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(良い意味で)予想を超える報告内容でした

 BBCによるドキュメンタリー番組に端を発し、国連人権理事会の調査まで出てきたジャニーズ事務所性加害問題。

昨日の外部専門家による再発防止特別チーム3名の記者会見までは、
テレビ各局はアリバイ作りのようなおざなりな報道だけをして、依然として
頬被りを決め込んでいました。
日テレに至っては、どんなに非難されようとも過去に渡って番組の看板となっていたジャニーズタレントを全面起用する24時間テレビをキャストそのままで強行したくらいです。

ところが、昨日の調査報告会見の予想は遥かに超えてくる真摯なもので、ジャニーズ事務所にとっては破壊力抜群でした。
正直、今回の問題に対して第三者委員会ではなく、あくまでもジャニーズサイドとして再発防止特別チームが編成され、元検事総長の林眞琴さんがアサインされたと聞いて、これもアリバイ作りのおざなりな調査なんじゃないかな、とたかをくくっていました。
それが良い意味で期待を裏切られました。

まず、性加害があった事実を明確に認定したこと。
顔出しで勇気を出して訴えていらっしゃった元ジャニーズの被害者の方たち、表向きには名乗り出ていない方達(ヒアリング人数を考えるとこちらも相当数います。現役アイドルタレントも含まれているのかもしれません)、さぞ安堵されたことと思います。

そして、ジャニー喜多川氏によるその膨大な被害者数と性嗜好異常だと表現したこと。
焦点をぼやかさないかなり踏み込んだ内容だったと思います。
林さんも、これからはその経歴はあったとしても、一人の弁護士として活動される訳ですから、ここで中途半端な報告をして評判を下げることは選ばなくて正解でした。
それよりも、あまりのその被害の大きさに、内なる正義感が黙っていなかったのかもしれません。

ジャニーズ事務所の会社としての問題についても言及されていました。

内部統制はもちろん、普通の企業の体を成していない旨。
これが大手芸能事務所としてどのチャンネルをつけてもジャニタレが出ていない番組がないくらい数多くのタレントを送り込んでいたとは。
いくら規模が大き区なり会社のふりをしていても、所詮は興行屋の現代版だったのかなぁとも思いました。

そして、個人的に良かったのは、マスメディアの沈黙についても明確に取り上げたことです。
メディア、マスコミが報道機関としては全く機能せず、正面から取り上げて来なかったこと。
テレビ局に至っては、番組にタレントを出演させたり、雑誌掲載できなくなると困るので報道を控えるといった、そうした「公器」としての役割を忘れて自分たちの利益しか考えていなかった実態にも踏み込まれていました。

調査チームからの勧告として、
事実認定
謝罪
救済措置制度
人権方針の策定と実施
研修の実施
などが挙げられていましたし、

藤島ジュリー景子社長の辞任と同族経営からの脱却も提言されています。
取締役会活性化
社外取締役活用
内部監査室設置
内部通報制度の活性化

社長がおざなりな会見をして(ジャニーズの場合はたった数分間の録画でしたが)、あとは一切表には出てこずに逃げ切りを決め込んでいる状況は、ビッグモーターと瓜二つのようでした。
そして、藤島ジュリー景子本人はすでに辞任するという文春砲も出てますが、そうした逃げ足の速さも、経営陣が変わったとしても依然として株主であるのもビッグモーターと同じ印象です。

まぁ、やること山積みですが、外部から経営のプロやコンサルティングファームを雇えばいいんですよね。
幸いにも、マスコミがいまだにジャニーズタレントを重宝して使ってくれているので、当座の費用には困らないだろうし。
商売を継続できているか否かあたりは、ビッグモーターとの大きな違いかな。

調査チームによる報告書は公開されており、誰でも読めるようになっているところも好印象でした。
大きな権力者に対しても、本来はこうあるべきなんだけどな。

https://www.asahicom.jp/pdf/hokokusho_20230829.pdf


<了>

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