見出し画像

あのクリエイターの自分 #29


先日、クライアントさんとロゴの話で盛り上がりました。自社プロダクトのブランドロゴが海外担当者から変更依頼の打診があったという事です。

簡単にいうと今の時代にあっていないから、という内容でした。どう思いますか?
と聞かれたので変更するタイミングではない気がしたので、それは後回しにしました。先に言っときますが、面倒だからではないですよ!笑

自分の会社のキャッシュフローを考えたら、難しい顔して「確かに時代にあったロゴにすると共感性が得れるので、作り替えた方が良い流れを掴むきっかけができるかもしれません」みたいなことを言って発注依頼してもらった方が仕事になるんですが意外と真面目な部分もあり、、、言えませんでした笑

そんなこともあり、古い、新しい、ていう価値基準てそもそもなんだ?という話を今回はしたいと思います。

まぁ、さっきみたいな事は色々な業種に起こると思いますが、特にファッション、インテリア業界はそれが凄く密接にある気がします。

主軸にあるのは、人々の生活様式ですが、トレンドが絡んでくると、変なマーケットサイクルに組み込まれるため、よくわかんない事を言い出す人が多くなってきます。

今はこれがトレンドよ!とか、これが気分!とかいいけど、、、いわゆるマーケットのトレンドと同じスタイルの人を見かけてよく思うのは、お前のライフスタイルは雑誌かよ。と思ってしまうことも多々あります。

先程のロゴの話と同じで、今の時代と言い出した人のレンジがどれくらいかによって、それをふるいにかける判断基準が大きく作用することになります。

例えば、変態良い子バロメーター1よりも変態良い子バロメーター50の方が、経験値が高くなるのはお分かりだと思います。

その両者の中で何かを選ぶ際は、構成要素がだいぶ変わってきます。
もしそれが0,1秒で決めたことであっても、あ!これだ!というチャンキングの精度が過去の経験からはじき出されてきます。

だからと言って、変態推しをしているわけではないのでご注意ください。
昔、コピーライターの糸井重里さんが作った変態良い子新聞というのがあり、リスペクトの気持ちを込めてバロメータ化した、というどうでもよい表現をお許しください(笑)

自分が大事にしているのは、トレンドは知っておくけど深入りしない、ということでしょうか。そもそも誰かが言ったから従うみたいなのが苦手で、背景が分からないと気分が乗らない。


服のブランドでヨウジヤマモトというのがありますが、下手したらずっと同じに見える人もいるはずです。でも、あるタイミングでトレンドに舞い戻ってくる。これはなんで起こるのか?と30代の頃よく考えて、ファッションの仕事をしていた時期があります。結論は、良い素材で独自の型を持ちつつ、強いスタイルの提案をやり続けているから、なのかなと。この独自の型を作るというのがタフな作業で、
ある時は世間に全く見向きもされないタイミングも必ずある。だけど、それを横目にずっと続けていると、あるとき神の介入がおこります。信じるか信じないかはアナタ次第!!ビシッ!昨今のビックシルエットブームに乗りつつ、、おい!ヨウジヤマモトってビックシルエットだけど、なんだか細い日本人の俺には細マッチョに見えるんじゃね?!になるわけです。

イッセイミヤケもそう。なんか軽くて発色よく、シワを気にしなくて今っぽ
い。バックもらしいデザインでおば様達もリバイバル。。。おい!いつでもどこでも畳めるイッセイミヤケだぞ!になるわけです。

そもそも、コンセプトメイクが風化しないとこまで高めていることが素晴らしい。

それは、ファッションに限った話ではなく、自分たちが小さい頃から目にしていた
浮世絵が大きなヒントになります。西洋絵画は光をモチーフにして絵を描いていますが、日本の浮世絵は光が入り込まない、影がない絵になります。それは時間の概念に引っ張られない、風化しない絵になっています。光は時間によって影の位置を作るので時間が分かります。浮世絵は西洋絵画のように時間軸を書き込まない。

先程のロゴもこういうちょっとしたところにヒントがあるかもしれませんよね。

では、良い1日を



こちらのブログ内容の部分または全部を無断転載、転送、再編集など行なうことはお控えください。いかなる理由においても、厳正に対処させて頂きますのでご注意くださいませ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?