見出し画像

食べるように物語をみる時

最愛の人を失った時、会社をクビになった時、私はごく自然に物語に溶け込んだ。

どんなフレーズ、立場も心に響かず、それじゃない、ここにもないと必死に自分の気持ちを表すものを探す。俯瞰する余地も与えない不幸な時期というのは、それほどに何もかもがピンとこなくなる。

とめどなく物語を吸収しては、「コレが私で、アレはあの子だ」と思い込み、「アレは私だったのかもしれない、この場面ではコレは彼になってしまった・・・」あっけなく入れ替わる。優れた物語ほど、この立場の入れ替わりが頻繁に起こった。

画像1

言わずもがなの名作 2004年のエターナルサンシャイン。抽象的な心理描写が素晴らしい。子供の頃に見たが、当時この作品のことは全然分かっていなかった。

画像3

BEGIN AGAIN  音楽、キャスト、構成全てが秀逸で何度も見返した作品。それなりに幸せになれそうな選択肢がある中で、彼女は最高の結論に辿り着いたと思う。この作品がなければ、私自身の再生はもう少し遅れていたかもしれない、それくらい好きな作品。

画像2

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー  キャリアを危険にさらしてでも、ユーモア溢れたキャラクター性を持って医者になった男性の実話。奇しくも主役のロビンウィリアムズは、この素晴らしい医者を演じた後、精神を病んで亡くなってしまった。例えこのことを知っていなくても、彼の演技は真に迫るものがある。

画像4

ホリデイ 2007年 キャメロンディアス・ケイトウィンスレットダブル主演 それだけでテンションが上がるが、クリスマスらしいロマンチックなストーリー構成が良い。音楽も良い。この作品は昔から観ているが、改めて大人になってから観ると実体験として共感しながら見れたし、ケイト役の虚無感、元々の価値を取り戻すように元気を与えてくれる周囲の存在、とにかく元気が出る。

画像5

もはや定番と言えるプラダを着た悪魔。働き始めてから観ると更に泣ける。グッとくる。永遠に大事にしたいストーリー。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?