…?
       逆にこの話してなんて言って欲しかったの?」
ヴ「虫の方?」
フ「そうだよ。」
ヴ「怖かったし、変な夢だったから…。
  自分だってこうなったら嫌じゃない?」
フ「そりゃいやだけど、それしかない。それ夢の話じゃん(笑)。
  マジでなんて言ったらよかったの?」
ヴ「怖かったの共感して欲しかっただけなんだと思う。
  なんて言って欲しいとかないよ。」
フ「確かに虫は嫌だけど、共感も何も現実じゃないし、
  これに乗ったとてって感じ」
ヴ「共感、共感って言うと女感出て嫌ね。特にあんたみたいなのの前で。
  見下してるんでしょ?」
フ「そんなつもりじゃなくて。
  逆に共感以外のことも何もしてあげられない。」
ヴ「確かに。アドバイスもクソもないね。したところでだし。
  扉の向こうに虫がいる。あんたならどうする?を聞いたとて
  よく考えたら全然興味ない。」
フ「そうなのよ(笑)。でも架空の話で楽しめる仲も素敵だと思うよ。
  にしても女はよく夢の話するなって。面白くもないやつ(笑)。」
ヴ「私はぜんぜん乗れると思うけどな。
  でもあんたの話聞いてこれから面白くないと思っちゃうかもしれない。
  また一つ性格が悪くなったわ。」
フ「視野が広くなっただけだよ。」
ヴ「良いように言い換えないで。」
フ「よくさ、ちびまる子ちゃんでまる子とたまちゃんが夢の話してて、
  決して面白くないんだけど良い関係。」
ヴ「私は小3レベルと言いたいの?」
フ「違うよ。ああいう話ができる仲って素敵って言いたい。」
ヴ「でもあの作者、夢の話する女とか嫌いそう。
  昔のまる子ちゃんって性格悪めで面白いの多いじゃん。」
フ「確かに(笑)。どういうつもりで書いてるんだろうか…。」
ヴ「でも小3女子ってそんなんか。」
フ「たまちゃんたまに心の声出る時あるじゃん。
  あれでいつか今日の私みたいなこと思いそう。」
ヴ「たまちゃんそんな子じゃないでしょ。」

後日互いのいないところで
フェミ「この前【ヴィーガン】にあったんだけどさ、
    ずっと見た夢の話(笑)。だから何の連続。
    マジで会話できない。エピソードなさすぎ。
    ずっと聞き流してたわ。」

ヴィ「この前【フェミニスト】に会ったんだけど、
   お前の話おもんないって(笑)。あいついつから芸人なったの?
   その割にノリノリでいろいろ語ってたよ。お前はどうなのよって。」


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