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#971 イエスはいつ生まれたか、っていう話です。

クリスマスのページェントに登場する三人の博士。

あれって不思議なことに、聖書には三人って書いてないんだよね。。。

複数形で書いてあるから、二人かもしれないし、四人かもしれないんだけど。。。

でも三人ってことになってる。

これは、むかしからクリスチャンたちの間で、博士は三人、って伝えられて来たことによる。

いわゆる口伝ってやつだね。

それって、聖書そのものとは別に、聖書に書いてあることはこうだったらしいよー、みたいな伝承が存在していることを示している。

問題は、伝承にどれぐらい重きを置くか、ってことだよね。

ここがクリスチャンたちの間でけっこう見解が分かれるポイントになってる。

あるクリスチャンたちは、聖書ほどではないけれど、伝承にもそれなりに価値を認めるし。。。

逆に、どこまでも聖書だけを重視して、伝承には価値を認めない、っていう立場のクリスチャンたちもいる。

今日の聖書の言葉。

それゆえ、わたしの主が御自ら あなたたちにしるしを与えられる。 見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み その名をインマヌエルと呼ぶ。
イザヤ書 7:14 新共同訳

そういうふうにクリスチャンたちの間で扱い方が分かれる伝承であるわけなんだけど。。。

実は12月25日にイエスが生まれた、っていうクリスマスも、そういう伝承のひとつなんだよね。

だって、聖書そのものには、イエスの誕生の日付は書いてないもん。

なので、最近はけっこう多くの牧師が、クリスマスはイエスの誕生日ではありません、って言ってるけど。。。

これはまあ、伝承は考慮しないで聖書だけを見ると、そう言うことも可能なのかもしれない。

でもねー。。。じゃあ、イエス誕生12月25日説に、まったく根拠がないのか、って言うと、そんなことはないんじゃないか、って自分は思ってる。

その理由を以下に述べるとすると。。。

イエスの誕生に際して出現したベツレヘムの星。

この星を観測した東の国に住む占星術の学者たち、つまり、博士たちが、星の兆しからイエスの誕生を察知して、はるばる旅に出た、っていうのがクリスマスのストーリーのひとつだよね。

ベツレヘムの星がなんだったのか、ってことについては、諸説あるんだけど。。。

ここでは、この星が西暦1年11月5日に観測された水星・金星・火星・木星・の大会合だったと仮定してみよう。

当時ユダヤ人のコミュニティがあったイランのスサあたりからその日の天体を観測すると、こんな大会合が見られた。

星座アプリに日時と場所を入力すると、こんな感じで表示される。

おとめ座(ヴァーゴ)つまりヴァージンが手に持つ麦の穂に重なるように、きれいに水星・金星・火星・木星が会合しているねー。

見よ、おとめが身ごもって
男の子を産み
その名をインマヌエルと呼ぶ

占星術の学者たちはこれを見て、大変だ! 急いで拝みに行かないと、と思って、旅に出発したんじゃないかと思う。

11月5日に観測して、1週間かけて旅支度を整えて、11月12日にスサをラクダで出発したとすると。。。聖書にはラクダに乗ったとは書いてないけど。。。エルサレムまでの約1600キロの距離を一日40キロ行程で進んだとして、40日後の12月22日には到着できるはず。

で、エルサレムでヘロデ王とやりとりしたあと、そこから約8キロ先のベツレヘムに12月24日の深夜に到着するのは、ぜんぜん余裕だ。

ところで、西暦1年にイエスが生まれたとすると。。。別の伝承ではイエスが十字架につけられたのは33歳のとき、ってなってるので。。。イエスの十字架は西暦33年ってことになる。

天文学者の間では、日食や月食があった日付から推測して、イエスの十字架は西暦30年4月7日(国立天文台説)か西暦33年4月3日(ハンフリー&ワディントン説)かのどちらかだろう、ってことになってるんだけど。。。

もし西暦33年4月3日がイエスの十字架の日付だとすると。。。

さらにもうひとつの伝承では、マリアが天使から受胎告知を受けた日付は、イエスの十字架の日付と同じだった、ってことになっているので。。。

つまり、西暦1年4月3日にマリアは受胎告知された、ってことになるよね。

そこで、ネット上で提供されている出産予定日計算機を使って、4月3日を受胎日として入力すると、どんぴしゃ12月25日が出産予定日になるんだよねー。

というわけで、いろいろな伝承が正しいと仮定すると、イエスの誕生日が12月25日になる、っていうのはあながち根拠の無い話ではないんだ。

まあ、この説に弱さがあるとすれば、西暦1年当時はグレゴリオ暦が使われていなかった、ってことなんだけどさ。。。

なので、信じるか信じないかは、あなた次第です。。。

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