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【短文朗読】吸い込まれるように【ひとり声劇】

☆所要時間:2分
☆人数 :1人用


何も考えず、歩いてきた。
風の向くまま 気の向くまま とは、よく言ったもので。

「なんとなく」で歩みを進められる心地良さから、私の足取りは軽やかだった。

ふと、目が止まり、足が止まった。

それは、見上げても余りあるほど立派な山門(さんもん)だった。
私は自然と頭を下げ一礼し、吸い込まれるように境内(けいだい)へと入っていった。


そこには辺り一面、穏やかな空気が流れていた。
無邪気に笑い、駆け回る子ども
それを微笑みながら見守る両親
散歩する老夫婦
すました顔のネコ


誰と居ても、誰かといなくても
ここに寂しさはない。
受け入れてくれる
見守られている
ありのままを…

心に染み込んでくるあたたかさを
欠片(かけら)も逃したくなくて、
私は目を閉じ、大きく息を吸い込んだ。


End


〜マコのひとりごと〜

寺社巡りが好きで、よく鎌倉に行っていました。

森高千里さんの歌に「渡良瀬橋」という素敵な曲があり、その歌詞に「八雲神社」という言葉が出てきます。
調べてみると、全国のあちらこちらにあるそうで、やはり鎌倉にもありました。
八雲神社に行ってみたくてウロウロしていたところ、出会い頭に一目惚れしたのが「妙本寺」という立派なお寺でした。

結婚式の前撮り撮影にもよく使われているので、どんな天気の時に行っても必ず人がいますが、偉大で、荘厳で、それでいてなぜか親しみ深い空気感がある、たまらなく心地良い空間です。
緑に囲まれた立地も、また癒されます。

鎌倉駅から直接向かうと10分かからないくらいでしょうか。
とてもお勧めのお寺です。

というわけで、妙本寺に一目惚れした時のことを書いた台本でした!

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